【企業向け】LINE公式アカウントの機能や利用するメリットを紹介
2022年6月末時点で月間9,200万人(日本国内)が利用するLINEで企業と顧客を結ぶサービスであるLINE公式アカウント。初期費用がかからないこともあり、規模を問わず多くの企業が活用しています。
そこで本記事では、新たにLINE公式アカウント開設を検討している企業に向け、具体的な機能、導入メリット、開設方法などについてお伝えします。顧客とのコミュニケーションにお悩みの際はぜひ、参考にしてください。
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LINE公式アカウントとは
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企業向けのサービスであるLINE公式アカウントとは具体的にどのようなサービスなのでしょう。ここでは、次の2点について解説します。
- ・LINEを活用した多機能ビジネスツール
- ・通常アカウントとの違い
LINEを活用した多機能ビジネスツール
LINE公式アカウントとは、LINEが持つコミュニケーション機能を活かした多機能ビジネスツールで、約37万アカウント※1が利用するサービスです。
※1 2022年3月時点で、月に1度以上機能を利用するアクティブアカウント数
参照:LINEプレスリリース
LINE公式アカウントが、クリエイターなどを対象とする新カテゴリー設置!クリエイターエコノミーの起点となる、「LINEクリエイターアカウント」を著名人向けに先行提供開始
企業がLINEユーザーに対し、さまざまな情報を発信することで集客を行い、コミュニケーションをしながら関係構築を実現していきます。
また、顧客管理機能も有しているため、関係性の深さによって出す情報を分けたり、限定のセール情報を発信したりすることも可能です。通常のアカウントとの違い
2022年10月現在、LINEは個人アカウントと公式アカウント、2つのアカウントがあります。個人アカウントは家族や友だちとのコミュニケーション手段として利用するごく一般的なアカウントです。コミュニケーション関連で利用できる主な機能としては次のようなものが挙げられます。
- ・友だちの追加・グループの作成
- ・通話、グループ通話、個別チャット、オープンチャット
- ・LINE VOOM(タイムライン)投稿
これに対し公式アカウントでは、トーク画面に個別のメニューを表示する、クーポンを配信するといったことで、友だちになった顧客との関係構築が可能です。 -
LINE公式アカウントの機能・できること
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では、実際にLINE公式アカウントを取得することでどのような機能が使えるのか、何ができるのかについて、次の機能別に解説します。
- ・チャット
- ・メッセージの配信
- ・自動応答メッセージ
- ・LINEコール
- ・リッチメニュー
- ・ショップカード
- ・クーポンや抽選
- ・リサーチ
- ・LINE VOOM(タイムライン)投稿
- ・分析
チャット
個人アカウントにあるチャットと同じ機能で、友だちになった顧客と直接、コミュニケーションが取れる機能です。顧客からの問い合わせや質問、日常的な会話などさまざまなコミュニケーションが可能で、企業と顧客の関係性構築にも大きく貢献する機能といえるでしょう。
また、後述しますが、顧客からの問い合わせに対し、自動で対応ができる自動応答メッセージの設定もできるため、担当者の負担軽減も可能です。
メッセージの配信
公式アカウントでは、1on1だけではなく、友だちになった顧客全員に対して同じメッセージを送れます。それがメッセージ配信機能です。
メッセージ配信は、「友だち全員に送る」もしくは「セグメントした相手だけに送る」のどちらかが選択できます。また、複数のメッセージを設定し、順を追って自動で配信することも可能なため、ステップメール的な活用も可能です。
多くの友だちに同時にメッセージを伝えられることから、効率的なマーケティング施策が行える機能といえるでしょう。
自動応答メッセージ
友だちからのメッセージに自動で応答する機能です。「応答メッセージ」と「AI応答メッセージ」の2種類あり、それぞれの違いは次のようになっています。・応答メッセージ
友だちからメッセージを受信した際、自動で返信をします。また、特定のキーワードを設定し、そのキーワードを含むメッセージを友だちから受信した場合は、キーワードに応じた返答を設定し、返信することが可能です。
・AI応答メッセージ
