LINE公式アカウントの活用方法とは?ECでの活用ポイントや事例紹介

ECの情報発信や集客のツールとして、LINE公式アカウントを選ぶケースがしばしば見られます。現在LINEは、日本国内で一番利用されているSNS。顧客との信頼関係を構築・維持する手段として導入を検討したいツールの1つです。しかし「ECでの活用方法が分からない」と悩む担当者が多いのも事実。そこで、LINE公式アカウントを運用するうえで必要な基礎知識から、成功事例、活用のポイントを紹介します。

そもそもLINE公式アカウントとは?

LINE公式アカウントとは、企業や店舗などが使える「ビジネス用」のLINEアカウントです。自社のアカウントを友だち追加したユーザーに対しメッセージを送信でき、企業と顧客のコミュニケーションをサポートします。
 

プライベート用で利用される個人のLINEとは異なり、友だちになっているユーザー全員にメッセージを一斉配信できたり、画像や動画とリンクを組み合わせたリッチメッセージが送れたり、ビジネス用途の機能が備わっています。また、クーポンやショップカードなどの販促機能が充実している他、トーク画面下部にサイトへの導線になるメニューを設置できます。
 
もちろんレポート機能もあるため、施策の効果検証、分析も可能です。

ECでLINE公式アカウントを活用するメリット

多種多様な機能を持つLINE公式アカウントは、あらゆる業種、業態でも工夫次第で活用可能です。そこで、LINE公式アカウントがEC分野で活用できるポイントはどこなのか、具体的な特徴とECにもたらすメリットを見ていきましょう。

メッセージが目に留まりやすい

まず、メッセージが相手の目に留まりやすいというメリットが挙げられます。
 
家族や友人との連絡手段として、生活に必要不可欠なコミュニケーションツールのLINE。国内ではほとんどの方が日常的にLINEを使っています。
 
全国15〜69歳のスマートフォンユーザーを対象としたインターネット調査によれば、LINEユーザーの86%が1日1回LINEを起動するそうです。つまり、利用者のほとんどが毎日LINEを見ており、それだけ普段の生活から切っても切れないのです。
 
さらに、メールマガジンに比べLINEの開封率は3〜6倍も多いともいわれ、メッセージを読まれる確率が高いという特徴もあります。

ECに役立つ機能が多い

LINE公式アカウントは、顧客へのアプローチに適したさまざまなお役立ち機能を搭載しています。そのため、どのような業種や業態、利用目的でも使い方次第で自社にマッチした活用が可能。特にECに適した機能は多く、活用方法は無限大といえます。
 
例えば、クーポン配布、ECサイトへ送客するメニューを設置できるリッチメニュー、顧客の属性や購入履歴をもとにメッセージ内容を分けられるセグメント配信など、使い勝手のよい機能が充実しています。
 
新規顧客の獲得や既存顧客のエンゲージメント向上、クロスセルやアップセルなどの客単価上昇の施策まで、幅広い販促の取り組みを1つのツールで行える点は魅力的でしょう。

無料でも始められる

LINE公式アカウントは、初期費用無料、月額利用料無料の「フリープラン」から始められます。もちろん、前述した機能も使えます。有料プラン(ライトプラン・スタンダードプラン)とフリープランに機能差はありません。
 
異なる点は、メッセージ配信数の違いのみとシンプル。フリープランはメッセージ配信数「1ヶ月当たり1,000通」までなので、友だちユーザーが200人の時、フリープランでも月に5回、つまり1週間に1回のメッセージ配信が可能です。
 
つまりリスクなく始められ、気軽にお試し運用をしやすい点がメリットといえます。LINE公式アカウント運用の効果を実感した段階で有料プランへの移行を検討できるので、意思決定もしやすいのではないでしょうか。

LINE公式アカウントの活用でできること

多彩な機能があるLINE公式アカウント。その反面「機能が多すぎて活用イメージが湧かない」「使いこなせるか不安」というお悩みもあるでしょう。そこで役立つ機能と、ECビジネスでの具体的な活用方法を紹介します。

登録者へのメッセージ配信

LINE公式アカウントの最も基本的な機能は、友だち追加されたユーザーへのメッセージ配信です。
 
一般向けLINEと同様のメッセージ機能と、画像や動画、テキスト情報を1つの投稿にまとめて配信できるリッチメッセージ機能があります。リッチメッセージはリンク設定でき、簡潔に商品やサービスの魅力を伝え、リンク先への誘導率を高めます。
 
さらに、友だちを年齢・性別・地域などの属性別に分類し、それぞれ異なるメッセージを配信するセグメント配信や、友だちの行動で絞り込む「オーディエンス配信」も可能。
 
これらの活用で、「新商品紹介のリッチメッセージをクリックしたユーザーだけに、当該商品の割引情報を送る」といった、配信の個別最適化ができます。

クーポン配布

LINE公式アカウントではクーポン配布が可能です。クーポンを取得したユーザーがクーポン画面を店舗で提示したり、ECサイトでコードを入力したりすることで割引やプレゼントを受け取る仕組みです。LINEに関する調査では、LINEユーザーの約4割がクーポン目的でサービス・店舗を利用した経験があると答えており、集客や送客に有効な機能といえます。
 
