CVRの改善方法と成功事例|業界別の平均値データも

CVRとは、「conversion rate(コンバージョンレート)」の略称で、Webサイト訪問者のうち、実際に購入や申込みなどの行動を起こしたユーザーの割合を示す指標です。

 

CVRを改善することは、自社の売上や利益率を改善することにつながるだけでなく、顧客満足度の向上にも深く影響します。EFOやLPO、ターゲティングなどさまざまな手法を活用して、自社のCVRを改善することが、EC運用を成功させるための近道です。

 

CVRを改善させるためには、CVRが低下する原因と対策を押さえておくことが大切です。本記事では、CVRの改善方法と具体的な成功事例や、業界別の平均的なCVRのデータなどについて解説します。

CVRとは

CVRとは「conversion rate(コンバージョンレート)」の略称で、Webサイト訪問客の中で、実際に行動を起こしたユーザーの割合を示す指標です。「実際の行動」が示す指標はWebサイトの設計や企業の目標などによって異なり、資料請求や会員登録、サンプル請求などさまざまです。
 
流入数が同じであっても、CVRが高いほど、売上や利益率は向上しやすくなります。そのため、Webサイトを運営する事業者には、CVRを高める工夫が求められます。

計算方法

CVRは、下記の計算式で求められます。
 

CVR = コンバージョン数 ÷ アクセス数(またはクリック数)× 100

例えば、ある媒体に出稿している製品広告からリンク先のWebサイトに遷移すると、遷移先のフォームから資料請求ができるとします。このとき、広告がクリックされた回数が300回、資料請求が行われた回数が30回でした。
 
すると、CVRは下記のように計算されます。

CVR = 30回 ÷ 300回 × 100=10%

このようにCVRを求めることで、CVR改善施策を実行するなど、さまざまなマーケティング施策に応用できます。

CVRの平均値

CVRの平均値は、業種によって異なります。一般的にはリスティング広告で2~3%、ディスプレイ広告で0.8~1%程度が平均であると言われていますが、売り出す商品やサービスによっては、必ずしもこれらの平均値に収まらない可能性もあるでしょう。
 
また、CVの内容によっても、CVRの難易度は変化します。例えば無料サンプル請求は誰でも比較的気軽に行えますが、実際に商品を購入するとなると、じっくりと検討して意思決定するユーザーが増えるため、無料サンプルなどの費用がかからないCVに比べてCVRは低くなりがちです。

検索広告の業種別CVR平均値

検索広告の業種別CVR平均値は、下記のとおりです。  

業種 CVR
B2B 3.04%
消費財 6.64%
自動車 6.03%
ライフスタイル 9.64%
Eコマース 2.81%
教育 3.39%
職業紹介 5.13%
金融保険 5.10%
医療・ヘルスケア 3.36%
家庭用品 2.70%
工業製品 3.37%
法律 6.98%
不動産 2.47%
テクノロジー 2.92%
旅行 3.55%

 
検索広告の場合、ライフスタイル領域のCVRが9.64%と最も高く、不動産領域のCVRが2.47%で最も低い結果になっています。
 
参考:https://www.wordstream.com/blog/ws/2016/02/29/google-adwords-industry-benchmarks

ディスプレイ広告の業種別CVR平均値

ディスプレイ広告の業種別CVR平均値は、下記のとおりです。  

業種 CVR
B2B 0.80%
消費財 0.98%
自動車 1.19%
ライフスタイル 3.34%
Eコマース 0.59%
教育 0.50%
職業紹介 1.57%
金融保険 1.19%
医療・ヘルスケア 0.82%
家庭用品 0.43%
工業製品 0.94%
法律 1.84%
不動産 0.80%
テクノロジー 0.86%
旅行 0.51%

 
ディスプレイ広告の場合、ライフスタイル領域が3.34%と最も高く、家庭用品が0.43%と最も低い結果が現れています。
 
参考:https://www.wordstream.com/blog/ws/2016/02/29/google-adwords-industry-benchmarks

