通販の同梱物は継続率に影響する?効果的な同梱物の種類と運用の注意点
顧客に対して商品とともに送るお礼状や商品チラシ、試供品などのことを、同梱物といいます。通販において同梱物は継続率をアップさせ売上増加につながるため重要です。継続率アップにはメルマガや郵送DMも効果的ですが、同梱物は別の強みもあります。
なぜ同梱物が継続率アップに効果的なのか、同梱物施策を導入する際にはどのような点に気をつければよいのか確認していきましょう。
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そもそも同梱物とは?
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ECやD2Cにおいて同梱物とは、顧客が購入した商品と一緒に送る物のことです。同梱物の具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
- ・挨拶状
- ・商品購入のお礼状
- ・商品の使い方を紹介するパンフレット
- ・関連商品のカタログ
- ・関連商品の試供品
- ・次回購入時に使えるクーポン
例えば夏服を購入した顧客に秋・冬服のパンフレットを送ると、秋冬シーズンが来た時に再購入を促す効果が得られるでしょう。
商品購入のお礼状に次回使えるクーポンコードを記載するなど、複数の同梱物を組み合わせるケースもあります。 -
通販において同梱物がもたらす効果
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通販において、同梱物がもたらす効果のひとつは「継続率(リピート率)を上げる」ことです。
継続率とは、新規顧客のうち2回以上購入した人の割合のことです。自社商品を繰り返し購入してくれる顧客が増えれば、長期的な売上の向上が期待できます。
売上の向上には新規顧客の獲得も重要ですが、「1:5の法則」ともいわれるように新規顧客獲得には既存顧客維持の約5倍もコストがかかるとされています。よって、新規顧客を離脱させない施策は欠かせません。
客離れを5%改善すると売上が25%上がるという「5:25の法則」を見ても、リピート客を増やして継続率を上げる重要性が分かるでしょう。
同梱物を工夫すれば、このように売上向上のために欠かせない継続率のアップが期待できるのです。 -
同梱物が継続率アップに効果的な理由
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同梱物を活用して継続率を上げることがいかに重要かがわかったところで、そもそもなぜ同梱物が継続率アップに効果的なのかを見ていきましょう。継続率アップに効果的な施策は他にもありますが、同梱物が特に効果的とされる理由も分かります。
接触率が高く目に留まりやすい
「接触率が高く目に留まりやすい」ことが、同梱物が継続率アップに効果的な理由の1つです。
継続率アップにはメルマガや郵送DMも効果的ではありますが、これらの開封率はメルマガなら20%程度、郵送DMなら60%程度という調査もあります。いくら顧客に刺さる内容でも、読んでくれる顧客が少なければ効果は下がります。
一方、同梱物は顧客が自ら購入した商品を開封する際にほぼ必ず目に入ります。商品への関心度が高まっている瞬間なので、「商品に関することをもっと知りたい」「商品の正しい使い方を見ておきたい」という思いから内容までしっかり確認してもらえる可能性が高いのです。
よって、同梱物はさまざまなコンテンツをほぼ確実に届ける方法として優れており、継続率アップにも効果的なのです。ブランディングにつながる
同梱物は、継続率アップに重要なブランディングにも効果的です。ブランディングとは、商品やブランドの認知度を高め、好印象を獲得してファン化させることです。
ブランディングをして顧客にファンになってもらえば、「このブランドだから」という理由で長く繰り返し購入してもらいやすくなります。ブランドへの思い入れが強くなるため他社への目移り・乗り換えを防ぐことができ、継続率が上がるのです。
商品開封時は、顧客の期待度が高まっています。そのタイミングでパンフレットやチラシを通してブランドの世界観や魅力をアピールすると、顧客の心に響きやすく、ブランドイメージの定着・ファン化が期待できます。
環境への配慮やブランドのポリシーなどを伝える同梱物も、顧客の共感や賛同を呼びファン化につながりやすいでしょう。定期購入の解約を防止できる
同梱物には、定期購入の解約を防止することで継続率を上げる効果もあります。定期購入への引き上げ・維持は継続率アップに不可欠ですが、特に3~4回目で、以下の理由により離脱するケースもあります。
- ・「商品余り」が発生している
- ・継続購入してみたが効果が感じられない
- ・飽きてきた
特に商品開封時は「忘れないうちに解約してしまおう」という心理が働くこともあり、定期購入の解約が発生しやすいです。しかし、同梱物を通して以下のことを伝えれば顧客の不満を解消でき、「もう少し継続してみよう」と思ってもらえます。
- ・次回配送をスキップする方法
- ・効果が出るタイミングや正しい使い方の説明
さらに効果が高い関連商品や新商品の紹介・試供品も、定期購入の解約に効果的でしょう。
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継続率アップにおすすめの同梱物の種類
