F2転換のための施策とは|施策の手法や成功事例

ECサイトを運営する上で重要となるのが、新規顧客からリピーターになってもらうことです。ユーザーが2回目の購入をすることを「F2転換」といい、継続して利益を出すためにはF2転換を促す施策が求められます。

 

本記事では、F2転換施策について詳しく解説します。F2転換施策を考える上で重要なポイントや施策例、実際の成功事例などを紹介しているので、リピーターの獲得を目指すECサイト運営者の方はぜひ参考にしてください。

F2転換施策とは

「F2転換」とは通信販売でユーザーが2回目の購入を行うことで、「F2転換施策」とは新規ユーザーに2回目の購入を促すための施策を指します。Fは「頻度」を意味する「Frequency」の頭文字で、F1は新規購入、F3は3回目の購入というように数字が購入回数を表しています。
 
具体的なF2転換施策として、以下のようなものが挙げられます。

  • ・次回購入時に利用できるクーポンの配布
  • ・バースデークーポンの配布
  • ・購入者限定メルマガの送付
  • ・DM・はがきの送付
  • ・アフターフォローの案内 など

新規ユーザーにいかにリピート購入してもらうかはマーケティングにおいて非常に重要で、効果的なF2転換施策の実施が求められます。

F2転換率の計算方法

新規ユーザーのうち、2回目の購入をしてくれたユーザーの割合を「F2転換率」といいます。F2転換率は、以下の計算式で算出します。
 

F2転換率(%)=2回目の購入を行ったユーザー数÷新規ユーザー数×100

 
例えば、新規ユーザー200人のうち120人が2回目の購入を行った場合、F2転換率は以下のようになります。
F2転換率:120人÷200人×100=60%
 
F2転換率を確認すると、リピート購入を促す施策の効果や顧客満足度などを把握できます。

F2転換施策が重視される理由

初回購入後のユーザーの動向を把握するための指標として、F2転換率が重視されます。マーケティングにおいてF2転換が重視されているのは、以下のような効果が期待できるためです。

  • ・リピート率の向上
  • ・広告費の回収

なぜこれらの効果が期待できるのか、以下で解説します。

リピート率の向上

一度リピート購入してくれたユーザーはその後も3回、4回と継続して購入してくれる可能性が高く、F2転換によってリピート率の向上が期待できます。リピート購入回数の多いユーザーはLTV(Life Time Value:顧客生涯価値の略。1人の顧客が一定期間内に自社の商品やサービスをどのくらい購入・利用したのかを表す指標)が高く、いかに多くのF2転換を生み出せるかが、その後の売上や業績を左右するといえます。
 
定期購入商品でない場合、初回購入から2回目の購入に至るリピート率は20〜40%といわれていて、離脱率がもっとも多くなる顧客層です。2回目から3回目、3回目から4回目と購入回数が多くなるほど離脱率は下がっていくため、F2転換施策に力を入れて初回購入からの離脱率を下げることが重要となります。

広告費の回収

例えば、新規顧客を1人獲得するために3,000円の広告費がかかった場合、商品価格が3,000円以下なら1回の購入だけでは広告費を回収できません。そのため、リピート購入を促すF2転換施策は広告費を回収するためにも重要です。
 
新規顧客の獲得には既存顧客の5倍のコストがかかるとする「1:5の法則」もあり、基本的に初回の購入につなげるには多くのコストがかかります。せっかくコストをかけて獲得した新規顧客に離脱されないようにするためにも、F2転換施策に力を入れる必要があります。

F2転換施策を考える上で重要なポイント

F2転換施策を考える上で重要となるのが、「どのタイミングで実施するか」「どのような訴求内容・伝え方にするか」の2点です。

これら2つのポイントについて、以下で解説します。

タイミング

F2転換施策では、顧客とのコミュニケーション設計が重要です。例えば次回購入時に使えるクーポンは、購入した商品を顧客が使い切るタイミングで配布するのが効果的でしょう。一方、アフターフォローに関する案内は、顧客が商品を購入した直後に行う必要があります。
 
このように、施策の内容によって最も効果的なタイミングが異なります。そのため、適切なタイミングでアクションを起こすことが、F2転換施策の効果をよりアップさせるポイントです。

訴求内容・伝え方

F2転換施策で顧客に訴求すべき内容として、再購入を促すものと顧客満足度を向上させるものの大きく2種類があります。目的に合わせて、具体的な施策内容を検討しましょう。
 
再購入を促す施策としては、クーポンの配布やほかの商品の案内などが効果的です。顧客満足度を向上させるためには、購入した商品の使用方法や保存方法の案内など、アフターフォローを充実させる施策が適しています。
 
また、情報の伝え方を顧客の年代や属性に合わせて使い分けることも重要です。LINE・メール・同梱物・DMなどさまざまなアプローチ手段があるため、顧客層に適した伝え方を選びましょう。

F2転換施策の例

ここからは、具体的にどのようなF2転換施策があるのかチェックしていきましょう。F2転換施策の例として、以下が挙げられます。

  • ・フォローメール・ステップメールによるリピート促進
  • ・SNSによる接触頻度やチャネルの増加
  • ・初回購入済みユーザー向けの限定特典や優遇
  • ・初回購入済みユーザー向けの動線設計