友だちからのメッセージの内容をAIが自動で判別して適切なメッセージを返信します。「一般的な質問」「基本情報」「業種カテゴリー別」「予約情報」の4つのカテゴリで設定が可能です。
LINEコール
友だちから公式アカウントに対して無料で通話やビデオ通話ができる機能です。公式アカウント側も無料で利用できるため、通常の電話を使った問い合わせに比べコストをかけずに対応できます。
また、LINEを使っていない方から固定電話で問い合わせが入った際もLINEコールを転送先として設定できるため、LINEの友だちではない顧客への対応もコスト削減が実現します。
リッチメニュー
公式アカウントのトーク画面、下部に表示されるメニューです。友だちが公式アカウントのトーク画面を開いた際、大きく表示されるため、友だちの目に留まる可能性が高く伝えたいメッセージをわかりやすく伝えられます。
リッチメニューに表示できるのは、ECサイトや自社サイト、予約サイトなどへのリンクやクーポン、ショップカード機能などです。
リッチメニューと混同しやすい機能であるリッチメッセージは、メッセージに画像が付けられるものの、メッセージのやり取りが続けばファーストビューでは見えなくなります。これに対しリッチメニューは固定で画面下部に表示させられるため、長期間に渡って友だちの目に留まるのが大きな違いです。
ショップカード
実店舗への来店や商品購入に対し特典として付与するポイントをLINE上で発行・管理できる機能です。紙のポイントカードを発行する手間やコストを低減できるうえ、ポイント数に応じて顧客別にキャンペーン告知をするなど、顧客管理も行えます。
また、顧客側から見ても紙のポイントカードを管理する手間がかからず、ポイント数に応じて店舗側から情報が届くため、双方にとってメリットの大きな機能といえるでしょう。
クーポンや抽選
トーク画面やLINE VOOM(旧タイムライン)などから友だちにクーポンを配信する機能です。友だちが実店舗に訪問した際、クーポンの画面を見せれば、店舗が定めた特典を受け取れます。
ショップカード同様、クーポンを紛失するリスクがない点のほか、プッシュ型でクーポンの配信を通知できるため、来店の可能性が高まるメリットが期待できるでしょう。
また、クーポンに抽選機能を持たすことも可能で、ゲーム感覚でクーポンの受け渡しを行うことも可能です。
リサーチ
リサーチとは、友だちにさまざまなアンケートを行えるページの作成・配信ができる機能です。LINE上で店舗のサービス、新メニュー、イベント内容などをアンケート形式でリサーチでき、回答してくれた友だちにはクーポンの配布やメッセージの送信ができます。
紙でアンケートを実施する手間に比べ手軽に実施できるうえ、エクセル形式でのダウンロードにより、集計・分析もすぐに行えるのが大きなメリットです。
LINE VOOM(タイムライン)投稿
LINE VOOMとは、ショート動画や画像を投稿・閲覧できる機能で、LINE公式アカウントでもショート動画や画像の投稿が可能です。
もちろん、通常のトーク画面に動画や画像を投稿することもできますが、LINE VOOM最大のメリットは、友だち以外にも投稿を見てもらえる点にあります。 また、LINE BOOMではショート動画や画像以外にもスタンプ、クーポン、リサーチなどの機能を使った投稿や、URL、テキスト、位置情報の投稿も可能です。これらの投稿により、友だち以外に自分たちの存在を知ってもらえる効果が期待できます。
分析
LINE公式アカウントの運用により、どのような成果が生まれているかを分析する機能です。
LINE公式アカウント管理画面から閲覧でき、「メッセージ送信数」「友だち追加数」「ターゲットリーチ」「ブロック」のほか、チャットの「アクティブルーム数」「受送信メッセージ数」を7日と30日で比較できます。
分析機能の活用により、LINE公式アカウントの運用方針を検討したり、どのような施策が効果を発揮したりするかを知ることが可能です。 -
LINE公式アカウントのビジネス活用事例
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実際にLINE公式アカウントを活用している企業の事例を2点、紹介します。
【LINEの事前告知機能とリマインド配信を活用し、メッセージ配信経由の売上を5倍に】
主に自社ブランド食品の製造・販売を手掛けるある企業では、メルマガの成果が上がっていないことから、LINEビジネスアカウントの活用を開始。セール前日の事前告知、当日の午前中にクーポン配信、さらに当日午後にはセール中であることをリマインド配信することで、売上増加を記録しました。
【自動応答機能を活用し、顧客対応の効率化を実現】