なおECサイトの場合「クーポンコード」を発行し、決済画面でコードを入力してもらうだけでクーポンを使えるようになります。
 
定期的なクーポン配信は集客や送客に直結するだけでなく、「このアカウントを登録していればお得な特典が受けられる」とユーザーに印象づけられるので、効果的に使いましょう。

リッチメニューでの訴求

トーク画面下部には、リッチメニューというナビゲーションボタンを設置できます。
 
リッチメニューにはECサイトへのリンクやセールのお知らせ、クーポン情報など最大6項目まで好きなメニューを設定できます。また、メニューのクリエイティブは自由度が高いので、ブランドイメージを伝えつつ、クリックするための行動喚起を促せます。
 
リッチメニューはトーク画面の最も目立つ場所に配置されており、メッセージ配信よりも効果的な場合もあります。ただし、メニューを変更してもユーザーに通知されません。そこでリッチメニューの更新をユーザーに伝えたい時は、メッセージと組み合わせて統一感のある配信をすると効果的です。

チャットによる問い合わせ対応

LINE公式アカウントは友だちやセグメント別の一斉配信だけでなく、1対1のきめ細かな対応ができるチャット機能があります。チャット機能を使えば、メールや電話などの問い合わせ窓口の1つとして、顧客からの問い合わせを直接受け付けることも可能です。
 
普段慣れ親しんでいる一般用LINEと同様の操作性なので、メールや電話よりも気軽に問い合わせしやすく、顧客エンゲージメントの向上につながります。また、お互いに画像や動画を共有できるので、文章では伝わりにくい内容でも視覚情報を補足するのに役立つのです。
 
また、既読マークがつくため安心感があり、やり取りの履歴をテキストで残せるのでトラブル防止にもなります。

ECでのLINE公式アカウント活用事例

LINE公式アカウント活用で成功したECの事例を紹介します。活用方法や、導入効果はもちろん、LINE公式アカウント導入の経緯も見ていきます。どの企業も非常に工夫して運用していますので、是非参考にしてください。

オルビス

化粧品、栄養補助食品、機能性ボディウェア事業を展開しているオルビス。
 
2013年からユーザーと触れ合い、コミュニケーションする場としてLINE公式アカウントの運用を開始しました。百貨店の接客体験をオンライン上で実現するため、チャットボットの活用を開始。顧客の肌の悩みをヒアリングし、おすすめの商品を表示するシステムを導入しました。これによりクロスセル商品の紹介、トライアルセットの訴求を自然な流れで行えるようになりました。
 
この取り組みから1ヶ月でCV(Conversion:コンバージョンの略。購入や登録などその施策で達成したい成果)が約160%、3ヶ月後には約400%に増加しています。

AKAISHI

主に女性向けの足の健康を考慮して作られたシューズと、機能性ボディウェア事業を展開しているAKAISHI。
 
メールマガジン読者の減少により、スマートフォン経由での流入増加、売り上げの底上げを目指しLINE公式アカウントを開設しました。メリットが伝わりやすい見出し・内容など、伝え方を工夫したメッセージ配信や、友だち限定のクーポン発行・優待制度など施策を実施。
 
運用開始2ヶ月で友だち数は3,000人を突破し、2019年時点で10,000人を超えました。さらに、ECサイトへの送客率はメールマガジンの2.8倍にもなるそうです。

maxplus

家具や生活雑貨の販売をするインテリアショップのmaxplus。
 
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、非対面でもユーザーが利用できるECサイトをオープンしました。その販促ツールとしてLINE公式アカウントを開設。情報量が多い動画付きのリッチメッセージを活用しています。また、顧客ニーズにマッチしたメッセージを送信するため、セグメント配信も効果的に運用。
 
それらの機能を使いオリジナルマットレスのPR動画を配信したところ、配信前よりも1ヶ月当たりの商品売上本数が3倍に伸長したそうです。

ECでのLINE公式アカウント活用のポイント

ECでの活用に多くのメリットがあるLINE公式アカウントですが、ただメッセージを配信しているだけでは望んだ効果を出すことは困難です。そこで、実際に運用するにあたり、押さえておきたいポイントを3つ紹介します。

友だち登録を増やす方法を検討する

LINE公式アカウントを開設しても、リーチできる友だち数が少なければ効果は見込めず、いかに友だち登録数を増やすかが鍵を握っているといっても過言ではありません。
 
まずはLINE公式アカウントの存在をお客様にお伝えしましょう。ブログやEメール、郵送DMなど、自社の持つさまざまなチャネルを使って友だち登録を促します。
 
しかし単に告知しただけでは登録されません。登録後にクーポンを配布するなど「友だち登録するメリット」を提示すると効果的です。
 
最後に「友だち追加広告」という有料の広告を活用する方法もあります。友だち追加広告は、広告経由の登録だけ費用が発生する従量課金制で、上限金額の設定ができ、少額から始められます。