上記4つの施策について、以下で解説します。

フォローメール・ステップメールによるリピート促進

フォローメールやステップメールは、新規顧客へのフォローや休眠ユーザーの掘り起こしなどに効果的な施策です。
フォローメールを配信することで、F2転換を図るだけでなく新規顧客に対して丁寧なショップであるという印象を与えることもできます。
 
また、ステップメールでは、購入日・申し込み日などを起点に、1週間後に利用の感想を聞いたり、1ヶ月後に関連商品を提案したりと、想定されるユーザーの状況に合わせてメールを配信することができます。購入意欲が高まるであろうタイミングにメールを配信することで、F2転換を図ることができます。
 
フォローメールやステップメールのほかにも、季節・イベントごとの商品案内や関連商品の紹介、商品のメンテナンス情報など、メールの用途はさまざまです。メールで定期的に接触して顧客との関係性を築き、ショップを再度利用したくなるような情報を届けましょう。

SNSによる接触頻度やチャネルの増加

初回購入時にSNSのフォローを促すのも、F2転換施策のひとつです。SNSをフォローしてもらうことで初回購入者との接点が増え、2回目の購入につながりやすくなります。商品と一緒にSNSアカウントのQRコード(株式会社デンソーウェーブの登録商標)を同梱するなど、ショップのSNSアカウントの存在をアピールしましょう。「SNSフォローでクーポン配布」といったキャンペーンの実施も効果的です。
 
フォローメールやステップメールでは顧客ごとにより訴求力の高い商品を案内するケースが多いですが、SNSはフォロワー全員に同じ情報を届けるツールです。そのため、想定していなかった購入商品の関連性に気づく機会にもなります。
 
例えば、「商品Aを購入している人は商品Bを購入するケースが多いと思っていたが、実は商品Cを選んでいる人が多かった」と気付けるかもしれません。SNSの活用によって新たな購買傾向が把握できれば、ステップメールや特典など他の施策に反映させることも可能です。

初回購入済みユーザー向けの限定特典や優遇

2回目の購入意欲を高めるために、初回購入済みユーザー向けの限定特典や優遇を用意するのも効果的です。例えば、初回購入商品に関連する商品のクーポン配布やプレゼントなどの優待案内を行うと、同じ商品のリピート購入や関連商品の購入につながりやすくなります。初回の購入量によって、お得な定期購入プランや詰替え用商品を案内するのも有効な施策のひとつです。
 
このような特典や優遇、関連商品の案内は、「次も買いたい」という気持ちを促すための工夫が求められます。同じ商品を購入した顧客の購買傾向を確認しながら、より効果的な特典や優遇を検討しましょう。

初回購入済みユーザー向けの動線設計

商品の案内やクーポンの配布で購買意欲を高める施策に加えて、再購入までの動線を整えてリピート購入のハードルを下げる施策の実施も大切です。具体的には、以下のような施策が挙げられます。

  • ・購入済み商品の場合は直接入力フォームや購入ボタンのあるページに遷移させる
  • ・ログインせずに購入できる仕組みを用意する
  • ・初回購入時の決済情報をデフォルトに設定する

これらは2回目に購入する際のユーザーの手間を減らし、リピート購入を促進する効果が期待できます。商品自体に満足していても、リピート購入までのステップに手間を感じると離脱の原因となるため、リピート購入の動線設計にも取り組みましょう。

F2転換施策が上手く行かないときは

F2転換施策の成果が思うように出ていないときは、以下の対応が必要です。

  • ・初回購入者へのフォロー内容を見直す
  • ・購入前からの顧客体験全体を見直す
  • ・広告と商品のギャップを埋める

それぞれの対策について、以下で解説します。

初回購入者へのフォロー内容を見直す

はじめに見直すべきなのは、本当に初回購入者に適切なフォローが実施できているのかどうかです。効果があると思っている施策が、実は離脱の原因となっている可能性もあります。フォローのタイミング・内容・頻度などを見直し、必要に応じて改善しましょう。
 
例えば、リピート購入を促すために関連商品の案内やクーポンを送る場合、頻度が高すぎると逆効果になるおそれがあります。コマーシャル色が強すぎると、せっかく獲得した新規顧客からの印象が悪くなることがあるため、特に広告の内容・頻度の見直しは大切です。

購入前からの顧客体験全体を見直す

F2転換施策は購入後の対応を重視しがちですが、購入前からの顧客体験全体を見直すことも重要です。購入前や初回購入時によりよい顧客体験を提供できればECサイトへの印象が良くなり、継続利用につながりやすくなります。リピートしたくなるような魅力的な情報を、購入前にアピールしておくのも効果的です。
 
また、新規顧客を獲得することを重視して、初回購入者だけを想定した文言を使用しすぎているケースがありますが、これはF2転換を妨げる原因になります。例えば「初回購入時は30%OFF」といった初回の安さだけをアピールしていると、初回の購入で終わってしまうおそれがあるため注意しましょう。

