高収益を生み出すために攻略すべき” 定期通販の収益向上の基本戦略

定期購入型の通販に取り組むEC事業者は多く存在するものの、高収益化を実現できている企業は決して多くありません。群雄割拠のEC業界において高収益体質を実現し、継続的な収益向上を達成するためには、どのような戦略が求められるのでしょうか。今回は、収益向上の基本戦略をご紹介しつつ、欠かすことのできない観点や具体的な手法を解説します。

定期通販・D2C事業を高収益事業にするために乗り越えるべき難題

次々と新たな店舗が登場しているEC業界。その中でも、安定的な収益化が見込める定期通販・D2C事業は、魅力的なビジネスモデルの一つです。しかし、そこで高収益事業を実現するためには、「乗り越えるべき難題」が存在します。それらは一体どのようなものでしょうか。

難題① 不特定多数に対するきめ細やかな対応ができない

1つ目は、不特定多数のユーザーへの対応に関するものです。

定期購入のプランが限られていたとしても、ユーザーが抱える願望・要望は様々。「一番お得な購入方法で買いたい」といったニーズを始めとして、各ユーザーが重視するポイントは多様化の一途をたどっています。

 

これらの要望全てに対応することは現実的ではありません。一方で、これらの要望を可能な限り汲み取り、きめ細やかな対応を行わなければ、収益の最大化が困難であることも事実です。

 

こうした背景があるからこそ、広告戦略やCRM/MA戦略を効果的に組み合わせて、費用対効果が高い部分から優先的にきめ細やかな対応を行うことが求められます。

難題② 売れ続ける状態が整っていない

2つ目は、売れ続ける状態、すなわち「必勝パターン」に関するものです。

 

例え一時的に収益を最大化することができたとしても、それを継続できなければ意味がありません。すなわち、「必勝パターンを確立できるかどうか」が収益最大化の成否を握ることとなります。

 

ここ数年で導入企業が急速に増え続けているCRM/MA(マーケティングオートメーション)の仕組みも、この「必勝パターン」を仕組み化・自動化することが目的となっていいます。一部メンバーや担当者のスキルに依存することなく「売れ続ける状態」を維持するためにも、自社の確かな「必勝パターン」を見出すことが求められているのです。

収益向上の基本戦略とは

「5つのSelling」の理解

まず初めにご紹介するのが、収益向上の基本戦略です。マーケティングの施策が多様化する中でも、基本となる考え方は不変です。まずは「5つのSelling」を理解し、どの部分から注力すべきかを見極めることが大切です。

 

<収益向上の基本となる「5つのSelling」>

 

このような基本を踏まえた上で、データを活用した収益最大化の基本戦略を見ていきましょう。

限界CPOの測定から最適な広告出稿における金額調整

次にご紹介するのは、新規顧客獲得単価の上限を示す「限界CPO」の測定です。

 

広告を出稿する段階では、売り上げ目標とコストのバランスを見極める必要があります。加えて、定期通販では一度の購買金額だけではなく、顧客生涯価値(LTV)を踏まえた戦略を立てることが必要です。だからこそ売上だけではなく、LTVをベースとした限界CPOも意識する必要があります。

 

限界CPOは次のような式で算出することができます。

 

 

なお、媒体ごと・商品ごとの分析を行う上では、分析ECプラットフォームや分析ツールといった仕組みが必要不可欠となります。データドリブンのマーケティングを実現し、高収益体質の事業を実現する上でも、積極的に検討を進めましょう。

必勝パターンのCRM/MA戦略(時系列なチャネルミックス)

続いて、必勝パターンといえる「王道シナリオ」の確立に向けた取り組みをご紹介します。

 

ここでいう王道シナリオとは、複数商材から見つけ出した「勝率の高い導線パターン」を指します。では、王道シナリオを完成させるためには、どのような準備が必要なのでしょうか?

 

1つは、データを取得・蓄積・活用するための情報基盤。もう1つは、ターゲットの属性や嗜好に応じて最適なチャネルから配信を行うことができるマーケティングツールです。これらを適切に組み合わせ、一貫した戦略に基づいて「王道シナリオ」を実行することが、収益最大化の鍵となります。

購入者の経路分析によるLTV向上施策

最後にご紹介するのが、精緻な分析に基づいたLTV向上施策です。

 

 

Webや広告、メール、アプリというように、コンテンツの配信チャネルは多様化し続けています。そして、その先にいるターゲットごとに、購入の喚起に繋がるクリエイティブは大きく異なります。そのため、各チャネルやターゲットに応じて配信内容をチューニングした上で、「実際の購入者はどの経路から訪れたのか?」「LTVが高い顧客は、どの経路をたどってきたのか?」といった分析を行うことが必要となります。

 

ここで多くの企業が見落としがちなのは、DMを始めとするオフライン(=リアル)のコミュニケーションチャネルです。今や、DMも送付相手に応じてパーソナライズが可能な時代です。また、DM上にQRコードを設置すれば、その反響率を測定することができるため、そこから高いLTVを持つ顧客の来訪を確かめることもできます。

 

このように、オンラインのみならずオフラインからも王道パターンを見出すことは、収益を最大化する上で欠かせない観点となります。

オンとオフを融合させた施策を実行へ移すために

定期通販の収益を最大化するためには、データを基点にしつつ、きめ細やかな対応を実現することが欠かせません。そして、その中から自社の「必勝パターン」を見つけ出し、それらをシステムによってシナリオ化することが必要不可欠といえます。

 

そうした中で鍵となるのが、オンライン(デジタル)とオフライン(アナログ)を融合させて考える「オンオフ融合マーケティング」の発想です。チャネルを分断して考える時代は終わりを告げ、今や「顧客軸を優先したコミュニケーション」が必須となっています。

 

 

今回ご紹介したようなことを実現し、定期通販・D2C事業を高収益化する上では、テクノロジーの活用が必要となってきます。

ぜひ、以下で紹介する資料も合わせて御覧ください。