LINEを使ったCRM施策とは?今すぐ活用すべき理由と成功のコツを解説

近年は、商品やサービスの広告・宣伝による単発の売上だけでは、事業が成り立たない時代になりました。そのため、CRMの概念に基づき、顧客と積極的にコミュニケーションを図ることが重要となっています。顧客と関係性を築き長期間のリピート利用・購入を狙うのです。CRM施策実施の一つの手段として、注目を集めているのがビジネス用のLINEです。
 
そこで本記事では、LINEをCRMに活用するメリットやLINEを活用したCRM施策を成功させる秘訣について解説します。

LINEを使ったCRM施策とは?

LINEを使ったCRM施策では、LINE社がビジネス用に提供している「LINE公式アカウント」を活用してCRM施策を実施します。
 
まずCRMとは、「Customer Relationship Management:顧客関係管理」という概念の略称です。CRMでは、性別や年齢、居住地、嗜好、メールアドレスなど顧客の詳細な情報を企業が一元管理し、業務の効率化を目指します。また、顧客に多種多様なアプローチを行うことで顧客との関係性を良好にし、長期的な売上拡大を狙います。CRMの概念に基づき、実施する施策がCRM施策と呼ばれます。
 
膨大な顧客データをツール無しで管理するのは困難なため、CRM施策は顧客関係管理に特化したツールを用いて実施されるのが一般的です。
 
LINEは、ユーザー情報の管理ができ、さまざまな機能を用いて顧客との良好な関係の構築・維持を狙えるため、CRM施策を行えるツールのひとつといえます。

LINEをCRM施策に活用するメリットは?

では、LINEを使ったCRM施策にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、LINEをCRM施策に活用するメリットについて、代表的な3つをご紹介しましょう。

メリット1:膨大なユーザーにアプローチできる

LINEを用いてCRM施策を実施する一つ目の利点は、アプローチできるユーザー母数の多さです。LINE社の調査では、2022年9月末時点で国内に9300万人以上のユーザーがLINEを利用していることがわかっています。また、そのなかで毎日利用する人の割合は86%にも達しており、LINEは利用者のアクティブ率の高いマーケティングチャネルです。
 
ユーザー数の多さは、顧客がLINEを利用している確率の高さを示していますので、企業がLINEを活用すれば、多くの顧客にアプローチすることが可能です。

メリット2:CX(顧客体験)を高められる

LINEを使ったCRM施策では、LINEの諸機能を用いてCX(Customer Experience:顧客体験)の向上が可能です。CXとは、顧客の一連の購買プロセスにおいて価値を実感してもらうことを目指した概念です。主に利便性の高さや顧客が受ける利益の高さによって、CXは向上します。
 
例えば、企業のLINE公式アカウントを友だち登録している顧客に、LINE上でECサイトのキャンペーン告知をするとしましょう。顧客はLINE上で企業から送付されたECサイトへのリンクをタップすれば、そこからECサイトにログインができ、キャンペーン参加や商品購入が可能です。そして、購入時にはトーク画面上で購入確認や発送通知のメッセージを受信できます。さらに、不明点がある際にはトーク画面で企業と直接やり取りをすることも可能です。
 
このような利用者にとって利便性の高いサービスの提供を通して、顧客のCXを高められるのです。

メリット3:LINE公式アカウント運用は無料で始められる

LINE公式アカウントをCRM施策に活用する場合、LINE公式アカウントには費用の発生しないフリープランがあるため、コストをかけずに運用開始できます。
 


出典:料金プラン | LINE公式サイト

 
まずは無料でトライアル運用をし、事業規模の問題などで有料プランへの移行が必要になった際に、有料プランへ移行すると良いでしょう。

CRM施策にLINEを活用する際の注意点

LINE公式アカウントは、友だち追加が容易である分ブロックされやすく、情報が遮断される可能性があります。
 
特にやみくもに全ユーザーにキャンペーンやプロモーション情報を一斉配信すると、ブロックされやすくなります。各ユーザーにとって、興味の無い情報が度々配信されることはストレスになるからです。
 
