Warning: Undefined array key 0 in /wp-content/themes/fid/single-blogs.php on line 8 「DX」とは?|EC業界におけるDX/成功事例などをご紹介 - 「オンオフ融合マーケティング」戦略室|FID | 「オンオフ融合マーケティング」戦略室|FID

 

 

「DX」とは?|EC業界におけるDX/成功事例などをご紹介

今回は“「DX」とは?(EC業界におけるDX/成功事例など)”をテーマに、以下の目次に従い概説します。

はじめに

DXとは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略です。

EC市場の拡大と消費者・顧客の行動パターンのデジタル化が進む中で、EC事業者だけでなく、全ての企業でDXの取組みが必要だと言われています。

クラウドコンピューティング、5G、IoT(Internet of Things)やAI(Artificial Intelligence)といった最新のデジタル技術の導入を思い浮かべる方が多いかと思います。本来は、EC市場で生残るために、デジタル技術をベースに企業内でのプロセスの効率化・業務改善・柔軟な組織体制といった体質の変革、企業文化・風土、更に全ての社員の意識変革(以下デジタル変革)を目標にしたものです。

 

まず、DXの意味について、経済省の定義を紹介します。

DXの定義

経済省のDXの定義

経済産業省は2018年12月に「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」を公表し、DXを次のように定義し、DXの取組みを奨励しています。

  • “企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること”

考え方自体は、決して新しいものではありません。2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって「進化し続けるテクノロジーが人々の生活を豊かにしていく」という概念が提唱されましたが、それが始まりだと言われています。

経営ターゲット・戦略の達成手段としてのDXの取組み

現在、消費者サイドからみると、世代の差を問わず、インターネットが生活の一部となっています。ネットの回線速度の高速化や、PC以上の機能を有するスマホも普及し、時や場所の制限を受けることなくEC市場への参加が可能となっています。

EC事業者サイドでも、こうした消費者・顧客の行動に瞬時に対応できる柔軟な組織・システム作りが必要です。

ア)経営上のターゲット

顧客目線に立ち、顧客のニーズを満たす商品・サービスの提供・満足度の向上を目指し、収益性基盤の拡大・強化、収益性の確保・向上を達成すること

イ)経営戦略

デジタル技術をベースにした企業内でのデジタル変革は、このターゲットを達成する為の経営戦略の一つ

ウ)手段

DXの取組みは、こうした経営ターゲット・戦略を実現する手段、決してDXの取組みそのものが最終目的ではない

 

次に、デジタルトランスフォーメーション化(DX化)プロジェクト・プログラムの現状について概説します。

DX化プロジェクト・プログラムの現状

DXの取込みは、決して日本だけのものではありません。本場のアメリカでも行われています。

過去、国内外でDXの取込みを念頭としたDX化プロジェクト・プログラムが活発に行われてきました。但し、失敗するケースが多かったようです。

失敗例

クラウドコンピューティング、IoTやAIといった最新のデジタル技術の導入が主たる目的となり、本来の目的である企業内でのデジタル変革が未達成という結果になった例が多いようです。

アメリカの有名な経営雑誌の一つであるハーバードビジネスレビューの記事“Digital Transformation is not about Technology”(2019年3月)を読んでいると、“本来の目的を忘れ、DXの取組みとして特定の最新テクノロジー(例えばAI)への投資に集中。ほぼ、約70%が失敗。2018年130兆円DXに投資されたが、その70%、約90兆円が無為に費やされた”(1ドル100円と換算)という内容でした。

大手コンサルのマッキンゼーも、全く同様に成功は30%以下、70%以上が失敗という調査結果を報告しています。

成功の秘訣

DX化プロジェクト・プログラムを成功する為の秘訣ですが、目標、デジタル技術、実行、チェンジマネージメント、コンプライアンスの順に並べると、次の通りとなります(例示)。

  • DX化プロジェクト・プログラムの目標の特定・明確化

主力製品とターゲット顧客セグメントの観点からデジタル化の現状について理解した上で、自社のデジタル化の現状・成熟度を理解する必要があります。その上で、消費者・顧客目線に立った長期的かつ具体的なデジタル化の目標を設定します。

  • DX化にフィットしたデジタル技術の選択

上記の目標を実現する為に、DX化にフィットしたデジタル技術を選択する必要があります。

主力製品とターゲットセグメントのデジタル化に関する現状分析が不可欠です。場合によっては最先端のデジタル技術は役に立たないケースもあると推測します。

  • DXプロジェクト・プログラムの実行

実現性の高い分野から、また、出来るものから順次デジタル化を行います。

消費者・顧客でのデジタル化のスピードに合わせ、また、その変化のスピードに柔軟に対応できるよう、小規模のものを積み上げていくというアジャイル手法が取られるようです。

