CRM施策のツールとしてLINE配信を活用する際のポイントは?
今回は、“CRM施策のツールとしてLINE配信を活用する際のポイントは?”をテーマに、LINEの配信機能を活用する際のポイントについて以下の目次に従い、概説します。
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はじめに
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2020年7月付の経済省“電子商取引に関する市場調査”(以下EC市場調査)によれば、EC市場(B2C)は今後も拡大し、消費者行動パターンもスマートフォン(以下スマホ)をベースにしたデジタル化が一層進むと予想されています。実際、2019年のEC市場規模(B2C)は10.5兆円、そのうちスマホ経由が4.2兆円、42%強となっています。
EC事業者サイドでも、通販・オンライビジネスあるいは定期通販・サブスクビジネスを行う上で、CRM施策のツールとしてスマホによるコンテンツの配信が重要な課題になってくると予想されています。
この課題達成に際し、消費者・個人がどのようにインターネットやソーシャルネットワーキング(以下SNS)を利用しているかを理解した上で、国内最大規模のユーザー数・MAU(Monthly Active Users)を誇るLINE、特にその配信機能をCRM施策のツールとして活用する際のポイントについて検討していきます。
まず、消費者・個人の立場からインターネット及びSNSの利用について概説します。
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インターネット・SNSの利用について
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以下のデータは、2020年5月に公表された総務省の“令和元年通信利用動向調査”によるものです。尚、カッコ内は令和元年、平成30年の結果です。
インターネットの利用目的
インターネットの利用目的ですが、次のようになっています。
SNSの利用が高順位になっています。また、商品・サービスによる購入・取引も50%強と、よく利用されている点、また、前年比で際立って増加している点、EC事業者にとってデジタルマーケティングを構築する上で極めて重要です。
第一位:電子メールの送受信 (76.8%%、80.5%)
第二位:情報検索(天気予報、ニュース、地図・交通情報など)(75.6%%、–%)
第三位:SNS(69.0%、60.0%)
第四位:無料通話アプリやボイスチャット(60.2%、61.3%)
第五位:ホームページ・ブログの閲覧・書き込み(59.8%%、61.2%)
第六位:動画投稿・共有サイト(56.0%、60.4%)
第七位:商品・サービスの購入・取引(55.8%、53.9%)
尚、商品・サービスの購入・取引の内訳ですが、次の通りです。・商品・サービス(デジタルコンテンツを除く)(1%、42.5%)
・デジタルコンテンツの購入・取引(3%、24.2%)
・金融取引(1%、17.4%)
その他、オンラインゲーム、インターネットオークション・フリーマーケットアプリによる購入・取引、eラーニング、電子政府・電子自治体、などが続きます。
尚、世代別の利用ですが、目的によって多少の差があります。概ね、若い世代が上位、60代になると下位になっています。
SNSの利用目的
SNSの利用目的についてですが、次のように報告されています。
第一位:従来からの知人とのコミュニケーションのため (86.9%%、87.4%)
第二位:知りたいことについて情報を探すため(63.6%%、57.4%)
その他、ひまつぶしのため、災害発生時の情報収拾・発信のため、新たな交流関係を広げるため、などが続きます。
EC市場調査は、他の項目と比較し、“知りたいことについて情報を探すため”が前年比で6.2ポイント増加と最大の増加率となっていることに着目し、消費者行動パターンにもSNSの影響が広く浸透していると報告しています。
SNS・スマホをベースにした消費者行動パターン(例示)
上記のEC市場調査に従い、インターネットユーザーが新規顧客に至るまでの典型的な消費者行動パターンをSNS・スマホをベースに読み直すと次のようになるかと思います。
・認知:SNS上でフォローしている有名人が紹介している商品(電子書籍・動画・音楽も含む)・サービスが目に止まる。
・興味:興味が湧いた商品・サービスを検索サイトだけでなく、SNSやブログで検索する。
