ECショップのリピート通販で成功するカギはCRM施策にある
ECショップ市場の競争が激化していることから、顧客獲得単価も上昇傾向にあります。このような状況では、新規顧客からの売上だけでは自社ECショップを成長させることはむずかしいでしょう。特にリピート通販では、既存顧客へアプローチし続ける必要があります。
つまりリピート通販を成功させるために重要なのは、効果的なCRM施策です。
そこで本記事では、まずリピート通販で成果を出すためのステップを紹介し、これを踏まえ、リピート通販で最も重要なステップであるCRM施策について解説します。また、CRM施策の具体例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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ECショップのリピート通販で成果を出すために必要なこと
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ECショップのリピート通販で成果を出すためには、一定の手順に従う必要があります。
内容は以下のとおりです。- 1.顧客分析
- 2.CRM施策
- 3.PDCAを回す
順に解説します。
顧客分析
リピート通販の手順のファーストステップは顧客分析を行うことです。リピート通販を成功させるには、顧客を自社ECショップのファンにする必要があるからです。
顧客をファン化するには、顧客心理をニーズ別やシチュエーション別で理解し、それぞれに合ったペルソナを設定することが重要です。
ニーズ別やシチュエーション別の顧客心理を考える時は、以下のような要素を検討します。- ・なぜ自社商品を購入してくれたのか
- ・顧客の将来の夢・理想の生活はどのようなものか
- ・どのような悩みを持っているのか
- ・どのような時に喜びを感じるのか
- ・普段はどのような媒体で情報を収集しているのか
- ・顧客が1ヶ月に自由にできるお金はどれくらいか
上記以外にも必要な要素があれば検討して顧客心理を予想し、ペルソナを設定していきましょう。
ペルソナ設定が完了したら、自社商品をリピート購入する時の心理や行動の仮説を立てます。
具体的な例を挙げると以下の通りです。- ・どのような悩みや欲求を満たすために自社商品を購入してくれたのか
- ・商品を手に入れることで、どのような未来を手に入れたかったのか
- ・リピート購入しないという選択肢があるなら、その原因は何か?
上記のようなペルソナの心理に合わせてCRM施策を行うわけですが、CRM施策で利用するツールや媒体によってもペルソナや顧客心理が変わります。そのため、利用する媒体ごとにペルソナを設定することも有効です。
また、顧客の現ステータスごとにペルソナを設定するのもおすすめです。顧客のステータスには以下のようなものがあります。
- ・初回購入者
- ・優良顧客
- ・準優良顧客
- ・休眠顧客
- ・半休眠顧客
CRM施策
先の手順でペルソナを設定できたら、それぞれのペルソナに合ったCRM施策を検討して実行します。
この時、顧客の状態によってセグメント分けしてCRM施策を行うとさらに効果的です。
顧客の状態とは以下のような状態をいいます。- ・何の商品を購入したか
- ・何回購入したか
- ・何の商品を購入していないか
- ・男性・女性どちらを対象にするか(もしくは、どちらも含むのか)
- ・何歳の顧客を対象にするか
上記のような顧客の状態別にセグメント分けし、それぞれに最適な施策を行えばより効果も期待できるでしょう。
リピート通販のCRM施策で一般的に利用される手法は以下の通りです。
- ・メールを利用した施策(メールマガジン、ステップメール)
- ・接客に関する施策(サイトのUI改善、カスタマーサポートの充実、チャットボットを使ったオンラインでの接客など)
- ・SNS・オウンドメディアの活用(SNSはTwitter・Instagram・LINE・YouTubeなど。オウンドメディアは自社ショップが運営する企業ブログが一般的)
- ・SMSを利用する
- ・DMを送付する
- ・試供品を商品に同梱する
SNSやオウンドメディアによる発信は自社のコンセプトやビジョンも伝えられるため、ブランディングや自社ショップのイメージアップにもつなげられます。
PDCAを回す
顧客分析→CRM施策の結果について、「リピートによる売上がどれだけ上がったか?目標に達したか?達していないなら何が原因か?改善点は?」などを検証し、改善策を検討して実行します。
このPDCAサイクルを回しながらテストを繰り返すことにより、自社ECショップだけのCRM施策のノウハウが蓄積されていきます。
PDCAを回す時の基準となる目標(指標・KPI)の例は以下の通りです。
- ・年間のリピート売上
- ・商品引き上げ率(F2転換など)
- ・商品のリピート率・離反率(商品と購入回数ごとの割合)
- ・顧客育成率
- ・アップセル・クロスセル率
F2転換とは、初回購入した顧客が2回目のリピート購入をすることをいいます。3回目ならF3、4回目ならF4となります。