フェイシャルエステや脱毛サービスを提供するビューティーサロンでは、ワンオペにならざるを得ない状況も少なくない中、LIME公式アカウントの自動応答機能を活用することで、自動応答で店舗の地図を案内したり、駐車場の位置情報を送信したりすることで、高い顧客満足度の維持を実現しました。
LINE公式アカウントのビジネス活用事例については、下記記事をご覧ください。
関連:LINEのビジネス活用|事例やLINE公式アカウント運用のポイント -
LINE公式アカウント利用に必要な費用
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さまざまな機能を持ち、実店舗を持つ企業のマーケティング施策に大きな効果を発揮するLINE公式アカウントですが、利用するにはどの程度の費用がかかるのでしょう。
無料でも利用可能
LINE公式アカウントを始める場合、初期費用はかかりません。また、基本的にすべての機能は月額固定費無料で利用が可能です。有料プランとの違いは、メッセージの送信数で、無料のフリープランでは、月に1,000通まで利用できます(追加は不可)。
1通とは、たとえばテキストに画像とスタンプを加え、最大で3つの吹き出しまでは1通としてカウントされます。仮に年齢や地域で絞り込んだ友だちにメッセージを送る場合、100人であれば10通まで送信可能です。また、チャットは通数には含まれません。メッセージ配信量に応じた3つの料金プラン
LINE公式アカウントでは、先述したフリープランに加え、合計で3つの料金プランが用意されています。フリープラン以外の2つのプランの違いは、無料メッセージ通数と追加メッセージ料金です。
フリープラン ライトプラン スタンダードプラン 月額固定費(税別) 無料 5,000円 15,000円 無料メッセージ通数 1,000通 15,000通 45,000通 追加メッセージ料金(税別) 不可 5円 ~3円※1
※1 スタンダードプランの追加メッセージ料金は、通数が増えるごとに安くなります。50,000通までは、1通3円ですが、40万1通から50万通になると1通2円、700万1通から1,000万通になると1.1円です。 -
LINE公式アカウントの作り方
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LINE公式アカウントは、メールアドレスもしくは個人のLINEアカウントを使って行います。具体的な流れは次のとおりです。
- 1,LINE for Businessの「LINE公式アカウントの開設」から、LINE公式アカウントの開設(無料)をクリックします。
- 2,「アカウントを作成」をクリックし、「LINEアカウントで登録」もしくは「メールアドレスで登録」のどちらかを選択します。
- 3,登録を終えたら、アカウント作成フォームを記入し、送信します。
- 4,記入内容に問題がなければ、アカウントが発行されるので、管理画面にログインし、基本情報の登録を行い、利用を開始します。
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LINE公式アカウントを導入するメリット
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LINE公式アカウント以外にも実店舗の認知、販促施策を行えるツールは少なくありません。しかし、そのなかでもLINE公式アカウントの導入をおすすめする理由は、次のようなメリットがあるからです。
- ・身近なツールであるLINEで販促できる
- ・友だち追加が容易で効率的に集客できる
- ・個別チャットも可能で満足度向上につながりやすい
- ・無料で簡単に登録して始められる
身近なツールであるLINEで販促できる
冒頭でも紹介したように、LINEは月間9,200万人(日本国内・2022年6月末現在)が利用するコミュニケーションツールです。
多くのユーザーが日常的に利用しているため、自分たちがターゲットとするユーザーが利用している可能性も高く、関係性構築がしやすいのは大きなメリットといえるでしょう。友だち追加が容易で効率的に集客できる
LINEを利用しているユーザーであれば、1回タップするだけで簡単に友だち追加が可能です。
たとえば、メールマガジンの購読をしてもらうには、メールアドレスを登録してもらわなければなりません。プレゼント応募をしてもらうにも、メールアドレスや名前、住所などの登録が必要です。
しかし、LINEであれば、そのような面倒な登録は一切不要で、友だち追加をタップするだけでつながりが持て、そこから、メッセージやクーポンを送信できます。個別チャットも可能で満足度向上につながりやすい
LINE公式アカウントでは、友だちになった顧客に対し一斉にメッセージを送信したり、クーポンを配信したりが可能です。
