定期通販の継続率とは?|低下する原因や向上させる施策を解説

継続的な利用が前提の定期通販において、継続率の向上はLTVに影響する重要な要素です。目標とする数値を達成していない場合は、原因を突き止め改善策を検討したり、継続率の向上に効果的な施策を実施したりしなければなりません。

 

本記事では、定期通販における継続率の概要や計測・分析する重要性、継続率が低い場合の原因を解説します。さらに、継続率を向上させる方法や改善施策を効率的・効果的に実施する方法も紹介しますので、継続率の改善・向上にぜひお役立てください。

定期通販の継続率とは?

定期通販の継続率とは、新規購入をした顧客のうち、2回以上購入した顧客の割合を指し、リピート率やF2転換率とも呼ばれる指標です。
 
ここでは、継続率の計算方法やリピーター率との違いを解説します。

継続率の計算方法

定期通販の継続率を計算する際は、以下の計算式を使います。

継続率=2回以上購入した顧客数÷新規顧客数×100(%)

例えば、定期通販を行うD2C企業が「1ヶ月で2,000人の新規顧客」を獲得したとします。そのうち、「2回目の購入に至った顧客が1,500人」いた時の割合は以下の通りです。
 
継続率=1,500÷2,000×100(%)=75(%)
 
上記のように、75%の顧客が2回目も購入したことが分かります。さらに3回目、4回目も同様の方法で計算可能です。それぞれの継続率を算出することで、購入回数ごとの継続率の違いを把握でき、継続率が低下しやすいタイミングに離脱防止の施策を実施できます。

リピーター率との違い

継続率と似た言葉にリピーター率がありますが、意味が異なります。前述した通り、継続率は「新規購入した顧客のうち2回以上購入した割合」ですが、リピーター率は「一定期間で商品を購入した顧客のうち、リピーターがどれだけいたかを示す割合」です。

リピーター率=一定期間内に購入したリピーター数÷一定期間内の全購入者数×100(%)

継続率は、数値が高ければ「商品・サービスの満足度が高い」「施策の効果があった」などの判断ができるので、効果測定の際に使いやすい指標といえます。
 

一方、リピーター率は、「一定期間」あるいは「累計」の顧客数に対するリピーターの割合を示すものなので、必ずしも高ければよいわけではありません。例えば新規サービスでリピーター率が高い場合、リピートを獲得できている点は良いと捉えられるものの、「新規顧客の獲得が弱い」といえる可能性もあります。あくまでもリピーターの割合を把握するために使う指標で、状況に応じて解釈する必要があります。

定期通販の継続率を計測・分析することの重要性

定期通販の継続率を計測・分析することで「継続率アップの施策を検討できる」「売り上げの予想を立てられる」「広告のコストパフォーマンスを最適化できる」などの効果があります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

継続率アップの施策を検討するため

定期通販の継続率を計測・分析することで、どのような施策が効果的なのかを判断できます。例えば、メルマガや同梱物など継続率アップの施策を実施した際に、前後の継続率を比較分析することで、施策の効果測定が可能です。複数の施策効果を把握すれば、継続率アップに最も効果の高い手法を洗い出せるようになります。
 

さらに、顧客の満足度を調べる際にも効果的です。継続率が高ければ顧客の満足度は高く、低ければ顧客の満足度は低いという仮説につなげられるので、商品の改善やコールセンターでの接客方法の改善などを検討する参考にもなります。

売り上げの予想を立てるため

そもそも定期通販は継続的な利用を前提としているので、売り上げの予測を立てやすいビジネスモデルです。継続率の平均などを参考にすれば、大まかな売り上げの目処を予想できます。売り上げが予想できると、資金繰りやビジネス拡大の計画も立てやすくなるでしょう。具体的には、売り上げが落ちる見通しであれば事前にリカバリー施策を立案できたり、好調の見込みであれば事業投資の予算を増やしたりできます。
 

定期通販の継続率を定期的に計測・分析することで、売り上げを予測し、それに則した施策を講じられるので、より安定した事業成長につなげられます。

広告のコストパフォーマンスを最適化するため

継続率の計測・分析は、広告のコストパフォーマンスを最適化する際にも役立ちます。
 

広告のコストパフォーマンスを最適化するには、運用している広告それぞれの継続率を測り、どの広告が最も継続率が悪いか(良いか)を調べる必要があります。出稿しているメディアやクリエイティブ別に継続率を計測・分析し、内容の改善や出稿広告の絞り込みを行うことで、コストパフォーマンスの最適化が可能です。

