LINEを使ったECショップ運営! メリット・デメリット・事例を紹介
現在、ECショップ運営を行ううえで、SNSを活用することは欠かせません。そのなかでも、特にECショップと相性のいいSNSがLINEです。LINEの特性を理解して活用できれば、ECショップ運営でも高い成果を出すことが可能です。
そこで本記事では、ECショップとLINEの相性のよさを踏まえ、ECショップで活用できるLINE公式アカウント・LINEショッピング・LINE広告について解説します。また、この3つの機能を活用した時のメリット・デメリット、LINE公式アカウントとLINE広告の成功事例も併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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LINEはECショップと相性がいい
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この項目では、ECショップ運営でLINEを活用すべき理由について紹介します。
内容は以下の通りです。- ・LINEは日本一利用者の多いSNS
- ・LINEにはECショップ運営で便利に使えるさまざまな機能がある
上記の内容を把握すれば、ECショップとLINEの相性のよさが理解できます。
LINEは日本一利用者の多いSNS
LINEは、日本国内で利用されるSNSで最もアクティブユーザー数が多いSNSです。LINEの公式発表では、2022年9月末時点でのユーザー数は約9,300万人で日本の人口の約7割を占め、アクティブユーザーの割合は86%に達しています。
また、令和4年8月に総務省が発表した調査結果(調査対象者は1,500人)でも、LINEの利用率は全年代平均で90%を超えており、一番利用率の低い年代の60代であっても82.6%です。男女比の利用率では、男性89.7%、女性95.3%となっており、女性の利用率が高めです。
これらのことから、LINEを活用すれば全年代の男女にまんべんなくリーチできることがわかります。
参考:
令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 71・72ページ参照 (総務省)
LINEにはECショップ運営で便利に使えるさまざまな機能がある
LINEはユーザー数が多いだけでなく、ECショップ運営で便利に使える機能が備わっています。どの機能もビジネスの規模に関係なく活用できるので、今も多くの企業や店舗で導入されています。
例えば、LINE公式アカウントは顧客との1対1のやり取りで効果を発揮する機能です。電話であればスタッフが少ない時や問い合わせが多い時など、すべてに対応するのはむずかしいケースがあります。
しかしLINEのメッセージやチャットであれば、メッセージそのものが記録として残るので、対応漏れが起こることもありません。
また、自社の商品やサービスを掲載できるLINEショッピングを活用すれば、自社が運営するECショップの集客チャネルを1つ増やせます。
タイムラインやメッセージ画面に出稿できるLINE広告も有用です。特にタイムライン上の広告は形式がタイムラインと同じなので、ユーザーに違和感を持たせることなく表示できます。 -
LINEをECショップで活用するための3つの機能
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この項目では、前項で紹介したECショップで活用すべき、LINEの3つの機能について深掘りします。
LINE公式アカウント
LINE公式アカウントは、企業や店舗がビジネスを目的として作成するアカウントのことです。ユーザーに友だち登録してもらえれば直接メッセージやチャット機能でやり取りをしたり、情報を届けたりできます。
LINE公式アカウントの主な活用方法は以下の通りです。
- ・メッセージのやり取りを通して商品やサービス、ブランドの情報を提供
- ・クーポンを配布
- ・友だち登録してくれたユーザー限定のイベント
- ・アンケート調査
上記の施策を行いながらメッセージの開封率やクリック数、インプレッション数などを分析して改善していけば、より施策の効果を高められます。
LINEショッピング
LINEショッピングは、自社ECショップの商品を掲載できるサイトです。ユーザーは掲載されている商品を購入するとLINEポイントが付与されます。LINEポイントは「1ポイント=1円」として扱われ、LINE Payでの決済やLINEスタンプ、LINEギフトでの購入など幅広いシーンで利用可能です。