CVRが下がる原因

CVRが下がる原因には、次のようなものがあります。
 

  • ・申し込み・入力フォームへのストレス
  • ・広告出稿・集客の導線ミス
  • ・Webサイト・ページ設計の不備

 
ここでは、それぞれの原因について詳しく解説しています。

申し込み・入力フォーム

WebサイトやECサイトの申し込み・入力フォームがストレスを感じられる設計だと、CVRは低下しやすくなります。例えば1ページのテキスト量があまりにも長すぎたり、全体の配置が見にくかったりして最後まで読む気が起きないページ構成になっていると、ユーザーは途中で離脱してしまいます。
 
申し込み・入力フォームはできるだけシンプルで見やすい設計を心がけるとともに、冗長にせず、必要十分な長さに留めることが大切です。

広告出稿・集客の導線

広告出稿や集客の導線も、CVRに大きな影響を及ぼします。どの広告に出稿するのかは、広告効果を最大限に高める上で重要な選択です。また、自社の商品やサービスを求めているユーザーがどのようなKWで検索しているのかを正しく予測し、適切な対策KWに基づいてコンテンツを作成することも大切です。
 
他にも、興味を持ってクリックしたものの、顧客のイメージと異なる内容のコンテンツが掲載されていると、離脱率が上がるため、ユーザーの関心に沿ったコンテンツを提供する必要があります。

Webサイト・ページの設計

Webサイト・ページの設計も、CVRを向上させるためには重要です。どれほど有益なコンテンツが提供されていても、画面全体が見にくく最後まで読むことが難しかったり、CTRが見つけにくい場所に配置されていたりすると、CVRが低下する原因になります。
 
テキストやコンテンツが表示されるスピードに気を配るとともに、CTAを適切な位置に配置しましょう。また、Webサイトの内部構造が原因で、全体の表示が重く感じられることもあるため、Webサイト全体の軽量化などにも気を配ることが求められます。

CVRを改善するための事前の分析と調査

CVRを改善するためには、事前の分析と調査が大切です。流入経路の調査やページ・コンテンツ毎のデータ分析、ユーザーの属性調査などを徹底することで、さらに効率的なCVRの改善を実現できます。改善策を実施する前に、まずは現状把握に努めましょう。

流入経路の調査

Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを活用して、流入経路の調査を行うことで、現状の訪問数とCVRを分析できます。
 
自社のWebサイトに訪れているユーザーはどういった経路で流入しているのかを可視化することで、パフォーマンスの高い経路とそうでない経路が明らかになります。パフォーマンスの低い経路は何らかの問題が生じている可能性が高いため、課題を深掘りして解決することで、CVRの改善が期待できます。

ページ・コンテンツ毎のデータ分析

ランディングページやコンテンツ毎のデータ分析を行い、ユーザーの閲覧状況や行動データなどから、直帰率・離脱率が特に高いページや、CVRが低いページなどを調査します。
 
直帰率・離脱率が高いページは、「検索エンジンなどから関心を持ってリンクをクリックしたものの、実際のコンテンツがユーザーの期待とは異なる内容だった」などの原因が考えられます。
 
また、Webサイト内に適切な問い合わせリンクが設置されているか、リンク切れなどのエラーが生じていないかどうかも調べておくことが大切です。

ユーザーの属性調査

Webサイトを訪れているユーザーの年齢や性別など、属性調査を行うことで、よりターゲットに即したマーケティングを行えるようになります。
 
一般的に、マーケティングを行う際には、自社の商品やサービスに合わせて事前にターゲットを設定します。そのため、属性調査を行うことで、本来のターゲットに十分な訴求ができていない、実は自社が設定したターゲットとは異なる層に人気が出ているなど、さまざまな情報が読み取れます。
 
CVRが特に高いユーザー層を見極めることで、今後のマーケティング施策の方針を定めやすくなるでしょう。

CVR改善するための施策

CVRを改善するための施策として、EFOやLPOの実施、広告・顧客ターゲティング、CVの流れの簡素化などが挙げられます。一つひとつの改善施策を適切に実施することで、改善効果は高まります。ここでは、具体的な4つの施策について詳しく解説します。

