Warning: Undefined array key 0 in /wp-content/themes/fid/single-blogs.php on line 8 EC事業者が行うべきCRM施策とは? - 「オンオフ融合マーケティング」戦略室|FID | 「オンオフ融合マーケティング」戦略室|FID

 

 

EC事業者が行うべきCRM施策とは?

今回は、“EC事業者が行うべきCRM施策とは?”をテーマに、統合型CRM/MAを念頭に、“MA機能を活用した新顧客獲得”並びに“CRM機能を活用した既存顧客の活性化”に分け、以下の目次に従い、概説します。

はじめに

2020年は、新型コロナウイルスの世界的な蔓延・感染拡大を契機に、小売店ベースの売上の大幅縮小、他方、オンライン・スマホによる売上の大幅拡大、また、消費者の行動パターンのデジタル化の加速が顕著となりました。こうした傾向は今後とも続くと予想されています。EC市場のこうした質的な変貌に直面し、EC事業者の多くの方が営業・マーケティング・デジタルマーケティング戦略の見直し・修正に着手されていると思います。
短期・中期的な視野で、次の施策の達成を図るために、統合型CRM/MAの機能をどのように活用していくか、留意点を含め、概説します。

 

•収益基盤の拡大を目的とする“MA機能を活用した新規顧客の獲得”
•収益の増加を目的とする“CRM機能を活用した既存顧客の活性化”

 

尚、ホームページ(HP)ですが、次を前提にしています。
 
•購入・検索履歴に基づいたレイアウトのパーソナライズ化
•注文画面へのスムーズな誘導、チャットによる対応や安全性への配慮
•スマホ専用アプリの導入の検討
 
まず、収益基盤の拡大を目的とする“MA機能を活用した新規顧客の獲得”から始めます。

MA機能を活用した新規顧客の獲得

主力商品とターゲット顧客・セグメント情報との関係

次の点から関係性を明確にしていきます。
 
•顧客取引データの分析
まず、顧客データ、特にセグメント情報の完備状況をチェックし、取引データから主力商品とターゲット顧客・セグメント情報の関係を確認します。
この作業を通じて、過去のマーケティング戦略の有効性の検証も有益です。
 
•分析ツールの利用
統合型CRM/MAの分析ツールの利用も有益です。
但し、顧客データの精度により、分析結果の信頼性が左右される点、留意が必要です。
 
•嗜好分析
HPでの検索・閲覧履歴から嗜好分析を行い、主力商品・開発中の商品とセグメント情報との関係性の精度を高めていくべきです。

ターゲット顧客とのアクセスポイント、コミュニケーション手段の確認

次の手順で確認します。
 
a.自社及び主力商品への関心・購入意欲度
消費者がインターネットユーザーから新規顧客となる行程で、自社及び主力商品への関心・購入意欲度、また、特徴的な行動等も変化します。
代表的なセグメントで、この行程をイメージすると、次のようになります。
 
•(無関心)一般のインターネットユーザー:普段通りスマホでインターネットをサーフしていました。
•(認知)インターネットユーザー:気になる商品が目にとまりました。
•(興味)リード(見込み客予備軍):HPにユーザー登録を行い、商品検索を行いました。
•(検討)ホットリード(見込み客):2〜3の商品まで絞り込み、ユーザー評価を参考に、優先順位を付け、高いものから商品のスペック・プライス・在庫の有無、サポート体制を確認・比較検討しました。
•(新規購入)新規顧客:比較検討した結果、特定の商品の購入を決断し、スマホでHPに戻り、顧客登録を行い、発注しました。

 
尚、リードあるいはホットリードの段階で、ユーザー登録(ユーザー名、セグメント情報とメールアドレスなど)、初回購入の際には顧客登録(支払い方法、希望するコミュニケーション方法などを含めた詳細な個人情報)が行われると仮定しています。
 
b.アクセスポイント、コミュニケーション手段の確認
上記の行程はカスタマーサイドから見たものです。これをEC事業者、特に通販・オンラインビジネスあるいはデジタルマーケティングサイドから見直し、セグメント毎に、そのアクセスポイント、コミュニケーション手段の違いを精査します。
例えば、次のような議論展開になるかと思います。
 
•セグメントが“30代前後の独身”の場合
上記の行程は、主力商品Aの対象となるセグメント“30代前後の独身”の場合である。
アクセスポイントは、インターネット、HP、SNS、Twitter、Instagram、Lineなど。
コミュニケーション手段はスマホが中心。専用のアプリの導入も検討すべきである。
 
•セグメントが“60代後半”の場合
他方、主力商品Dの対象の場合、セグメントは“60代後半”となる。
スマホがまだ不得意な世代であり、コミュニケーションの手段は印刷物。
“印刷物としてのDM”がきっかけとなり、コールセンター経由を通じ発注することが多い。
メールやDMのコンテンツの管理と郵送作業は統合型CRM/MAの機能が使える。

アクション・コンテンツ案、実施・配信のタイミング

アクションやコンテンツの考案・検証・修正・更新作業では、次の点について、関連部署間の連携が必要です。
 
•内容
・紹介したい商品とセグメント情報との関係は正しく認識されているか?
・対象顧客層の関心度の違いを十分考慮しているか?
・上位の顧客区分へのステップアップを促すものであるか?
・自社や主力商品を認知し、興味を示し、他の類似商品と検討し、最終的に自社の商品の購入を促すような記事構成となっているか?
・キーワードは、Googleエンジンで検索した際に、上位にランクされるよう選定されているか?
 