LINEショッピングには、Amazonや楽天市場などの大手ECモールから、有名メーカーやブランドまでさまざまなECショップが参加しています。ただ、カート機能は実装されておらず、商品購入の決済時には商品の掲載元のECショップに移動します。
このように、LINEショッピングを活用すれば自社ECショップの集客チャネルを1つ増やすことが可能です。また、ECショップとLINEショッピングを連携することで、自社のブランディングや認知度の向上も狙えます。LINE広告
LINE広告は、LINE上にある関連サービスや外部アプリに広告を出稿できるプラットフォームです。運用型の広告で、出稿後は広告効果を確認しつつ、入札価格や広告クリエイティブなどを調整します。
日本で最もユーザー数が多く、アクティブユーザーも多いLINE上に広告を出稿できるため、リーチできる層の幅が広いのが特徴です。認知の獲得や商品のPR、顧客の新規開拓までさまざまな目的で活用できます。
また、ユーザーの年齢や性別、行動パターンなどの条件を設定したターゲティングもできます。
LINE広告を配信できる主な場所は以下の通りです。- ・トークリスト
- ・LINE NEWS
- ・LINE VOOM(旧タイムライン)
- ・LINEマンガ
- ・LINE BLOG
- ・LINEポイントクラブ
- ・LINEショッピング
上記の他にも、LINE広告ネットワークを活用して提携している外部アプリへの広告配信もできます。
LINE広告で利用できる主なターゲティング機能の種類は以下の通りです。
- ・オーディエンスセグメント配信(年齢・性別・地域などでターゲットを指定する)
- ・オーディエンス配信(ユーザー情報を利用して配信するターゲットを絞り込む)
- ・友だち追加(友だち登録をうながす)
- ・LINE公式アカウントの友だちオーディエンス配信(LINE公式アカウントの友だちのデータを利用してターゲットを絞り込む)
- ・類似配信(購入に至ったユーザーと類似するユーザーに広告を配信できる)
- ・リエンゲージメント配信(休眠状態のユーザーに再利用をうながす)
- ・自動最適化配信(設定した目標CPA(顧客獲得単価)を達成できるよう調整してくれる)
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ECショップ運営でLINE公式アカウントを活用するメリット・デメリット
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この項目では、ECショップでLINE公式アカウントを活用する時のメリット・デメリットを紹介します。
メリット
ECショップでLINE公式アカウントを利用した時のメリットは以下の通りです。
- ・顧客の新規開拓ができる(特にLINEプロモーションスタンプは認知度向上に役立つ)
- ・料金プランを柔軟に変更できる(フリープラン・ライトプラン・スタンダードプランの3種類あり、月ごとに変更可能。状況やニーズに合わせて柔軟に使える)
- ・メールとくらべて開封率・クリック率が高い
- ・リッチメニューを使いこなせば他社と差別化できる
- ・登録が簡単
- ・無料で始められる
LINEプロモーションスタンプは、企業が広告費を支払ってユーザーに無料のスタンプを提供するサービスです。自社で作成したオリジナルのスタンプも提供できます。
LINEユーザーはスタンプの利用頻度が高いので、自社が提供したスタンプを気に入ってもらえてユーザーに使ってもらえたら、認知度の向上やブランディング効果が期待できます。
リッチメニューは、LINEのトーク画面の下に表示される機能のことです。クーポンやショップカードの機能、ECショップに遷移するリンクなどを設定できます。季節限定のセールやキャンペーン時には表示させ、終了すれば通常のリッチメニューに戻すといった設定が可能です。デメリット
ECショップでLINE公式アカウントを利用した時のデメリットは以下の通りです。
- ・運用するためにはコストがかかる(フリープランではできることが制限されるため、自然に有料プランを利用することになる)
- ・友だち登録を増やす努力が必要(ユーザーとやり取りをするためには友だち登録が必須。そのため、有料機能を使ったり、他のSNSを活用したりなど登録数を増やす努力が必要)
- ・長文が送りづらい
- ・いたずらにメッセージや情報を発信するとブロックされる可能性がある
- ・万一アカウントが停止されると、顧客情報を失う
友だち登録を増やすには、先述のLINEプロモーションスタンプを利用したり、自社ECショップに登録用のQRコードを貼ったりなどの工夫が必要です。
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ECショップ運営でLINEショッピングを活用するメリット・デメリット