EFO(入力フォーム最適化)の実施

EFOとは「Entry Form Optimization」の略称で、WebサイトやECサイト上の入力フォームを最適化する取り組みを指します。
 
お問い合わせフォームや申し込みフォームなど、フォームにはさまざまな種類がありますが、これらの入力フォームを最適化することで、CVRの改善につながります。
 
入力項目をできるだけ少なくする、フォームのすぐ傍に記入例を明示してユーザーが迷いにくくするなどがEFOの代表例です。

LPO(ランディングページ最適化)の実施

LPOとは、「Landing Page Optimization」の略称で、ランディングページの最適化施策を指します。ランディングページは1ページに商品やサービスの情報を集約するため、導線の設計や情報の提示により一層の工夫が必要です。

 

画像の配置やテキストの分かりやすさ、思わず押したくなるようなCVボタンの設計など、さまざまな工夫を凝らすことで、CVRの改善が期待できます。また、必要以上にリンクを設置しすぎず、申込フォームなど本当に必要なリンクのみに絞り込むなどの配慮も求められます。

広告と顧客ターゲティング

出稿する広告の内容やデザインを適切なものに変更するとともに、ターゲット層に適した出稿媒体を選ぶことも、CVR改善施策のひとつです。
 
どれほど広告の出稿を増やしたとしても、本来のニーズとかけ離れた出稿媒体を選んでいると、十分なリーチは期待できません。例えば10代向けのコスメであれば、10代がよく訪問するWebサイトやニュースサイトに広告を出稿するなど、ターゲティングが重要です。適切な広告出稿によって、コスト削減とCVR向上を同時に達成できます。

CVまでの流れを簡素化

CVまでの流れをできるだけ簡素化することも、CVRの改善施策として効果的です。CVまでの流れを簡単にすることで、見込み客の心理的なハードルを下げて、CVRに至りやすくする効果が期待できます。
 
CVまでの流れを簡素化する例としては、次のような施策が考えられます。

  • ・無料サンプルの問い合わせを簡単に行えるようにする
  • ・ページ遷移を何度も行わない
  • ・1ページ目にCTAを設置する
  • ・商品やサービスの説明は分かりやすく簡潔に表現する

サンプルなどの問い合わせ方法が難しいと、「商品は気になるけど、申し込みが難しそうだからやめておこう」と考える人が増えてしまいます。そのため、問い合わせ方法を少しでも簡単にすることで、顧客の取りこぼしを防止できます。
 
また、何度もページ遷移を促すと、回遊するうちに最初に閲覧していた商品に興味を失ってしまう可能性があるため、1ページ目にCTAを設置して完結させる施策も有効です。

CVR改善にCRMツールが活用できる

CVRの改善を行う際は、アナログなアプローチを行うのではなく、CRMツールを活用することをおすすめします。CRMとは「顧客関係管理」のことで、CRMツールには、顧客情報を詳細に管理し、良好な関係を築いていくためのさまざまな機能が備わっています。
 
CRMツールの機能は、広告流入元の絞り込みやABテストの活用、DM・SNS配信による顧客アプローチなどが代表的です。ここでは、CRMツールを活用して何ができるのか、特に大きな3つの機能を紹介します。

広告流入元の絞り込み

CRMツールを活用すると、代理店の収集データや流入媒体、クリエイティブなどさまざまなデータをもとにして、広告の効果測定を行えます。出稿済みの広告がCVRにどの程度の効果をもたらしているのかを明らかにすることで、広告出稿の最適化を図れます。
 
効果測定の結果、費用対効果が高い媒体はそのまま残し、低い媒体は出稿を停止または内容の改善をはかることで、広告を経由して訪れたユーザーのCVR向上につながります。

ABテストへの活用

ランディングページの最適化を図るLPOにおけるA/Bテストで、CRMツールの顧客データを活用すると、より詳細な分析が可能になります。活用できる顧客データには、会員データや売上/受注データ、Web履歴データなどが挙げられます。
 
実際に自社のWebサイトを訪れた顧客のデータを利用すると、顧客のペルソナを具体化できるため、A/Bテストの精度が向上します。より実態に即したA/Bテストを行えるようになるため、CVRの向上が期待できます。

メール配信による顧客アプローチ

メール配信による顧客アプローチも、CRMツールが得意とする領域のひとつです。顧客データの属性や興味・関心などに則ってセグメント分けを行い、セグメントごとに最も訴求効果が高いメッセージを出し分けることで、CVRを高められます。
 