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リピート通販で成功するために最も重要なのはCRM施策
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ECショップのリピート通販で最も重要な要素がCRM施策です。CRM施策がうまくいくかどうかで新規顧客をリピート顧客に変えられるかどうかが決まります。
ECショップにおけるCRMとは
そもそもCRMとは、「Customer Relationship Management」の略で、顧客情報の管理、顧客関係管理・維持といった意味があります。ECショップにおいては、自社ショップが収集した顧客データを活用してマーケティングに生かすマネジメント方法のひとつです。
現在では、CRMを行うことはCRMツールやシステムを導入して活用することと同じ意味で捉えられています。ECショップにおけるリピート通販成功のためのCRM施策も、CRMツールを活用して行うのが一般的です。LTVとCRM施策
CRMの結果はLTV(Life Time Value)を指標にして算出します。LTVは顧客生涯価値という意味で、「一人の顧客が一生のうちで事業者にもたらす利益」を意味します。リピート率アップの他に、新規顧客の獲得や顧客単価アップなどに取り組む時にも使われることが多い指標です。
リピート通販のCRM施策は、顧客に何度も自社ECショップを利用してもらうことを目指す施策です。そのため、一人の顧客が自社ショップに生涯もたらしてくれる利益を表すLTVの向上を目指すことは、リピート通販の成功にもつながります。
LTVを算出する一般的な式は以下の通りです。「LTV=購買額×購買頻度×継続期間」LTVの数値から利益をする時は、リピート通販成功のためにかけたコストを引けば確認できます。
新規購入から初回リピートにつなげることが最もむずかしい
ECショップのリピート通販において、最もむずかしいのは初回リピートです。一般的に、初回購入してくれた顧客のうち約7割がリピートせずに離脱するといわれているからです。逆に2回目の購入という壁を超えれば離脱は少なくなり、顧客は定着する傾向にあります。
そのため、この初回リピート率を向上させることが、自社ECショップのLTVをアップさせることにつながるといえます。2回目購入時の離脱を防ぐために行うべき対策は以下の通りです。
- ・商品や自社ショップへの理解を促進する(商品開発のストーリー、理念、コンセプトなどを発信する)
- ・商品購入後のサンクスメールやECサイトのトピックで、商品の正しい使い方や便利な使い方などを伝える
- ・商品や自社ショップへの疑問・質問を解消して安心感を与える(Q&Aの充実はもちろん、LINEやメールでの問い合わせにも真摯かつ迅速に応える)
- ・購入商品をさらに便利に使うための関連商品などをおすすめする
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リピート通販で行うCRM施策のメリット・デメリット
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この項目では、ECショップのリピート通販で行うCRM施策のメリットとデメリットを紹介します。
メリット
ECショップのリピート通販で行うそれぞれのCRM施策のメリットは以下の通りです。
- ・商品同梱(商品と一緒に届くので必ず開封されて見てもらえる)
- ・DM(現在でも比較的開封率が高い)
- ・メール(配信コストが低く、迅速に送れる。シナリオ立てた文面を用意することで、自動的に顧客をファンに育成できる)
- ・コールセンター・カスタマーサポート(マンツーマンでの対応のため内容を理解してもらいやすく、対応次第でクレーム客もファンにできる)
- ・SNS(即効性はないが、気軽にコミュニケーションが取れるので顧客をファン化させやすい。また発信が拡散されることもある)
- ・SMS(配信コストが低く、到達率も高い)
デメリット
ECショップのリピート通販で行うそれぞれのCRM施策のデメリットは以下の通りです。
- ・商品同梱(商品発送の機会がないと送れない。そのため、休眠顧客に送るチャンスがない)
- ・DM(ハガキ・パンフレットの製作費や配送費のコストがかかる。製作~配送までの準備に時間も必要)
- ・メール(メールアドレスがないと送れない。開封率も低め)
- ・コールセンター・カスタマーサポート(人件費、設備費などのコストが高い。チャットボットなどを導入する時も導入費用やサービス費用がかかる)
- ・SNS・オウンドメディア(ノウハウがないと成果を出すのがむずかしい。目に見える成果を出すまでに時間もかかる)
- ・SMSを利用する(配信文字数に制限があるため、詳細説明のために別途LPの用意が必要)
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リピート通販におけるCRM施策の具体例
