DMの開封率・反応率を上げる6つの方法|CRMツール活用の重要性も合わせてご紹介
オンライン施策が増えた現在でも、依然としてDMは効果の高いマーケティング手法です。
集客、販促の1つとしてDMを検討していたり、オンラインとオフラインを融合した新たなDM運用にチャレンジしたりしている企業も多いのではないでしょうか。
しかし、DMの有効性を社内で共有できず、施策の優先度を上げられていない企業も中にはいらっしゃることでしょう。
そこで注目していただきたいのが、DMの開封率、反応率です。
本記事では、まず最新のDMの開封率・閲読率、行動喚起率のデータを取り上げながら、DM運用の現状を解説します。
次にDMの開封率、閲読率、行動喚起率を高める具体的な施策について解説します。あわせて、これらの施策に欠かせないCRM/MAツールの役割や重要性についても解説しますので、運用の改善やDMの導入などの参考にしてください。
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DMの開封率・閲読率の平均は?
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実際のところ、DMの開封率(閲読率)はどのくらいあるのでしょうか。一般社団法人日本ダイレクトメール協会が発表したデータをみてみましょう。
開封率(2021年) 開封率(2020年) 世帯宛のDM 67.60% 54.30% 本人宛のDM 79.50% 63.10% 宛名なし 37.30% 不明
出典:DMメディア実態調査2021|一般社団法人日本ダイレクトメール協会世帯宛、本人宛のDMの開封率は総じて高い値です。特に本人宛のDMの開封率は高く、電子メールの開封率が15~20%程度であることと比較すれば、強い訴求力を持った手法だとわかります。
DMの開封率はコロナ禍以降、上昇を続けていますが、その大きな要因は若年層の意識変化です。TOPPAN FORMSの2020年の調査によると「1年前に比べてDMの開封割合が増えた」と回答した若年層の割合は35%にも上りました。「受け取った実感を持ちやすい」「届いたことに気付きやすい」「安心感を持ちやすい」などが関係していると、TOPPAN FORMSは分析しています。
※出典:コロナ禍で若年層を中心にDMを受け入れる意識が向上 1年前に比べ「開封割合が増えた」との認識も|TOPPAN FORMS
本人宛DMの行動喚起率は受取に対して21%
開封率が最も高いのが本人宛のDMです。では開封した人のうち、どれくらいの割合が具体的な行動を起こしたのでしょうか。
同じく「DMメディア実態調査2021」によると、本人宛DMの行動喚起率は21%でした。2021年はコロナ禍の影響によって行動を起こしにくい影響がありましたが、それでも前年の15.1%と比べて約5%増えました。
21%という数字を見て、非常に高いと思った方もいるのではないでしょうか。実際、DMの「レスポンス率」として平均とされているのは数%に過ぎません。
しかしこれまで計測できていなかった「ネットで商品を検索した」といった間接的な行動喚起まで含めると、実は数倍~数十倍に上ることがわかります。DMはクロスメディアの起点になる
DMは1つの商品、サービスを、いろいろな媒体で広告宣伝する「クロスメディア」の起点になり得ます。このことは「DMメディア実態調査2021」の本人宛DMの行動喚起率(21%)の内訳をみると、よくわかるでしょう。
行動 割合 ネットで調べた 8.00% 家族・友人との話題にした 2.90% 店に出かけた 1.80% 購入・利用した 3.40% 資料請求した 2.80% 問い合わせた 0.70% ネット上の掲示板などに書き込んだ 0.30% 会員登録した 1.70% その他 0.40%
上記の結果をみるとDM開封後、ECサイトを訪れたり、電話したり、紙媒体のカタログを取り寄せたりと、さまざまな媒体、チャネルにアクセスしている様子が浮かびます。
ただし、この内訳は性別や年代によって、やや変わります。例えば20代男女を比較すると、男性は購買行動をとりやすいのに対して、女性は情報収集が多いなどです。このため精度の高いマーケティングをするには、ターゲットに沿ったマーケティングが効果的と言えます。会員・取引のある相手からのDMは受取意向が高い傾向にある
DMの送り手によっても、開封率、閲読率は大きく変わります。「DMメディア実態調査2021」が公表している送り手ごとの受取意向の割合(「受け取りたい」または「まあ受け取ってもよい」と答えた人の割合)をみてみましょう。
送り手 受取意向の割合 取引相手(利用経験のある、または会員登録している企業、お店) 74.00% クレジットカード会社やポイントサービス 51.50% 関係のない企業、お店 19.00% 無宛名で投函 16.00%
出典:DMメディア実態調査2021|一般社団法人日本ダイレクトメール協会