  • 企業文化・風土の変革と社員の意識変革を念頭にしたチェンジマネージメント

DX化プロジェクトを進める上で、社員スタッフや課長・部長・役員クラスからの不協和音を受けることが予想されます。特に企業規模が大きくなるほどその傾向が強くなります。

社員スタッフの場合、レイオフされるのではないかという危惧に基づきます。課長・部長・役員クラスの場合、これまでの経験・実績に基づき、変革の必要性をシェアーできない場合が多いと推測します。

企業文化・風土の変革と社員の意識変革を念頭にしたチェンジマネージメントが必要となり、CEOや社長の強力なリーダーシップが不可欠となります。危機意識の共有や人事評価の一新が必要となるかもしれません。

  • リスクマネージメント

顧客データーの保全・保護に関わるコンプライアンスや、サイバーテロに対する対応、BCPについても検討が必要となります。

新型コロナウイルスの感染リスクから社員を守る為のリモートワーク環境の警備も必要です。

EC業界における成功例

2020年、新型コロナウイルスの蔓延・感染は、消費者・顧客(社員も含む)の社会生活・経済活動・行動パターンはよりデジタルを中心に変質し、企業サイドでも、対応策として様々なDX化への取組みとしてDX化プロジェクト・プログラムが実践されています。

以下いくつか例示します。

オンライ予約・注文、店舗主体からO2O(Online to Offline)への加速

大手リテール・スーパーが次々と通販・オンラインビジネスに本格参入しています。注文はオンライン、商品は実店舗でピックアップという形式です。

また、中小の飲食店ではスマホによるオンラインによる注文・予約、メニューはレストランの窓口でピックアップが常態化しています。

新型コロナウイルスの感染リスクから店舗スタッフを守るという観点もあり、現金払いではなく、クレジットカードやスマホによるキャッシュレス支払い等のデジタル化が推奨されています。また、購入取引のデーター化により、効果的な嗜好分析が行えるようになり、パーソナライズされたクーポンの提供などのデジタルマーケティングが行われています。

顧客第一主義のAmazon

ECビジネス、通販・オンラインあるいは定期通販・サブスクリプション(サブスク)ビジネスの象徴というべき存在です。

書籍、家電、ファッション、食料品、デジタル書籍、デジタル動画、デジタル音楽といったほぼ全てのものを用意し、消費者・顧客第一主義のサービスを展開しています。送料無料や見放題の動画などの得点付きのプライム会員制度も充実しています。

デジタル技術を駆使し、AWSの提供、Alexaといった音声による注文ツールやAmazon Haloといった健康管理モニタリングツールの販売も行なっています。

配達状況の自動配信だけでなく、注文した商品がタイムリーに消費者・顧客の手元に届くよう、配達網の充実・配送センターにおけるデジタル化も進めています。また、オンラインによる返品処理、返品場所のネットワークのデジタル化も進んでいます。

2020年、新型コロナウイルス禍の中でもますます売上を伸ばしています。

クラウド・サブスクのマイクロソフト

当初は、PCといったハードの生産・販売とWindows OSやMS Officeといったソフトのパッケージ販売というスタイルが中心でした。

近年では、ソフトについてはサブスクビジネス型に転換しています。また、クラウド上のデーター保存サービスも提供しています。

ユーザーのデジタル環境の整備、職場以外でも仕事・作業ができる環境の提供を重視してきました。

新型コロナウイルスの蔓延・感染に対するリモートワークのニーズもあり、2020年7月〜9月期は過去最高の純利益を記録したようです。

留意点とまとめ

2020年は新型コロナウイルスの感染・蔓延を契機として、EC市場の拡大、消費者・顧客の行動パターンのデジタル化が一層加速しています。また、新型コロナウイルスの感染リスクから社員を守るという観点から、デジタル技術を活用し、本社社員のリモートワークも必要となっています。

こうした状況下、EC事業者サイドでは、デジタル技術をベースに企業内でのプロセスの効率化・業務改善・柔軟な組織体制といった体質の変革、企業文化・風土、更に全ての社員の意識の変革(デジタル変革)を目指したDX化への取組みが不可欠となっています。

システムパートナーの助言を得て、デジタル化に関する現状分析と効率的かつ実効性の高いDXプロジェクト・プログラムの企画・実行・モニタリングが必要です。

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