広告と商品のギャップを埋める

広告と商品の品質・効果にギャップがあると、F2転換は期待できません。広告でイメージした品質や効果よりも劣る商品が届いた場合、ほとんどの人は期待はずれだと感じてリピート購入はしないでしょう。
 
広告で商品の魅力を伝えることは大切ですが、商品の内容に見合った文言・画像を使って、広告と商品のギャップが大きくならないよう注意してください。

F2転換施策の成功事例

最後に、F2転換施策の実際の成功例を2つ紹介します。施策内容を検討するときの参考にしてください。

印象に残るDM施策でF2転換率4.6%UP

あるコスメブランドでは、オンラインショップの初回購入者に向けて印象に残るDMを送付し、F2転換率を4.6%アップさせることに成功しました。
 
ブランドの最高峰を体験できる商品サンプルを、あえて購入商品に同梱せず別便で送付することで、顧客の印象に残るよう工夫しています。美しい状態で届けられるように、郵送テストを繰り返して箱の強度にもこだわりました。
 
その結果、F2転換率のアップだけでなく、2回目購入時にはワンランク上の商品を選択するアップセルにも成功しています。

フォーム入力改善でF2転換率70%以上に

ある社会貢献型ECサイトでは、Amazon Payを導入することで、F2転換率70%以上を実現しました。
 
Amazon Payは、Amazonアカウントを使った決済サービスで、購入時の決済方法の入力を簡略化することができます。入力が簡略化されることで、2回目購入でも発生する入力フォームでの離脱を削減することに成功しました。
 
また、Amazon Payで商品を購入すると、一部の商品ジャンルを除いて、Amazonマーケットプレイス保証の対象になります。これはユーザーの安心材料になり、ユーザーがこのサイトで購入する理由のひとつになります。

ステップメールでF2転換率を約1.7倍に

あるアパレルブランドでは、ステップメールで関連商品をおすすめすることで、F2転換率を約1.7倍に改善しました。
 
ステップメールの配信は、初回購入からの経過日数別に、おすすめする関連商品を紹介するものでした。また、おすすめする関連商品は、シーケンシャルパターンに基づいた商品としました。
 
シーケンシャルパターンとは、「商品Aを初回購入したユーザーは、次にBを購入する傾向にある」などの購買順序パターンのことを指します。
 
シーケンシャルパターンを意識してメール配信することで、顧客が求める情報を必要なタイミングで配信できるようになり、F2転換率が改善しました。

まとめ

F2転換とは通信販売でユーザーが2回目の購入を行うことで、2回目の購入を促すための施策をF2転換施策といいます。リピート率の向上や広告費の回収が目指せるF2転換は、マーケティングにおいて非常に重要です。
 
F2転換施策にはさまざまなものがありますが、どのような施策においてもアプローチするタイミングと訴求内容を適切にすることが成功のポイントです。F2転換施策の効果が低いと感じたら、購入後の対応だけでなく初回購入前からの顧客体験や広告の内容も見直してみてください。
 
今回紹介した2つの事例のように、顧客に感動を与えてエンゲージメントを高める施策や、購入時の手間を減らして購入ハードルを下げる施策は、高い効果が期待できます。ぜひ、今後の取り組みの参考にしてください。
 
ECでF2転換率の改善を図る際は、ECカートシステム「侍カート」の活用がおすすめです。
 
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代表的な例を挙げると、F2転換を推進する以下のような機能があります。

  • ・同梱物管理
  • ・メルマガ配信
  • ・(定期購入回数別)多段階価格設定
  • ・注文回数縛り設定
  • ・アンケート機能
  • ・クーポン機能
  • ・アップセル表示機能

「クーポン機能」を使えば、初回購入者向けに2回目購入用のクーポンを発行することでF2転換率の改善が見込めます。「ステップメール機能」も搭載しているため、ユーザーの購入意欲が高まるタイミングでF2転換するためのメールを自動配信することもできます。
 
さらに、侍カートはAmazon Payにも対応しており、この記事で紹介したF2転換施策の多くを実行することができます。
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また、F2転換率を改善したい方におすすめなのがCRM/MAツール「MOTENASU」です。MOTENASUは、F2転換施策の効果を高めたり、分析したりする機能が充実しています。
 
その一例が「RFM分析機能」です。RFM分析とは、「最新購入日・購入回数・累計勾配金額」を分析することです。これらを分析することで、初回購入者が2回目購入する可能性の高いタイミングを割り出し、そのタイミングを狙ってアプローチする手助けになります。RFM分析で割り出したタイミングに沿ってステップメール配信をすることで、F2転換率の改善が見込めます。
 
さらに、MOTENASUは単純なステップメールだけではなく、お客様の属性や購入履歴によって最適なメールを自動配信するシナリオ配信も可能なため、配信分析・改善を繰り返して、より効果的なF2転換施策の実行をサポートします。
 
また、多様なチャネルでの顧客アプローチに対応しており、メールのほかLINEやSMS、DMにも対応しています。そのため、初回購入者に対するF2転換施策を、オンラインとオフラインを横断して展開できるのも特徴の1つです。
 
定期通販・サブスクのF2転換率アップに取り組まれているご担当者様は、ぜひ導入をご検討ください。
 

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