定期通販の継続率が低い場合に考えられる原因

定期通販の継続率が低い原因には「商品が利用されていない」「継続するメリットを訴求できていない」「無理な勧誘をしている」などが挙げられます。これらを改善すると継続率を高められる可能性があるので、それぞれ確認してみましょう。

商品が利用されていない

定期通販の継続率が低い原因の1つに、商品が想定通りに利用されていないケースがあります。健康食品や化粧品などの消耗品では、商品が届く頻度が 1ヶ月の場合、内容量も1ヶ月で使い切る量です。しかし、顧客が商品の使い方を正しく理解しておらず、使用頻度が低い場合、商品が余ってしまい解約されてしまうことがあります。
 

この問題を解決するには、顧客に商品の使い方を理解してもらう工夫が必要です。例えば化粧品の場合、同梱物やメルマガで正しい使用量や使い方、活用のメリットなどを示すことで、想定した量で継続的に使用してもらえる可能性が高くなります。
 

このように、定期通販は正しい使用方法・使用頻度が顧客に伝わっていないと解約の原因になります。商品に適した方法で顧客にアプローチすることが重要です。

継続するメリットを訴求できていない

顧客の継続率が低い原因に、継続するメリットを訴求できていない可能性があります。定期通販事業においては、商品自体の改善だけでは継続利用の動機として不十分なことがあります。商品の魅力に加え、継続することで得られるメリットを提示し、継続利用を促すことが重要です。

例えば以下のような方法が挙げられます。

  • ・継続して効果が出た人の声を同梱物などで伝える
  • ・継続するほどポイント還元率を高くする
  • ・購入回数に応じたプレゼントを用意する
  • ・購入回数別に会員ランクを設定し特典を設ける

このようなメリットの訴求に加え、継続率が下がるタイミングに最もお得感のある特典を用意するなどの工夫も効果的です。顧客が継続するメリットを感じていなければ、時間と共に商品の印象は薄れてしまいます。現状、適切に訴求ができているか確認し、改善する余地がないか検討してみましょう。

無理な勧誘をしている

コールセンターでの引き上げの方法に無理があると、早期解約されやすくなり継続率低下の原因になります。例えば、定期通販についての説明が不十分であったり、勧誘の仕方が強引であったりなどです。不明点や不満要素を抱えて契約した顧客は、1回で解約される可能性が高くなります。
 

定期通販の件数稼ぎのために無理に引き上げるのではなく、継続するメリットなどを説明しながら、納得のうえで申し込んでもらうことが重要です。そのためには、コールセンターでの対応を見直す必要があります。顧客へ説明する手順や内容などを精査し、対応品質を改善することが重要です。

定期通販の継続率を向上させる方法

定期通販の継続率を向上させる方法として、「個々の顧客に合わせた訴求をする」「同梱物で訴求する」「解約のフローを工夫する」「クレジットカード払いを促す」の4つをご紹介します。

個々の顧客に合わせた訴求をする

個々の顧客に合わせた訴求をすることで、定期通販の継続率を向上させられる可能性があります。通販では、顧客ごとに顧客属性や購入商品、メルマガ・LINE配信への反応率など、さまざまなパラメータが異なります。そこで、顧客ごとに合わせたOne to Oneの訴求を行う具体的な方法を考えなければなりません。
 

例えば、顧客属性・行動履歴といったデータから、顧客の潜在・顕在的なニーズを推測し、最適な内容・タイミングでメール・郵送DMなどでアプローチする方法が挙げられます。他には、過去のデータから、「どのような属性、行動パターンなら継続率が高いのか」という成功パターンを洗い出し、該当する顧客セグメントには積極的に訴求する方法も効果的です。また、継続率が低い顧客であっても「週1回Webサイトを訪問する」など、行動パターンを変えるよう促せないか検討することもできます。
 

このように、個々の顧客データからニーズを推測したり、過去のデータを抽出し活用したりすることで、顧客1人ひとりに最適化したマーケティング施策を実施できます。

同梱物で訴求する

商品と合わせて送付する同梱物のコンテンツに力を入れることも、継続率向上に有効な方法です。同梱物は開封率が100%に近いという強みがあります。顧客が商品を手にする時、最初に目にするコンテンツであり、その後の商品に対するイメージにも影響する重要な接点です。

同梱物の代表的なコンテンツには以下のようなものがあります。

  • ・挨拶・お礼のメッセージ
  • ・使い方の説明
  • ・お客様の声
  • ・割引クーポン
  • ・ブランドブック

継続率アップにつながる具体的な活用方法としては、「商品の正しい使い方と、継続利用による効果の詳細を載せた冊子を同梱する」や、「定期購入への申し込みで次回割引になるクーポンを同梱する」などが挙げられます。このように、同梱物で定期購入への移行を促すことも重要です。