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同梱物にはさまざまな種類があり、どれを送るのかも効果を左右する重要なポイントです。継続率アップに効果的な同梱物の種類と具体例を解説していくので、自社商品に合ったものを選べるよう参考にしてみてください。
お客様の声・体験談の紹介
お客様の声・体験談を紹介するチラシやパンフレットは、顧客の信頼感を得て継続率をアップさせるのに効果的です。
特に健康食品は、効果がすぐに感じられないとただ惰性で食べているような状態になり、モチベーションの低下から離脱につながることもあります。
しかし、既存顧客の声や体験談を紹介して顧客に「ゴール」を示しておけば、小さな効果にも気付きやすくなります。また、「自分も同じような効果を得られるはず」という信頼感が強まるため、モチベーションを保ったまま商品を使い切り、リピートもしてもらいやすくなるのです。キャンペーン・お得情報
同梱物としてクーポン券やキャンペーン情報を送ると、次回購入にお得感が出るため再購入してもらいやすくなります。
特に以下のような内容であれば、「早く買わなければお得感がなくなる」という気持ちが生まれるため、再購入を先送りしたまま忘れられてしまうことを防げます。- ・期限付きクーポン
- ・先着〇名限定、数量限定のキャンペーン
また、お誕生日月限定クーポンは、しばらく購入のなかった休眠客に再購入を促すのに効果的です。再購入を繰り返すごとに割引率が増えるクーポンも、長くリピートしてもらうきっかけになります。
定期通販の案内
定期通販の案内は、1回だけの再購入にとどまらない継続的な購入につながります。ただし、定期通販を始めると長い間その商品を使うことになるため、商品に対する信頼感や期待値が低い状態でアプローチしても効果は薄いでしょう。
よって、まずは単発購入の段階で購入のお礼状や他の顧客の口コミ、商品の使い方を丁寧に紹介し、商品への期待値・信頼感を高めることが重要です。
そうした施策と合わせて定期通販限定のクーポンや定期通販の初回限定価格の案内を同梱すれば、定期通販にスムーズに移行してもらえるでしょう。商品の使い方の解説
商品の使い方を解説するチラシやパンフレットも、継続率を高めるのに効果的な同梱物です。商品の魅力を伝えることで顧客をファン化できるだけでなく、正しい使い方を伝えれば商品の効果が出やすくなり、継続利用のモチベーションを高められます。
また、定期通販の場合は適切な使用頻度や使用量を伝えることで、次回配送時にまだ商品が残っているということを防げます。これにより、商品余りによる定期通販の解約も回避できるのです。
食品の場合はアレンジした食べ方を紹介すると、飽きてしまって離脱することを防げるので、継続率が上がりやすくなります。ブランドブック
ブランドのポリシーやこだわりを伝えるブランドブックは、顧客をファン化して再購入を促すことに効果的です。
例えばZ世代がターゲットなら、環境問題や人権問題への配慮をアピールする内容を検討してみましょう。
Z世代はSDGsや社会貢献に積極的で、日経MJによる2021年の調査では「価格が高くなったり、不自由になったりしても、自らの消費行動を通じて社会の課題解決に貢献したいか」という質問に34.9%が「貢献したい」と回答しているのです。社会的責任をしっかり果たしていることが分かれば、信頼できる企業としてリピート購入してもらえる可能性が高まります。
上記は一例ですが、顧客層の関心・志向に合わせてブランドブックで適切な訴求ができれば固定ファン化に役立つでしょう。 -
同梱物で継続率アップの効果を高めるためのポイント
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継続率アップに効果的な同梱物ですが、何を同梱しても効果が出るというわけではありません。顧客に合わせた同梱物を検討する必要があり、加えて継続的に運用するにあたっては発送の作業を効率化することも重要です。ポイントを詳しく解説していきます。
顧客に合わせて同梱物を変える
同梱物を送る際には、顧客の属性や購入回数、購入商品に合わせたものを選ぶことが重要です。顧客によって刺さりやすい同梱物は異なるため、一括で同じ商品を送ると効果が薄れてしまうのです。
例えば初回購入者には購入のお礼状や他の顧客の口コミなどを送ると、会社や商品への信頼度が上がり、再購入を検討してもらいやすくなります。一方、商品に飽きてくるとされる3~4回目の顧客には、「リピーター特別クーポン」を同梱すると離脱防止が期待できるでしょう。
他にも、既婚の子持ち女性に男性向け・子ども向け商品を同梱すると家族ぐるみで利用してもらえるようになり、離脱されにくくなる可能性があります。発送の作業を効率化する
同梱物を導入する場合は、発送の作業を効率化することも重要です。
特に顧客に合わせて何種類もの同梱物を使い分ける場合は、同梱物の選択・梱包といった発送作業が複雑化します。運用体制が整っておらず作業が非効率的だと、工数・人件費が余計にかかるおそれがあるのです。また、発送までに時間がかかることで顧客満足度が落ち、継続率を上げるつもりが逆に下がってしまう可能性もあります。
こうしたことを防ぐには、CRM/MAツールの利用がおすすめです。ツールを使えば「どの顧客セグメントに何の同梱物を入れればよいのか」の分析・判断を効率的にできるようになります。発送代行サービスなどを併用すれば梱包・発送作業も効率化できるので、人件費を抑えながらもスピーディに同梱物の発送が可能になるのです。