しかし、配信する情報に興味のありそうなセグメントにのみ配信をすれば、ブロック率を低下させられます。例えば、「女性向けファッションのプロモーションをする際には女性のみを配信対象とし、男性には届かないようにする」といった具合です。
 
各ユーザーの興味・関心にマッチしたメッセージはユーザーの興味を引きやすく、開封率やCVの向上も見込まれます。

LINEを活用したCRM施策例

LINEの活用によって実施できるCRM施策に関して、代表的な5つをご紹介します。

配信・キャンペーン

LINE公式アカウントの以下の機能により、ユーザーに対し各種メッセージやキャンペーン情報の配信が可能です。

  • ・メッセージ配信機能
  • ・リッチメニュー機能

メッセージ配信機能では、ユーザーの年齢層、性別、地域(地方単位)などを指定した「セグメント配信」や、設定した条件に応じて複数のメッセージを自動配信する「ステップ配信機能」が活用できます。
 

セグメント配信の例 「関東地方の20代女性にのみ、関東店舗の女性用ファッション店Aのセール情報を送信」
ステップ配信の例 「友だち登録の直後にお礼メールの送信。その3日後にお試しセットの提案」

 
これらの配信では、顧客の状態や属性に合ったメッセージ配信が可能なため、全ユーザーへの一斉配信に比べ高い開封率やクリック率が期待できます。
 
リッチメニュー機能では、トーク画面下部に「購入」「来店予約」「問い合わせ」などのメニューが表示されます。ビジュアルに富んでいてユーザーが直感的に操作が可能なため、通常のテキストメッセージよりも誘導効果が高いのが特徴です。

自動応答

LINEのCRM施策では、チャットボットを用いた自動応答も可能です。ユーザーから問い合わせがありそうな質問の回答やそれに対する対応などをチャットボットに設定しておくことで、スタッフの代わりにボットが自動応答してくれます。そのため、人員を割く必要が無く効率的な顧客応対が可能になります。

LINEで予約受付・管理

「LINEで予約」機能は、ユーザーがLINE上で簡単に店舗・施設の予約受付・管理ができるサービスです。予約はアプリ内で完結するため、ユーザーがアプリを切り替える手間を削減でき、ユーザーの満足度を高められます。

予約情報はLINE上でまとめて管理ができます。そのため、口頭で予約を受け付ける電話と比べ予約の齟齬が生じづらいというメリットや、効率的な管理ができるという利点もあります。

顧客管理

LINE上では、以下の情報を管理・活用できます。

  • ・友だち期間
  • ・性別
  • ・年齢
  • ・OS
  • ・居住エリア(地方)
  • ・予約受付情報

※LINE公式アカウントの「性別」「年齢」「居住エリア」といったセグメントは、ユーザーが「LINE」上で購入・使用したスタンプや興味のあるコンテンツ、どのようなLINE公式アカウントと友だちになっているかといった傾向をもとに分析(電話番号、メールアドレス、アドレス帳、トーク内容等の機微情報は含みません)した「みなし属性」。属性情報の推定は統計的に実施され、特定の個人の識別は行っていません。
 
実はLINE単体で管理できる情報はそれほど多くありません。しかし、後述するCRM/MAツールとの連携により、詳細な基本情報や受注データなどのより幅広い顧客情報の管理・活用が可能になります。

LINEのCRM施策を成功させるなら、外部CRM/MAツールの導入! 