 
参考記事:通販のLTV向上に「同梱物」が役立つ理由と活用のコツ

解約のフローを工夫する

解約の流れで、理由に応じて引き留める対策をしておくことも、継続率の向上に効果的です。顧客の解約を防ぐには、現状の不満や問題点を解消する必要があります。そのためには、解約の申込フォームで理由を入力してもらい、理由に応じた代替策を提案する方法が有効です。
 

具体的な代替案としては、商品が余っているという理由で解約を申し出ている顧客に対して「商品を使い切るまでの休会を勧める」や、送料が高いと答えた顧客に「送料無料のクーポンを提示する」などが挙げられます。また、解約方法を電話に限定することも解約を防ぐために効果的です。解約のハードルが上がるだけでなく、解約理由に応じた柔軟な対応ができます。

クレジットカード払いの選択を促す

クレジットカード払いを選択した顧客は、後払いや代引きと比べて継続率が高い傾向があります。なぜなら、クレジットカード払いは自動的に決済が完了するので、毎回支払いをしている感覚が薄くなるからです。つまり継続率を向上させるためには、クレジットカード払いを選びやすくする工夫が効果的な可能性があります。
 

まずはクレジットカード払いのユーザーの割合を調査し、割合が低ければ改善を検討します。ただし、申し込み時点からクレジットカードを前提にすると、CVR(Conversion Rate:コンバージョン率の略。サンプルのうち購入や登録などの成果が達成できた割合)が悪くなる場合があるので注意が必要です。
 

クレジットカード払いをしたい人が選びやすくすることは必要ですが、最初からあまり強く勧めないことが大切。申し込み完了後に、メールなどでクレジットカード払いを促すとよいでしょう。その際には、クレジットカード払いへの変更で「割引クーポンを付与する」などの特典を提示すると効果的です。

定期通販の継続率改善施策を効率的・効果的に実施する方法

定期通販で継続率を向上させるには、定期購入を促す施策や効率的なデータの収集・分析が重要です。そのためには、施策運用の効率化を可能にする、自社の状況に合う「ECカートシステム」や「CRM/MAツール」の導入が欠かせません。
 

弊社FIDが提供する定期通販・D2C事業に特化したECカートシステム「侍カート」には、以下の機能があります。

  • ・同梱物管理
  • ・定期購入分析
  • ・アンケート登録・編集・削除
  • ・定期商品ごとの回数縛り設定

さらに、定期商品を訴求する「アップセル機能」や、決められた間隔で自動購入処理をする「定期購入機能」など、定期通販向けの機能が充実しているECカートシステムです。
 

「侍カート」と合わせて活用をおすすめするのがCRM/MAツール「MOTENASU」です。
「MOTENASU」の活用で、顧客属性・行動履歴にもとづいた分析で大量の顧客をセグメント化できます。さらにセグメントに応じてメール・LINE・SMS・郵送DMでの自動配信シナリオの設定が可能で、施策の効率化・自動化にも役立つツールです。
定期通販商品の継続率を簡単に確認できる「定期継続分析機能」をはじめ、「定期引き上げ分析機能」や「LTV分析機能」といった高度な分析機能も搭載しており、継続率アップ・売り上げアップに貢献します。

まとめ

定期通販における継続率は、LTVに大きく影響する重要な指標です。定期的に計測・分析することで、継続率を高める施策の検討や売り上げの予測、広告のコストパフォーマンス最適化などに役立ちます。継続率が低い場合には、「商品が適切に利用されていない」「継続するメリットが伝わっていない」「無理な勧誘をしている」などの可能性があるので注意が必要です。継続率を向上させるためには、個々の顧客に合わせた複数チャネルの活用や同梱物での訴求などを検討してみましょう。
 

定期通販に特化したECカートシステムの導入も効果的です。「侍カート」は、2回目以降の決済を自動化できる「定期購入機能」はもちろん、商品購入時に定期商品を訴求する「アップセル機能」など、継続率の向上に効果的な機能を備えています。また、注文完了までの手続きを簡略化し離脱を防ぐ「フォーム一体型LP」のような、快適な購買体験を提供する機能も搭載しています。さらに、定期引き上げ率や定期購入の継続率などを確認できる定期購入分析も可能です。
 

定期通販を攻略するための機能を網羅する「侍カート」と、高度な分析機能を備えた「MOTENASU」。定期通販の継続率をはじめとするEC運用に課題を感じている方は、ぜひ導入をご検討ください。

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