・検討:SNS上で接点があり、趣味・嗜好・考え方などが一致する“お友達”等から情報を収集し、検討する。
・注文・予約:スマホアプリなどを利用し、次を行う。
ア)商品の場合、スマホアプリを使い、購入注文する。
イ)サービスの場合、スマホアプリを使い、予約を行う。
・通知:スマホで次のような通知を受ける。
ア)オーダー・予約の確認
イ)オーダー・予約の途中経過と配送・予約の日時、配送・予約の完了
ウ)ウエルカムメッセージ、フィードバック、希望等の依頼
・受取:商品・サービスを受取る。
次に、EC事業者でのCRM施策のツールとしてのLINEの活用例を概説します。
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EC事業者でのCRM施策のツールとしてのLINEの活用(例示)
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統合型CRMのMA機能のツールとしてのLINE
インターネットユーザーが新規顧客に至るまでの行程区間は、通常、統合型CRMのMA機能に基づくCRM施策がカバーします。顧客という収益基盤の拡大を目的とし、主要商品・サービス・段階・セグメント毎に各段階を迅速にスッテプアップに資する合目的なコンテンツ・アクションの考案・検証・管理などとなります。
メールの場合、開封・非開封の問題がありますが、LINEの場合、ブロックされない限り、ユーザーが読むと予想できます。この観点から、コンテンツ、イベント紹介、プロモーションなどを配信する際に、LINEの活用が効果的であると推測できます。
上記ではSNS・スマホをベースにした消費者行動パターンを例示しましたが、これは顧客の立場に立ったものです。これを、EC事業者の立場とし、通販・オンラインあるいは定期通販・サブスクビジネスサイドでのデジタルマーケティング及びCRM施策を加味すると、以下のようになります。
・認知:ネットやSNSに、自社及び主力商品・サービスの紹介コンテンツを配信する。
・興味:ホームページ(以下HP)だけでなく、SNS上でインフルエンサー・ブロガーを通じ自社の主力商品・サービスを紹介し、自社HP・自社アプリへ誘導して貰う。同時にユーザー登録を依頼する。
・検討:HPだけでなく、SNS上でも自社の主力商品・サービスの詳細を配信する。ユーザー登録者に対し、LINE経由で、初回注文の際の割引などのプロモーションを配信する。
・注文・予約:
ウ)商品の場合、HPだけでなく、スマホアプリを通じ受注できるよう準備する。ネットモールのスマホアプリの利用についても検討する。
エ)サービスの場合、予約スマアプリの利用を検討する。
・通知:メールあるいはLINEの自動配信化を図る。
エ)オーダー・予約の確認
オ)オーダー・予約の途中経過と配送日時、配送完了
カ)ウエルカムメッセージ、フィードバック、希望等の依頼
統合型CRMのCRM機能のツールとしてのLINE
既存顧客ですが、その収益性に基づき、次のような顧客区分が考えられます。
・スリーピング顧客
・一般
・優等生型顧客
・最優良顧客
・問題顧客
既存顧客に関わるCRM施策は、統合型CRMのCRM機能がカバーすることになります。
顧客という収益基盤の強化・維持を目的とし、主要商品・サービス・顧客区分・セグメント毎に購入継続に資する合目的なコンテンツ・アクションの考案・検証・管理、メール・LINE通信などを通じたコンテンツの自動配信となります。
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留意点とまとめ
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EC市場(B2C)は今後も拡大し、消費者行動パターンもスマホをベースにしたデジタル化が一層進むものと予想されています。
この状況下、EC事業者では、通販・オンラインあるいは定期通販・サブスクビジネスを進める上で統合型CRMを利用し、適切なCRM施策として、主要商品・サービス・段階あるいは顧客区分・セグメント毎に合目的なコンテンツ・アクションが考案・検証・管理されていると推測しています。
特に、コンテンツの配信については、LINEによる自動配信化が効果的です。
HPでのユーザーの検索履歴に基づく嗜好分析、統合型CRM での顧客・コンテンツ・アクションなどを含む各種データの検証・アップデート・整備、CRM施策のツールとしてのLINE通信の利用などの検討・設定も必要となる点、留意して下さい。
作業を効率的に行う上で、システムパートナーの助言は不可欠です。