LINE単体ではできないことも多く、粗のあるCRM施策となってしまうのが実状です。そこで、LINEのCRM施策を成功させるうえでおすすめなのが、外部CRM/MAツールの導入です。
 
CRM/MAツールとは、顧客情報を一元管理し、その情報を活用してマーケティング活動を自動化することで、顧客との良好な関係を構築・維持するツールのことです。CRM/MAツールを活用することで、LINEの諸サービスでは実施できない施策を講じられ、LINE単体に比べ、より効率的で高精度なCRM施策を実施できます。

それでは、外部CRM/MAツールの詳細についてご紹介していきましょう。

より詳細な顧客情報を管理・活用できる

LINE公式アカウントと本格的なCRMツールを連携させれば、より細やかな顧客情報管理・活用が可能です。
 
LINE公式アカウント単体では、ユーザーの年齢や性別、友だち登録からの日数など基本的な顧客情報のみが管理の対象です。これでは大雑把なセグメント配信、ステップ配信になってしまい、多くの顧客に刺さらないメッセージ配信をしてしまうことになります。最悪の場合、迷惑メッセージと捉えられ、ブロックされてしまう可能性もあるでしょう。
 
しかし、本格的なCRMツールではLINE単体で管理できる顧客情報に加え、以下のような多種多様な顧客情報を管理できるようになります。
 

個人情報 メールアドレス、住所、電話番号 など
売上・受注データ 購入製品、購入金額、購入日 など
行動履歴データ Webアクセス日時、購入店舗、メールやSMSの開封有無 など

 
例えば「北海道札幌市の30代女性」といった詳細な居住エリアのセグメントや、「店舗AでピアスAを購入した20代女性」のような購買行動に基づいたセグメントを行えます。
 
これにより、顧客一人ひとりの興味や関心に適したアプローチを実施できるようになり、到達率や開封率を高い水準で維持することが可能です。

高精度なシナリオ配信ができる

前述した詳細な顧客情報の活用方法としては、高精度なシナリオ配信が挙げられます。顧客の状態や行動に基づいた訴求により、訴求力高く顧客にアプローチでき、開封率向上やクリック率向上、CV向上が期待されます。
 
例えば、数ヶ月間〜数年間アクションのない休眠顧客にのみに対して、以下のようなシナリオメールを配信可能です。
 

例:休眠顧客に新製品Aの紹介&カムバック割引キャンペーンの告知をする
開封された場合 お客様の声を掲載したメールでさらに訴求
開封されなかった場合 時間帯を変え再送する
それでも開封されなかった場合 LINEやDMを送付し、顧客に開封される確率を高める

 
上記は、休眠顧客のみを対象とした場合です。新規登録顧客に対しては「通常のステップメール形式でメールやLINEを段階的に送信する」といったメール配信をすることもできます。
 

登録直後 サンクスメール
登録7日後 フォローメール/LINE
登録14日後 フォローメール/LINE

 
そして、初回購入者に対しては、購入後、一定間隔でフォローメール/LINEを送ることも可能です。レディース帽子Aの初回購入後を例に、その流れを見てみましょう。
 

3日後 購入のお礼やクーポン配布
7日後 今話題のブランド紹介やおすすめ紹介
30日後 クーポンのリマインドやレディース帽子Aの関連商品Bのご案内

 
購入後1ヶ月以内は、再購入される可能性が高く、再購入されれば売上貢献が高い「ロイヤルカスタマー」につながりやすいといわれています。したがって、このタイミングで適切なアプローチを行うことにより、新規顧客の購入を単発で終わらせづらくし、お店のリピート利用につなげやすくすることが可能です。

他のチャネルとの連携強化で多角的なアプローチが可能に

LINE公式アカウント単体だけでCRM施策を実施する場合、LINEが届かなかった際や届かなくなった際に顧客へのアプローチ手段が尽きてしまいます。
 
しかし、CRM/MAツールを用いて、メールやLINE、SMS、郵送DMなどの各種チャネルとの連携ができれば、「LINEを配信したものの未開封であった人だけにメールを送る」などのシナリオが組めるようになります。
 