また、メールのほかにもLINEやSMS(ショートメッセージ)、DMなどを出し分けられるツールもあり、チャネル横断的にアプローチすることもできます。
 
ユーザーの過去の行動履歴や購入情報などを参考にして、顧客一人ひとりにパーソナライズされたマーケティングを行うことで、ステップ配信やアフターフォローの精度が向上し、CVR向上につながります。

3つの機能を備えたCRMツール「MOTENASU」

CRMツール「MOTENASU」は上記3つの機能を備えており、CVR改善したい方におすすめです。
 
MOTENASUでは、流入元に合わせたLPを表示し、流入元別に効果測定ができるため、広告予算の再配分や費用対効果が低い広告の改善の施策を簡単に検討することができます。そして、収集した情報を活かして、より精度の高いA/Bテストができるようになり、CVRの改善が見込めます。
 
また、MOTENASUはメールやLINE、SMSなどのチャネル横断的なアプローチにも対応しています。郵送DMにも対応しているため、オンライン・オフラインを融合した顧客アプローチが可能です。
 
ステップメールにも対応しているため、商品購入直後や3日後、1週間後など、顧客の購入意欲が高まりやすいタイミングでメール配信することで、メールのCTRだけでなく、LP遷移後のCVR改善も期待できます。
 
▶「MOTENASU」の詳細ページはこちら

CVR改善の成功事例

CVRの改善施策を実行する際は、既に成功している改善施策を参考にすると、よいアイディアが浮かんできやすくなります。ここでは、CVRの改善に成功した、着物ECとホテル予約サービスの2つの事例を紹介します。

メルマガと広告配信最適化で獲得率180%|着物EC

着物を中心としたあるECサービスでは、メルマガと広告配信の最適化によって、単月獲得率を182%にまで改善することに成功しました。
 
同社ECの業績は元々好調で、高年齢層から一定の支持を集めており、集客に関しては十分な数値を獲得していました。しかし、見込み客の流入に対する成約率が低かったため、この点をECで改善したいと考えていました。
 
そこでメルマガの配信タイミングの見直しと既存顧客データを活用した広告配信の最適化を行い、CVR改善に成功しています。

レイアウト変更で予約数150%増加|ホテル予約サービス

海外のホテル予約サービスでは、A/Bテストの結果をレイアウトに反映したところ、予約数を150%増加させることに成功しました。A/Bテストとは、Webサイト上のある1つの要素だけを変更し、CVRが変化するかどうかを検証する手法のことです。
 
同社では「A:水平レイアウト」と「B:縦型レイアウト」のどちらがより良いコンバージョンをもたらすのかを明らかにするために、 A/B テストを実施しました。結果的に、「B:縦型レイアウト」の方がCVRが高く、CVRの改善に有利であるという結果が導き出されました。

まとめ

CVRを適切に分析・改善することで、同じ流入者数であっても売上や利益率の大幅な向上が期待できます。業種によってもCVRの平均値は異なりますが、自社の業種と照らしあわせて、現状のCVRが十分な値に到達できているかどうかを確認しましょう。
CVRを改善するためには、EFOやLPO、広告・顧客ターゲティングの実施やCVの流れを最適化する施策などが効果的です。
 
EFO、LPOを実施してCVR改善を目指す場合は、ECカートシステム「侍カート」がおすすめです。
 
侍カートでは、「フォーム一体型LP」を実装することがCVまでの流れを簡素化することができます。
具体的には、LP内にフォームがあり、画面遷移しないで住所等を入力することができるため、入力後、1クリックで確認画面、2クリックで購入完了となります。
 
さらに、侍カートでは「確認画面スキップ機能」も搭載しています。これは、LP内にフォームを一体化するだけでなく、入力すると画面上に入力内容が表示されて確認画面を兼ねることができる、というものです。この場合、確認画面への遷移を必要としないため、1クリックで購入完了することができ、CVR改善が見込めます。
導入時は経験豊富なコンサルタントが業種・業態に沿った最適な提案をいたしますので、初めての方でも安心してご利用いただけます。
 
ぜひご検討ください。
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