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リピート通販を成功させるためのCRM施策にはさまざまな事例があります。
この項目では以下の2つの施策例を紹介します。- ・マイページ機能をリピート通販に最適化させる
- ・お得意様を優遇する会員制度を作る
マイページ機能をリピート通販に最適化させる
マイページ機能を顧客が使いやすいものに最適化することは、顧客によい購買体験(カスタマーエクスペリエンス)を提供するうえでとても大切です。自分の希望通りにストレスなく購買アクションを行える環境は、顧客が同じECショップでの再購入を検討する時に非常に大きな要素となるからです。
マイページの最適化の例として、それぞれの顧客のマイページでおすすめ商品を表示するという機能があります。また、獲得ポイントや定期注文に関する情報を目立つ場所に配置したり、定期注文のスキップや解約の手続きを単純化したりなどの施策も考えられます。
また、ボタン周りに「ここで注文履歴が確認できます」「商品のキャンセルはこちら」といったマイクロコピーを追加するのも有効でしょう。
マイページはECショップで非常に重要なページです。商品ページや決済ページだけでなく、マイページの利便性も向上させるとリピート率の向上につなげられます。お得意様を優遇する会員制度を作る
長期にわたって自社ECショップを利用してくれる優良顧客を優遇する会員制度を作れば、自社ショップでリピート購入するメリットを強化できます。具体的には、ランクやポイント制を導入し、自社ECショップを長く利用すればするほどメリットが大きくなる仕組みを作ります。
会員制度を用意する時は、自社が優遇すべきである顧客の条件を明確にし、誰でもわかるルールで運用することが大切です。
条件設定で多いのは、累計購入金額や累計購入回数、購入期間の長さなどで判断するケースです。
ルールについては、複雑な条件や表現を避けてシンプルにすることが重要です。シンプルでなければ顧客にお得感は伝わりません。特に特典内容と条件については、明確かつわかりやすい内容にする必要があります。得られる特典については、送料無料や返品無料といった優遇の他、品薄になりやすい商品を優先的に購入できる権利などが考えられるでしょう。
会員特典は会員制度の肝です。会員になるメリットを充分に感じられる内容を用意することが大切です。
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ECショップのリピート通販を成功させるCRMツールはMOTENASUがおすすめ
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現在のECショップ市場で売上を伸ばすためには、顧客分析→CRM施策→PDCAを回すというサイクルでリピート通販を成功させる必要があります。
特にCRM施策を効果的に行う必要がありますが、そこに不可欠なものがCRMツールです。前述したCRM施策の手法を実践する時、スタッフが一つひとつ手動で行っていては余りにも効率が悪く、競合ショップに後れをとってしまいます。
そこでお勧めなのがCRM/MAツール「MOTENASU」です。「MOTENASU」を使えば顧客データを一元管理でき、様々な条件でセグメント分けした高度なセグメント配信が可能です。あらかじめ配信条件やタイミングを設定しておけば、以下のようなセグメント配信を自動で行うことができるのです。
- ・自動でセグメント分けして、シナリオに沿って自動でメッセージ送信
- ・購入回数や購入金額だけでなく、複数の条件で細かなセグメント分けが可能
- ・優良顧客との関係を維持するためのランク付与や個別の特別ページの設置も簡単
- ・定期購入をキャンセルした顧客へのアプローチや休眠顧客の掘り起こしもしやすい
- ・LINE、SMS、メール、ダイレクトメールに条件に合わせてメッセージ送信
多くのスタッフが手を取られるメッセージ配信作業を自動化できれば、配信コンテンツのクオリティアップにも注力できるでしょう。
具体例を挙げると以下のような施策が可能となります。
- ・自社ECショップのゴールド会員にのみ特典情報配信する
- ・当該月に10,000円以上購入してくれた顧客にだけ特別な情報をメールで配信する
- ・過去2ヶ月間購入していない休眠顧客にだけメール・LINEでメッセージを配信する
さらに、MOTENASUを使えば自社が利用するLINE公式アカウントも一元管理できます。本店のアカウント、ブランドごとのアカウントなどを一元的に管理でき、それぞれのアカウントに最適なメッセージを個別に配信することも可能です。
分析やレポート機能にも優れており、商品別、流入元別にLTVを自動計算する「LTV分析」機能をはじめ効果検証や改善のための機能も充実しているため、よりLTVを向上させやすいマーケティング手法を追求し続けることが可能です。
「リピート通販におけるCRM施策を最適化したい」とお考えであれば、ぜひともCRM/MAツール「MOTENASU」の導入をご検討ください。
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