なお、この施策を講じるうえでは、各種チャネルを同一ツール内で一元管理することが重要です。連携強化により効果的なアプローチができるとしても、手動で各顧客の反応を計測し複数チャネルを使い分けるのは非常に煩雑で時間がかかるためです。

LINEの複数アカウントを同時に管理・運用できる 

LINE公式アカウントを単体で運用する場合、本部アカウントや店舗ごとのアカウントを一元管理・運用することはできません。そのため、複数店舗を抱えている企業が全店舗で配信する際などには、1アカウントずつ切り替えて配信する必要があります。
 
しかし、CRM/MAツールでは、以下のような複数のLINE公式アカウントを一元管理・運用することが可能です。

  • ・スタッフごとのアカウント
  • ・店舗ごとのアカウント
  • ・本部アカウント
  • ・代表アカウント

これにより、配信内容ごとに配信アカウントや対象顧客を細やかに変更でき、配信も返信も1つのツール上で手軽に行えます。
 
例えば、全店舗同時開催のキャンペーン情報を全店舗のアカウントから一括で配信できたり、一部エリアの店舗のみに関する連絡事項を当該エリア店舗のアカウントのみから一斉配信できたりします。

ID連携が必要な点には注意が必要

より高度なCRM施策実施を狙って、外部のCRM/MAツールの導入をする場合、自社サイトのECサイトやWebサイトとLINEアプリのID連携を顧客にしてもらう必要があります。ID連携がなされて初めて、自社が保有している詳細な顧客情報をLINEと連携できるようになります。
 
したがって、ID連携を促すキャンペーンの実施を忘れずにしましょう。例えばID連携者に、以下のようなキャンペーンを実施すると良いでしょう。

  • ・商品プレゼント
  • ・自社サービスを一定期間無料で利用可能に
  • ・クーポンの配布
  • ・ポイントの還元

LINEと連携させるCRM/MAツールは「MOTENASU」がおすすめ 

実は、有料の外部CRM/MAツールであるからといって、上記を実施可能な機能が付属しているとは限らないため、やみくもにCRM/MAツールを導入しても失敗するリスクがあります。
 
LINE配信に特化したLINE配信専用ツールを使って、LINEでCRM施策を実施する方法もあります。しかし、一般的に低価格のLINE配信専用ツールでは、メールやDM、SMSなどその他の配信メディアとの一元管理ができず、また高度なシナリオ配信ができないものも少なくありません。
 
しかし、高性能なCRM/MAツールである「MOTENASU」では、以下のいずれも実施可能であり、効率的で効果的なCRM施策を実現できます。

  • ・より詳細な顧客情報を管理できる
  • ・高精度なシナリオ配信ができる
  • ・他のチャネルとの連携強化で多角的なアプローチができる
  • ・LINEの複数アカウントを同時に管理・運用できる

現在メール配信ツールを活用している場合には、機能を拡張するためLINE配信専用ツールを別途導入するよりも、LINE、メール、SMSなどを一元管理できるMOTENASUの導入を推奨します。一元管理が可能なMOTENASUでは、運用の手間を削減することが可能です。また、メール配信ツールとLINE配信専用ツールを同時に運用する場合よりも、「MOTENASU」単体での運用の方がコストを抑えられるケースもあります。

まとめ

LINEをCRM施策に活用すれば、膨大なユーザーにアプローチができ、CXの向上やその先の売上拡大が期待できます。LINE単体でのCRM施策は無料で手軽に始められる一方で、本格的なCRM/MAツールを活用する場合に比べて、その効果が劣るというデメリットがあります。
 
そのため、自動化により業務の負担を軽減しつつも、しっかりと顧客との関係を構築・維持したい場合は、外部のCRM/MAツールをLINEと連携させましょう。CRM/MAツールのなかでも、顧客一人ひとりの興味や行動特性に合わせた施策を実践できる「MOTENASU」がおすすめです。
 
ぜひともCRM/MAツール「MOTENASU」の導入をご検討ください。
 
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