同梱物の発送を効率化するCRM/MAツールについては、のちほど本ページ内「同梱物の運用を効率化する方法」でさらに詳しく解説します。 -
同梱物施策を運用する際の注意点
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同梱物施策を運用する際には、費用をかけすぎないこと、一度に大量の同梱物を入れないことの2点に注意する必要があります。この2点を意識しなければ、同梱物施策を導入しても利益アップや継続率の向上につながらないおそれがあるので確認していきましょう。
費用をかけすぎないようにする
同梱物はあくまで広告の一種で、他の広告と同様にコストパフォーマンスを意識する必要があります。
同梱物を豪華にするほど継続率が上がるというものではありませんし、顧客がリピートするかどうかは同梱物だけで決まるわけでもありません。よって、コンテンツ制作や印刷代といったコストは同梱物施策で得られる利益を上回らない程度に抑えるようにしましょう。
また、たとえ同梱物をつけなくてもリピートする顧客もいるので、同梱物でリピートの有無が変わりそうな顧客を絞り込むことも、費用対効果を高めるうえで重要です。一度に大量の同梱物を入れない
一度の発送で大量の同梱物を入れすぎないことも重要です。利益に対してコストがかかりすぎるだけでなく、以下のような理由により効果が薄れるおそれもあるからです。
- ・押し売り感が強くなり信頼してもらえない
- ・確認が煩わしく見てもらえない可能性が高まる
例えば関連商品のサンプル、定期購入の案内、次回購入のクーポンが一度に届くと、宣伝色が強くなり不信感を持たれてしまうリスクがあります。
また、全てを確認するのが面倒になり、接触率が高いはずなのに見てもらえないという事態も発生しかねません。
顧客に伝えるべきメッセージに優先順位をつけ、同梱物が過剰にならないよう気をつけましょう。 -
同梱物施策の運用を効率化する方法
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同梱物施策を効率化するには、物流アウトソーシングの導入がおすすめです。
商品発送作業を自社内で行うには人手を確保する必要があり人件費がかさみます。顧客に合わせた同梱物をつける場合には工数も膨大になりがちです。ギフトシーズンや季節の変わり目などで出荷数が大きく変動する場合には、人員数の調整も難しくなるでしょう。
しかし、物流アウトソーシングを利用すれば発送に関する作業は外注企業に任せられますし、コストカットもできます。外注企業と連携する際には、ECシステムを使うとさらに効果的です。例えば弊社FIDのECプラットフォーム「侍カート」なら、以下の条件に合わせて同梱物の内容を調整できます。
- ・商品の種類
- ・購入数
- ・購入回数
- ・顧客の属性(会員・非会員)
このように「侍カート」を使うと効率的な同梱物発送が可能になります。さらに、合わせて同じく弊社FIDのCRM/MAツール「MOTENASU」を使えば、同梱物施策の効果とコストについて効率的に検討できるようになります。
「MOTENASU」では顧客属性・行動履歴を基にしたデータ分析により、「同梱物による反響が大きいのはどの顧客セグメントか」を効率的に把握できます。よって、同梱物施策に力を入れるべき顧客層や、それほどコストをかけて同梱物をつけなくてもよい顧客層などが分かるのです。
必要な部分に必要なだけのコストをかけて無駄を減らせるので、同梱物施策の費用対効果を高めることに役立ちます。 -
まとめ
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ここまで解説してきた通り、顧客の属性や購入回数、購入頻度に合わせた同梱物を送ると、継続率アップが期待できます。しかし、顧客に合わせた同梱物を確認し発送しようと思うと時間がかかりがちです。また、同梱物施策の効果をしっかり把握してかけるコストを検討することも欠かせません。
そこで役立つのが、弊社FIDのECシステム「侍カート」です。
「侍カート」を使うと顧客セグメントに応じて最適な同梱物を送付することができるだけでなく、商品購入時に定期商品を訴求する「アップセル機能」など、継続率の向上に効果的な機能を備えています。また、注文完了までの手続きを簡略化し離脱を防ぐ「フォーム一体型LP」のような、快適な購買体験を提供する機能も搭載しています。さらに、定期引き上げ率や定期購入の継続率などを確認できる定期購入分析も可能です。
また、基幹ツールや物流システムなど活用中のシステムとの連携ができるため、無駄なシステムリプレイスをせずに現状の環境に合わせた運用が可能です。定期通販・D2Cの立ち上げから拡大まで事業規模に関わらず対応できるため、事業成長を見据えた長期的・段階的な利用にも最適といえます。
定期通販やD2C事業の効率的な運用や、現状のECカートシステムに課題を感じている担当者の方は、柔軟なカスタマイズが可能な「侍カート」の詳細を確認してみてください。
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侍カート~SAMURAI CART~
本資料は、侍カートのサービス内容や事例を紹介しております。
もし、オールインワンECシステムで顧客管理や分析を実施したいとのことであれば
本資料を参考にしていただければと思います。