•形式
・スマホの画面を意識した形式となっているか?
・文字の大きさ、文章の長さ、写真サイズはスマホの画面に入るか?
 
•実施・配信のタイミング
・配信のチャンネルやタイミングはについてユーザーに照会しているか?
・メール開封の有無確認は定期的に行っているか?
・迷惑メールと認識されないような工夫はされているか?
 
上記の手順後、統合型CRM/MAへの設定が開始されます。
ツールを利用した定期的な効果検証、修正、更新は、実効性のあるアクション・コンテンツの構築に不可欠です。その際、システムパートナーの助言は極めて有益です。
 
次に収益増大を目的とする“CRM機能を活用した既存顧客の活性化”を概説します。

CRM機能を活用した既存顧客の活性化

収益性から見た顧客の区分

新規顧客となった時に、ウエルカムメールを自動配信し、One-To-One的な対応を行ったとしても、油断していると、顧客間に以下のような格差が生じます。
 
•休眠顧客:一度試し購入はしたものの、暫く購入が途絶え、休眠状態になっている。
•一般顧客:ある程度の頻度で、再度同じ商品あるいは関連商品を購入してくれている。
•優良顧客:一般顧客と最優良顧客との間に分類される顧客層
•最有力顧客:限定商品・特別仕様の商品のような歩留まりの高い商品を好んで購入してくれる。
•問題児:低品質、カスタマーサービスの不親切な対応等の不満をSNSで拡散している。

 
尚、統合型CRM/MAのスコアリング機能の利用により、より実効性のある顧客区分が可能です。ご検討下さい。

顧客データとしてのセグメント情報、アクセスポイントとコミュニケーション手段の整備

取引履歴の分析を通じ、主要商品と顧客セグメント情報・嗜好の関係の明確化が必要です、
また、セグメント情報・アクセスポイント・コミュニケション手段等ですが、定期的な顧客登録データのアップデータにより、精度を維持する必要があります。

アクション・コンテンツ案、実施・配信のタイミング

アクション・コンテンツ案ですが、内容、形式、実施・配信のタイミングについては、基本MAの場合と同様の確認作業が必要となります。
その他並びに留意点を例示します。
 
•顧客全般
初回購入時のウエルカムメールだけでなく、誕生日や結構日などの記念日に特別なメールを配信する。
ショッピングカートの残り分をチェックし、注意喚起や代替商品の紹介を行う。
購入・検索履歴に応じ、関連商品の紹介などHPの画面をパーソナライズする。
フィードバック等の返信依頼を行うなど、顧客とのコミュニケーションを維持する。
 
•スリーピング顧客
割引セールス、ポイントアップ、プロモーションの提供を行い、購入の再開を促す工夫を行う。
 
•一般顧客
定期的に、割引セールス、ポイントアップ、プロモーションの提供、新商品の紹介を行う。
 
•優良顧客
準ブランド商品の紹介、買換えに伴うオファーなどをOne-To-One的なコンテンツで行う。
 
•最優良顧客
新ブランド商品の紹介、買換えに伴うオファーなどをよりOne-To-One的なコンテンツで行う。
 
•クレーマー顧客
デジタルマーケティングの対象外とし、特別の配慮を行う。
 
上記の手順を踏んだ後、統合型CRM/MAへの設定が開始されます。留意点等はMAの場合と同様です。

留意点とまとめ

統合型CRM/MAの機能をフルに活用することにより、EC事業者、通販・オンライビジネス・デジタルマーケティング上の次の重要課題の達成を図ることができます。
 
•収益基盤の拡大を目的とする“MA機能を活用した新規顧客の獲得”
•収益の増加を目的とする“CRM機能を活用した既存顧客の活性化”

 
統合型CRM/MAのスコアリング機能やその他の分析ツールの利用により、主要商品・セグメント毎に、実現性・実効性の高いアクション・コンテンツの設定も効率的に行えます。
但し、設定作業を一度行えば済むものではありません。事後の検証・修正・更新作業並びに顧客データのアップデートも必要です。
また、詳細な設定は、“木を見て森を見ず”という状況を生じさせ、メンテ作業の増大と複雑化の原因となる点、留意が必要です。
システムパートナーからの助言は、こうした作業の効率化に繋がります。