他のチャネルデータと統合管理・分析する

すでにEメールやSMS、郵送DMなどのチャネルを利用している場合、それらのチャネルではアプローチしにくかった顧客をLINE公式アカウントでフォローする運用方法がおすすめです。各チャネルの長所短所を把握し、効果的に使い分けましょう。
 
複数チャネルをまたいで成果を出すには、チャネルの統合管理・分析が必要です。発信内容を管理・効果測定し、顧客ごとに反応のよい配信内容、効果的なチャネル、配信時期などを分析します。
 
当然これらの統合管理・分析を手動で行うことは難しいので、現在使っているチャネルに加え、LINE公式アカウントに対応したCRM/MAツールを活用することをおすすめします。複数チャネルの情報を一元管理できるCRM/MAツールを選べば、チャネルをまたいだ施策によって最大限の効果を発揮できるようになります。

顧客ごとにマッチした内容を配信する

公式LINEアカウントでの配信は、他のチャネルより自社を身近に感じてもらいやすい方法です。特にパーソナライズ化されたメッセージなら、顧客エンゲージメントはより高まり、購買意欲にもつながります。
 
そこで、顧客をセグメント分けし、属性や行動履歴に合ったメッセージやコンテンツを配信することをおすすめします。一方でLINE公式アカウントのセグメント配信はLINE上の情報がもとになっているため、必ずしも顧客1人ひとりにマッチするとは限りません。
 
より効果的な配信をしたい場合、自社が保有する顧客情報とLINE公式アカウントを連携することで精度を高められます。この場合もCRM/MAツールが役立つので、もし導入されていない場合は一度検討してみましょう。

LINE公式アカウント運用の効率化にはCRM/MAツールがおすすめ

LINEのような、ユーザーが日常的に利用するチャネルは、パーソナライズ化された配信で最大限の効果を発揮します。一方で、購入履歴や問い合わせ内容など、自社で保有する顧客情報は自社で管理する必要があり、「各情報を統合したうえで顧客ごとに最適な内容・タイミングでのアプローチを実施する施策」に手動で取り組むのは現実的ではありません。「よりLINE配信の効果を高めたいが、あまり時間がない」という担当者には、CRM/MAツールが必要不可欠といえます。
 
しかし、各社から多様なCRM/MAツールが提供されています。サービスによってはECに必要な機能が不足していたり、逆に過剰性能だったりコストパフォーマンスが悪い場合もあります。
 
そこでEC分野なら、ECに特化したCRM/MAツール「MOTENASU」がおすすめです。もちろん、LINE公式アカウントに対応。その他メール・SMS・郵送DMなどのチャネルも一元管理でき、それぞれのチャネルでセグメント配信・シナリオ配信が可能です。
 
MOTENASUのセグメント機能を用いれば、年齢や性別といった単純な顧客属性セグメントだけでなく「ECサイトで独自に設定しているゴールド会員にだけ配信する」、「10,000円以上購入した顧客にだけ特別オファーのメールを配信する」、「過去2ヶ月間に購入のなかった顧客にだけメール・LINEにて配信する」といった高度なセグメント配信も可能です。
 
また、このようなセグメント配信を実施するにあたって、あらかじめ配信条件やタイミングを設定しておくことで配信の自動化もできるので、メッセージ配信にかける労力の削減にもつながります。
 
さらに、「ショップ全体のアカウント」と「ブランドごとのアカウント」など複数のLINE公式アカウントを運用している場合も、MOTENASUを使えば一元管理しながら、相手や内容に応じて発信アカウントを変更することも可能です。

まとめ

無料で始められるLINE公式アカウントは、ECと相性が合い、数々の成功事例があると分かりました。また、事例からLINE公式アカウントは属性や行動履歴をもとに、最適なタイミング・内容のメッセージを送ることが重要だということも見えてきました。
 
しかし、セグメント分けや、最適なタイミングでの配信を人力で行うことは膨大な手間と労力がかかります。そこで、効率的に最大限の効果を出すために、LINE公式アカウントとCRM/MAツールは組み合わせて使いたいところです。
 
しかし一口にCRM/MAツールといっても、BtoB向けから飲食店向け、汎用的で機能が充実しているものまで幅広くあります。そのなかでも「MOTENASU」はECに強いツールなので、EC運営担当者におすすめです。LINE公式アカウント以外にも、メール・SMS・郵送DMなど、ECで使う販促メディアが一元管理できるので、横断的なセグメント配信が可能になります。
 
LINE公式アカウントを運用開始する時は是非検討してみてください。
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