しかし、LINE公式アカウントができるのはそれだけではありません。チャット機能を使い、友だち一人ひとりとも個別にコミュニケーションを取れます。
友だちからの問い合わせやクレームに対しても迅速かつ丁寧に対応していけば、顧客満足度の向上、関係性の強化などが期待できるでしょう。無料で簡単に登録して始められる
導入の敷居が低いのもLINE公式アカウントの大きなメリットです。最初の段階であれば初期費用が無料なのはもちろん、すべての機能も月額固定費がかかりません。そのため、小規模店舗であっても気軽に利用できます。
まずはフリープランでスタートし、友だちが増加していけば有料プランへの移行を検討すればよいので、無理なく運用していけるのがLINE公式アカウントのメリットです。 -
LINE公式アカウントだけでは難しいポイント
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さまざまな機能を持ち、実店舗を持つ企業のマーケティング施策で大きな効果を発揮するLINE公式アカウントですが、単体では難しい点もあります。
なかでも、購買行動データの取得ができないのは大きな問題です。集客や販促施策はできても、実際に友だちになった顧客がどこで何をどのように購入したかはわかりません。
そこで、おすすめしたいのがCRMツールとの連携です。LINE公式アカウントやメール、SNS、DM、SMSなどの複数チャネルを一元管理することで、LINE公式アカウント単体では難しい購買行動データの取得も可能になります。
また、担当者の負担も大きく軽減され、その分をたとえば、LINE公式アカウントでチャットを使った対応などに割くことができれば、より深い関係性の構築も可能です。CRMツールとLINE公式アカウント双方のメリットを上手く活用することで、より高い成果を上げられる可能性も高まるでしょう。
FIDのMA/CRMツール「MOTENASU」はOne to Oneのアプローチを手軽に実施可能です。基幹システムと連携させたMOTENASUとLINE公式アカウントを連携させれば、細かいセグメントによるユーザーへの個別メッセージの自動作成・配信も行えます。具体的には、次のようなアクションが可能です。
- ・ECサイトで設定した金額以上の買い物をした顧客のLINE公式アカウントにクーポンを配信する
- ・実店舗で特定の商品を購入した顧客に新商品発売日にお知らせを配信する
- ・3ヶ月以上ECサイトを利用していない顧客にセール情報を配信する
- ・メルマガを開封していない顧客にだけLINEメッセージを送信する
- ・キャンペーンサイトからECサイトに訪問した顧客にだけLINE公式アカウントにクーポンを配信する
- ・自社Webサイトから資料請求した方に自動的にメッセージを送信する
また、多くの顧客はデジタル、アナログにこだわらず、その時々で利用しやすい方を選択します。そこで、MOTENASUでは、メールやSNSのほか、紙のDMなど、デジタルとアナログを一元管理することも可能です。これにより、DM経由で実店舗に訪問した顧客にLINEでクーポンを配信するなど、デジタルとアナログを絡めた販促も行えます。ほかにも、複数の実店舗を持つ企業がそれぞれでLINE公式アカウントを取得した場合でも、一元管理が可能です。全店同時開催のキャンペーン情報配信などを配信する、一店舗だけに特定の情報を配信するなども簡単に行えます。
もし、顧客とのコミュニケーション強化にLINE公式アカウントの導入を考えているのであれば、同時にMOTENASUの導入もおすすめします。
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まとめ
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企業と顧客との関係性を強化するコミュニケーションツールとしてLINE公式アカウントは大きな効果を発揮します。
個別チャット、一斉メッセージ、ショップカード、クーポン、リッチメニューなどさまざまな機能を基本無料で利用できるため、小規模店舗でも気軽に導入可能です。
また自動応答メッセージを活用すれば、よくある問い合わせに対応する時間の削減にも貢献します。その分をほかのマーケティング施策に向ければ、さらなる利益向上も期待できるでしょう。
そして、より高い効果を求めるのであれば、CRMツールとの連携がおすすめです。顧客一人ひとりに合わせたメッセージの送信や購買行動データの取得が行えるようになり、よりきめ細やかなサービスを提供できます。
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