この結果をみると、DMの開封率は送り手との信頼関係が大きく影響していることがわかります。逆に言えば、適切な顧客管理で信頼関係を築けていれば、高い開封率を維持しやすいのです。 -
DMの開封率・閲読率を上げる方法
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先に紹介した調査結果から言えることをまとめると、DMの開封率(閲読率)を上げるポイントは、顧客と信頼関係を築いたうえで、顧客が求める情報を届けることだと言えます。
そこで、DMの開封率・閲読率を上げる施策として、下記の4つを解説します。- ・対象を絞り込んで郵送する
- ・DM郵送と合わせてメールを配信する
- ・サンプルを同封する
- ・開封/閲読したくなるコピーを盛り込む
対象を絞り込んで郵送する
DMを無差別に郵送しても開封率は下がってしまいます。一斉郵送を前提としたキャッチコピーは、どうしても八方美人的な薄い内容になるため、どのターゲットの心にも刺さらず、開封率は落ちてしまいがちです。
また一斉送信はコスト面の負担が大きい方法です。もし万人受けする広告にしたいなら、カタログやパンフレットのボリュームが増して制作、印刷コストが上がってしまうでしょう。もちろん、送る数が増えるほど郵送料金もかさみます。
そこで必須になるのが、顧客リストを抽出するためのCRM/MAツール(※)です。
CRM/MAツールを使えば、例えば一定の購買額のある既存顧客を選んでDMを送れます。また顧客の年齢や性別、住んでいる地域、購買履歴などによって、DMの内容を変えられるため、CRM/MAツールはDMの費用対効果を高めるための重要なパートナーといえます。
※CRMツール:顧客情報を一元管理し、顧客との良好な関係を構築・維持するツール
MAツール:一元管理した顧客情報をもとに、メール送信(SMS、LINEなど)などのマーケティング活動を自動化するツールDM郵送と合わせてメールを配信する
オフラインとオンラインの施策を融合すると成果が上がることが知られています。「2016 DM協会実施DM利用実態調査」によると、メールやDMを単独で使うより、組み合わせたほうが自社へのアクセス率が高まる結果が出ています。
手法 アクセス率 メールのみ 8.1% DMのみ 9.8% メール+DM 14.7%
メールとDMを組み合わせますと、例えばメールを開封した人にだけDMを送って開封率を高められます。またDMに反応がなかった顧客のみにメールを送るなどすれば、取りこぼし防止になるでしょう。
もちろん組み合わせるオンライン施策はメールだけに限りません。「DM×LINE」「DM×SMS」などでも、同じ効果が見込めます。ただしマルチチャネル戦術は運用が複雑になりやすいため、DMやメール、LINE、SMSなどを一元的に管理できるCRM/MAツールを選んだほうがよいでしょう。サンプルを同封する
サンプルを同封すると「何が入っているのだろう?」「商品がもらえてお得」などと顧客に思ってもらいやすく、開封率を高められます。開封後の行動喚起率も高いため、よく用いられる施策の1つです。
サンプル品を入れる場合は、厚みがあるDMのほうが、より開封率が上がります。サンプル品への期待が高まりやすくなりますし、届いたことに気付いてもらいやすいからです。
もし商品の性質上、厚みを出せないなら、透明の封筒を使ってサンプル品を確認できるようにしたり、封筒に「サンプル品贈呈」と大きく書いておいたり工夫します。
開封/閲読したくなるコピーを盛り込む
DMのなるべく目立つ位置に、開封/閲読したくなるコピーを書いておくのも効果的です。ターゲットや商材にもよりますが、「緊急性」「希少性」「親密感・特別感」などに訴えかけるのがセオリーです。幾つか文例を紹介します。
緊急性の訴求
「スーパーセール開催!2022年8月15日~17日」
「数に限りがございます」
希少性の訴求
「年に一度のお買い得セール」
「限定クーポンコード付き」
親密感・特別感の訴求
「会員様だけの特別価格」
「日頃よりご愛顧いただいている、お客様限定」
いずれにしても、ターゲットの心に刺さるフレーズが成果を左右しますので、この施策でもCRM/MAツールに蓄積したデータを活用した顧客理解が欠かせません。 -
DMの反応率を上げる方法
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せっかく開封してもらえても、ゴミ箱に直行してしまっては意味がありません。では行動喚起につながるDMにするにはどうしたらよいのでしょうか。ポイントになるのは、ターゲットが好む流入経路を用意しておくことです。
ここでは多くの企業が導入しており、効果の高さも確かめられている方法として「QRコード付DM」「返信はがき付DM」の2つを紹介します。
※「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。DM内にQRコードを付与する