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この項目では、ECショップでLINEショッピングを活用する時のメリット・デメリットを紹介します。
メリット
ECショップでLINEショッピングを利用した時のメリットは以下の通りです。
- ・集客で大きな効果を発揮する(日本一ユーザー数の多いLINEに自社の商品を掲載できるので、大きな認知獲得効果が期待できる)
- ・購入すると得られるLINEポイントにより、ユーザーの購買を後押しできる
- ・LINE公式アカウントと連動したマーケティングが可能(自社ECショップのアカウントからセール情報などを配信できる)
LINEは、いわゆる「SNSはLINEしか使わないユーザー」の数も多いので、この層に自社の商品やサービスを知ってもらえる機会があるのは大きなメリットといえます。また、決済やギフト券と交換など、LINEポイントはお得な使い途が多いので、ポイント目当てのユーザーを自社ECショップに誘導できます。
デメリット
ECショップでLINEショッピングを利用した時のデメリットは以下の通りです。
- ・ECショップサイトを用意しておく必要がある(LINE上にECショップそのものを用意できるわけではない)
- ・競合の商品と価格で比較されやすい(同一商品を扱っている他のECショップの情報も表示されるので、販売価格や獲得ポイントを比較される)
- ・サービス提供対象国でしか利用できない(海外ユーザーをメインユーザーとしているECショップの場合、対象国を確認してから登録を検討する必要がある)
自社のオリジナル商品であれば比較されることはないですが、競合がいる商品を扱う場合、価格競争に巻き込まれる可能性があります。
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ECショップ運営でLINE広告を活用するメリット・デメリット
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この項目では、ECショップでLINE広告を活用する時のメリット・デメリットを紹介します。
メリット
ECショップでLINE広告を利用した時のメリットは以下の通りです。
- ・他のSNSとくらべて多くのユーザーに広告を見てもらえる
- ・少額の広告費で出稿できる(最初は少額で広告を配信することで、さまざまな施策やターゲティングを試せる)
- ・ターゲティングの種類が豊富なため、さまざまな目的に対応できる(自社ECショップのアクセスを増やす、アプリのインストールを増やすなど)
LINE広告は初期費用もかからず、最低出稿金額も設定されていません。そのため、広告運用初心者やまだターゲットが定まっていない企業などは、まず少額で広告を出稿して感触を試すといったことも可能です。
さまざまなターゲティング条件を少額の出稿で試し、ある程度運用方針が固まってから予算を増やすという戦略も取れます。
デメリット
ECショップでLINE広告を利用した時のデメリットは以下の通りです。
- ・他のSNSとくらべて拡散力が低い(他のユーザーとシェアする機能がないため)
- ・広告審査のハードルが高い(審査期間も短くて数日、長ければ1週間から10日以上かかる)
- ・富裕層向け商品のリーチには向かない(LINEはよくも悪くも気軽に使えるため、高額商品購入の動機付けはむずかしい)
LINE広告の審査は、広告運用のために作成するアカウントと広告クリエイティブを審査します。そのため、まずクリエイティブ審査を先に受けることをおすすめします。
先にクリエイティブ審査を受けておけば広告が掲載できるかどうかが分かるので、「アカウント審査は通ったが広告が出せない」といった状況を回避できます。 -
ECショップのLINE公式アカウント・LINE広告の成功事例
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この項目では、LINE公式アカウントとLINE広告の成功事例を1つずつ紹介します。
キールズ(LINE公式アカウント事例)
「キールズ」は、170年以上前にニューヨークで創業されたスキンケアを扱う企業です。「お客様一人ひとりに合ったサンプルを」をキャッチコピーに、スキンケア商品を販売しています。
キールズのLINE公式アカウント運用の特徴は以下の通りです。
- ・リッチメニューに3つのタブを用意している(このような運用を行う企業は少ない)
- ・謎解きツアーでスタンプラリーと連携(ゲーム感覚で楽しめる)
- ・スキンケアへの質問に応える、肌チェックを行うなど、ユーザーの悩みに寄り添う
