EC事業におけるCRM/MAとは?

今回は、“EC事業におけるCRM/MAとは?”というテーマについて、通販・オンラインビジネスあるいはデジタルマーケティングで議論されるカスタマージャーニー(Customer Journey)を例に取り、CRM(Customer Relationship Management)とMA(Marketing Automation)の違いについて、以下の目次に従い、概説します。

はじめに

2020年11月末、アメリカで毎年恒例のブラックフライデー/サイバーマンデーという大規模セールスが開催されました。過去最大とも予想されるオンラインショッピングの大幅な伸び、他方、実店舗への客足の半減が報道されています。同時にスマホ経由の売上げも大幅な伸びを記録したようです。
日本国内でも、2020年7月の経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」によれば、2019年のEC市場規模(B2C分野)は過去5年間で1.5倍増加し、年間10兆円を突破しました。EC市場の拡大だけでなく、消費者の行動パターンのデジタル化も一層加速すると予想され、EC事業者サイドでも様々な対応が図られていると推測しています。

まず、インターネットユーザーが消費者となり、取引相手として購入に至るまでの“カスタマージャーニー”について、概説します。

カスタマージャーニー

カスタマージャーニーの行程

“カスタマージャーニー”の行程を以下のようにイメージします。
a. インターネットユーザーが、スマホでインターネットをサーフしていると気になる商品(サービス)を発見します。
b. 気になる商品(サービス)について更にホームページなどで検索します。
c. 2〜3の商品(サービス)まで絞り込み、スマホでユーザー評価を検索・参考にし、優先順位を付けます。
優先順位の高いものから、実際にホームページで商品(サービス)のスペック・プライス・在庫の有無、サポート体制を確認します。
d. 検討した結果、特定の商品(サービス)の購入を決断し、スマホでホームページに戻り、顧客としての登録(支払い方法、希望するコミュニケーション方法、メディアなどを含め)を行い、発注します。
e. 特定の商品(サービス)の購入後、満足度に応じ、継続的な購入を行います。

顧客区分層とのマッピング

上記の“行程”を“認知・興味・検討・購入・継続”に区分します。更に、通販・オンラインビジネスあるいはデジタルマーケティングが対象とする顧客区分層とマッピングしてみると、次表のようになります。

CRM/MAの設定で必要となるアクション・コンテンツ例

通販・オンラインビジネスあるいはデジタルマーケティングの重要な課題一つは、インターネットユーザーからリード、ホットリード、顧客、リピーターへの階段をステップアップするよう、適切なアクション・コンテンツをベストのタイミングで実施・配信することです。
次が一例となります・
• 不特定大多数のインターネットユーザーに対し、一般的な広告を利用し、会社や商品の紹介を行う。
• 不特定多数のリードに対し、インフルエンサーやブログ、SNSを通じ紹介記事を流す。
• 多数のホットリードに対し、ホームページに商品概要を載せ、詳細はユーザー登録者に限り、アクセスできるような工夫を行う。閲覧履歴・行動履歴を入手し、嗜好等の分析を行う。また、ホームページにオンライン注文フォームを用意する
• 特定多数の顧客に対し、受注・在庫チェック・入金確認・配送等の処理を行い、顧客に配送情報を希望するメディアを通じ連絡する。
• 特定少数のリピーターに対し、適宜、フィードバック等の返信依頼、プロモーションの提供を行う。

アクション・コンテンツ例を追加すると、次表のようになります。

CRMとMAの線引き

“顧客”で線引き

実際のEC事業の現場では、適切なアクション・コンテンツをベストなタイミングで実施・配信を行う必要があります。全て手作業で行うべきものではなく、例えばリピーターに対してのみ、貴重な経営資源であるセールスを使うべきです。それ以外は、システム化が可能か検討すべきです。

EC事業者が、通販・オンラインビジネスにおいて、どのような顧客とどのような取引を行い、収益を上げたか財務諸表として正しく記録に残す必要もあります。顧客データーの管理・保護・保全というコンプライアンス的な要件もあり、“顧客”で線引きするのが通例です。

通販・オンラインビジネスあるいはデジタルマーケティングの基幹システムであるCRMとMAの線引きも、基本“顧客”か“顧客以前の段階(見込み顧客)”となっています。言葉としては、CRMは“顧客”をベースとし、MAが“顧客以前の段階(見込み顧客)”をベースするというのが一般的のようです。

CRMとMAの機能例

1990年代に1990年代初頭、CRMは法人営業での顧客関連のトータルデーターベースとして導入され、実行型あるいは分析型へと枝分れしました。MAですが、法人営業活動の支援ツール(営業資料の自動配信等)として実行型CRMに分類・導入されました。
約30年経った現在、CRMのカバーは顧客からリードまで広がってきています。以下は、代表的なMAツールから機能紹介の抜粋です。
• 顧客管理
• 取引先及び取引先責任者の管理
• 商談管理
• 見込み客管理
• 生産性の向上
• モバイル対応
• ワークフローと承認プロセスの自動化
• ファイルの開封と共有
• レポートとダッシュボード

MAも、単なる法人営業活動の支援ツールからWebアクセス解析やメール配信、コンテンツ管理、SNSなどのマーケティングツール全般をカバーするようになってきています。以下は、別のMAツールからの機能紹介の抜粋です。
• Email作成・自動配信
• Webサイト作成
• SEO・コンテンツ作成
• ライティングページ作成管理
• SNS機能
• マーケティングオートメーション
• マーケティング効果の分析
• ブログ機能

留意点とまとめ

EC事業者にとって、特に通販・オンラインビジネスあるいはデジタルマーケティングを行う上で、CRMやMAは基幹システムとしてその重要性を増しています。その間の線引きは“顧客”か“顧客以前の段階”とするのが一般的です。
CRM/MAの単体のツール/システムも素晴らしいものが用意されていますが、それらを個々に導入した場合、それぞれのシステムについて、使用目的を明確にした上で、使えるものにする為に周辺システムとの統合、データーの整備・入力、定期的なメンテナンス作業、その為の人員・資金が必要となる点、留意して下さい。
目に見えない単なるインターネットユーザーから目に見える顧客へ引き上げる為に適切なアクション・コンテンツを考案し、実施のタイミングを図り、事後の効果の検証を行っているEC事業の現場では、CRMとMAを相互に独立したシステムとしてではなく、統合型のシステムの中の機能の違いとして捉えても良いかと思います。MAとしてもCRMツールとしても活用できるシステムもいくつかありますので、そうしたシステムの導入も検討してみてください。

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