QRコードを印刷したDMを活用する企業も増えています。QRコードはスマートフォンのカメラで読み取るだけで簡単に当該Webページにアクセスできるため、行動喚起のハードルを下げられます。
DMの訴求力を補いやすいのもQRコードの特徴です。例えばDMでは商品のよさを伝えきれない場合に、動画サイトに誘導したり、漫画のLPに誘導したりするなどが考えられます。また自社の特設サイトや申し込みフォームに誘導すれば、行動喚起からコンバージョンにスムーズにつなげられるでしょう。
現在は同じ商品のDMでも、QRコードを刷り分けられるようになっています。例えばサプリメントのDMなら、QRコードのリンク先を以下のように切り替えます。
- ・20代女性向けDMのQRコード→美容面のメリットをアピールするLP
- ・50代男性向けDMのQRコード→体の調子を整える効果をアピールするLP
もちろん印刷業者に発注する際には、顧客リストを提出しなければなりません。パーソナライズしたDM配布を実現するには、やはりCRM/MAツールが必要です。返信はがき付DMを郵送する
往信はがきと返信はがきが一体になった返信はがき付きDMを利用すると、商品注文や申し込みなどの手間が少ないため、行動喚起につながりやすくなります。
例えば、通販なら住所や氏名を印刷しておき、商品個数を記入するだけでよい状態にしておきます。セミナー参加募集のDMなら、選択肢のなかから希望日時を選べるようにするとよいでしょう。
返信はがき付DMが特に有効なのは、パソコンやスマートフォンをあまり使わない世代です。すべてがオフラインで完結するため手軽さと安心感を持ってもらいやすく、行動喚起率が高まります。
現代はオンライン施策が隆盛ですが、依然としてオフライン施策も有効です。例えばCRM/MAツールを活用して、シニア層は返信はがき付DM、ミドル世代はQRコード付はがき、若年層はLINEやメールなど、複数のチャネルを使い分ければ、トータルの成果が向上します。 -
DMの開封率・反応率を上げるためにCRMツール活用が重要
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ここまでDMの効果を高める方法を紹介してきました。その重要ポイントを大きく分けると「顧客ニーズに合ったDMを、適切な方法で届ける」「DMと他のチャネルを組み合わせる」の2つです。
これらの施策を実現するには、CRM/MAツールが必要です。送付リストを効率的に作成できる上に、ターゲットの絞り込みによってコストも大幅に削減できます。またECサイトの閲覧履歴や購買履歴、メールやLINEでの反応など、他のチャネルの顧客データも有効活用して、顧客の心に刺さるDMを届けられます。
近年注目されているオフライン施策とオンライン施策の融合を実現するには、マルチチャネル対応のCRM/MAツールの導入をおすすめします。例えばDMとLINE、メールなどを一元的に管理運用できるCRM/MAツールを使えば、MA機能(マーケティングオートメーション)によって運用の手間を増やさずに、マルチチャネル戦略を実行できるためです。また顧客ニーズに沿った高精度のシナリオ配信も実現できるようになります。 -
まとめ|DMの開封率・反応率を上げるなら「MOTENASU」
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CRM/MAツールの顧客データを活用して、顧客が求める内容のDMを適切なアプローチ方法で届けることができれば、おのずと開封率、閲読率、行動喚起率は上がります。
本記事で紹介したメールやLINEとの併用、QRコード添付などのポイントも検討して、効果的なDM運用を目指しましょう。
また「もっと開封率を高めたい」「DM発送のコストを削減したい」などとお悩みの場合は、「MOTENASU」の導入をご検討ください。
MOTENASUには下記のような導入・運用メリットがあります。
One to Oneマーケティング機能が充実MOTENASUは御社の基幹システムと連携して、購入金額が設定金額を超えた顧客に限ってDMを配布したり、一定期間購入がない休眠顧客を抽出してDMを送ったりできます。
マルチチャネルを一元管理DM、メール、SMS、LINEなどの複数のチャネルを一元的に管理運用でき、ターゲットに合わせて最適なチャネルを選べます。また「DMを送信して反応がなかった顧客だけにキャンペーン通知メールを送る」など、チャネルを横断した高度なシナリオ配信も組めます。
配布物の発注もオートメーション化特許を取得した配布物発注システムによって、配布物の発注もオートメーション化できます。例えばQRコード付DMを送付し、DM経由の資料請求や商品購入があった際に、資料や商品を自動的に選んで梱包し、顧客の元に届けられます。
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