- ・会員と非会員を分けている
ユーザーを会員と非会員に分けることで、「会員になればどのような商品が買えるのか?」や「お気に入りの商品を安く買えるかもしれない」といった興味を喚起しています。
カゴメ株式会社(LINE広告事例)
「カゴメ株式会社」は100年以上の歴史を持つ有名食品・飲料ブランドです。カゴメは、通販限定商品である「つぶより野菜」の定期コースで新規顧客を獲得するためにLINE広告を利用しました。
メインターゲットは、50代以上の「SNSはLINEのみ利用している」ユーザー。つぶより野菜のバナーで店頭では手に入らない限定商品であることを訴求し、バナーの遷移先では野菜ジュースと健康への興味を引くメッセージを発信しました。
結果、LINE経由での新規顧客が大幅に増え、大きな広告効果を得ました。
さらにカゴメはLINE公式アカウントの運用も開始し、メルマガの内容を補完するために活用しています。LINE公式アカウントとLINE広告の組み合わせは、新規顧客の獲得から顧客とのコミュニケーションまで幅広く対応できます。
参考:カゴメのLINE広告活用法(LINE for Business) -
LINEとCRMツールの連携でできること
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LINEは、他のSNSとくらべてユーザー数もアクティブユーザー数も段違いに多いです。
使える機能も、コミュニケーションに役立つLINE公式アカウント、集客チャネルとして使えるLINEショッピング、さまざまな目的に対応できるLINE広告を備えています。ここにCRM/MAツールを加えれば、さらに利便性が上がります。FIDの「MOTENASU」もその1つです。
「MOTENASU」では、ECショップに登録された既存のお客様情報(お名前や住所、メールアドレス、電話番号、購入履歴など)とLINE-IDを紐づけて一元管理することができ、LINE公式アカウント単体ではできなかった訴求方法や分析が可能なためです。
ECで未購入の方であっても、お友達登録時にLINEアカウントと紐づいたメールアドレスを同時に取得することができますので、LINEでブロックされた場合でも、メールで再びアプローチすることも可能になるのです。例えば以下のようなシナリオ配信もできます。
- ・初回購入時から、15日後にクーポンを発行してリピート購入を促す
- ・購入金額が30,000円を超えた優良顧客に、特別優待券を送付してロイヤルカスタマーの育成につなげる
- ・ECサイトにアクセスしたものの離脱したユーザーに対して、フォローメールを配信する
- ・誕生月にクーポンの配布や、誕生日にお祝いメッセージを送信することで特別感を演出する
「MOTENASU」を利用することで、さらにメール・SMS・LINE・郵送DMでの配信が可能となります。つまり、オフライン・オンラインどちらの訴求方法にも対応することで、ユーザーに合わせた配信方法を選択できます。若者であればLINE、年配の方であればSMSや郵送DMといった具合です。
例えばお客様への各ご案内を(コストのかからない)メールで配信のうえ、メールを未開封の方にのみLINEでメッセージを自動的に再送信する、といったシナリオ運用も可能です。
また「MOTENASU」には複数のLINEアカウントを管理・運用できる機能が搭載されており、例えば、企業LINEアカウントと店舗ごとのアカウント、ブランドごとのアカウントなどを統合管理することができます。もちろん複数のLINEアカウントを統合管理するだけでなく、各店舗の「お友だち」だけに限定してLINEメッセージを配信することも可能です。
【複数LINEアカウント統合後のメッセージ配信例】- ・企業アカウントのお友だち、各店舗アカウントのお友だちにメッセージを出し分け
- ・ブランドCとF店舗のアカウントに登録している友だちだけを対象にメッセージを配信
- ・A店、B店、C店の3店舗の友だちだけを対象にメッセージを配信
通常LINE公式アカウントだけの運用であれば、これらの配信は各アカウントの管理画面で実施する必要がありますが、「MOTENASU」を活用すれば1つの管理画面から一度に操作を行うことができます。つまり「MOTENASU」は、顧客をセグメントに紐付けてきめ細かなアプローチを実現すると同時に、メッセージの効率的な一斉送信も実現するCRM/MAツールなのです。
このような豊富な機能で、One to Oneマーケティングを力強くサポートするのが「MOTENASU」です。LINEをCRM活用するなら、「MOTENASU」での運用をぜひご検討ください。
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