MAにAIが搭載されると何ができるのか?従来のMAとの違いや成功事例についても解説!
近年AI技術の急速な発展により、ビジネスの現場で幅広くAIが活用されるようになりました。MAもその一つであり、AI搭載型のMAツールが登場しています。
AIが搭載されたMAツールでは、従来のMAツールよりも業務の自動化を幅広く、高精度に実施可能です。
本記事では、MAツールにAIが搭載されることで具体的にどのようなことができるのかや、通常のMAツールとの違い、AIを活用したMAの企業事例などについて解説します。
この記事を読むことで、最新のMA情勢が掴めるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
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そもそもAIとは?
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AI(人工知能:Artificial Intelligence)とは、読み込んだデータを解析することで、人間の代わりに知的な判断を下す技術のことを指します。
具体的には、インプットしたデータを高度に分析したり、分析した結果分かったことを提示したりします。
AIはあくまでも与えられたデータに基づいて、高度な処理を実行するため、データが無ければその役目を果たすことができません。
しかし、十分なデータを読み込ませることで、機械学習や深層学習がその真価を発揮し、人間が分析・学習するよりも、はるかに速く高品質に分析や学習をできるようになります。
AIのこうした性質を活かして、より高度なMA(Marketing Automation:マーケティングの自動化)を実現するため、近年MAツールにおいてもAIが搭載されたものが各社からリリースされ始めています。 -
通常のMAとAI搭載型のMAは何が違うのか?
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通常のMAツールとAI搭載型のMAツールの大きな違いは、示唆だし(サジェスチョン)の有無と、購入などの確率のスコアリングの有無にあります。
示唆だし(サジェスチョン)とは平たくいえば、顧客の過去の購買・行動履歴をもとに、一人ひとりの顧客が次にどのようなアクションを取りそうなのか、どのようなアプローチをすると反応が得られそうなのかなどを提示してくれる機能です。
例えば、「F2転換率」(新規顧客が2回目の購入をする確率)に関してAIに示唆だしをしてもらうとしましょう。
AIは、分析した過去の顧客データをもとに、数ある要素のなかでも「購入目的」「商品カテゴリ」がF2転換率に強く影響することを見つけ出します。
そして、「購入目的×商品カテゴリのセグメント別に打ち手を出し分けることで、F2転換率が高まります」といった具合にAIが施策の立案をおこなってくれるのです。
購入などの確率のスコアリングとは、過去の顧客データをもとにAIが、どの顧客にどのようなアプローチをしたら何%の確率で購入に至るのか、どの時間に架電(電話)をしたら何%の確率で応答があるのかなどを提示してくれる機能です。
通常のMAツールでも分析機能やスコアリング機能はあります。しかし、分析だけで終わらず施策の立案までしてくれたり、ただ顧客のスコアリングをするだけでなく、顧客別・アプローチ方法別に購入確率のスコアリングまでしてくれたりすることはありません。
AI搭載型のMAツールでは、解析した顧客データをもとに顧客を見込み客、優良顧客、休眠顧客などに自動で振り分け、リストアップすることもできます。 -
MAにAIが搭載されるとできる4つのこと
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今回は、AI搭載型のMAツールで実現できることのなかでも、特にキャッチーなものをピックアップしました。
- ・顧客のデータを深く分析できる
- ・F2転換率・LTVを予測できる
- ・画像データを解析できる
- ・最適なクリエイティブを導き出せる
なお、AI搭載型のMAツールでできることはツールごとに大きく異なるため、今回ご紹介する内容がすべてのツールに当てはまるわけではありません。
また、顧客との良好な関係の構築を目指す「CRM(顧客関係管理)」と、マーケティング工程や施策の自動化を狙う「MA(マーケティングオートメーション)」は、概念としては別物ですが、ツールとしての機能はほとんど共通しています。
そのため、「AI搭載型のMAツール=AI搭載型のCRM/MAツール」と捉えておくことで、混乱を避けられるでしょう。⒈ 顧客のデータを深く分析できる
AI搭載型のMAツールを活用することで、顧客のデータをより深く分析することが可能です。
具体的には、顧客の過去の購買履歴や行動履歴に基づいて、顧客ごとの購買傾向の詳細や最適なオファー、実際にアプローチした際の購買確率(%)などを分析・スコアリングしてくれます。
また、分析したデータに基づいて、どのようなアプローチをすれば良いのかをAIが提案してくれます。
例えば、過去の架電履歴に基づいて、顧客ごとにどの曜日のどの時間に電話をかけると反応が良くて、その際にはどのオファーを提案すると購買に至りやすいのかを提案してくれるのです。顧客 最適な架電タイミングTOP3 最適なオファーTOP3 時間 曜日 応答率 オファー 購買率 顧客A 15時 月曜日 90% B商品 87% 17時 水曜日 81% 特典付き商品 83% 16時 土曜日 76% キャンペーン情報 75% 顧客B 17時 土曜日 91% D商品 91% 15時 日曜日 89% お試しセット 84% 20時 月曜日 83% A商品 80%
分析・スコアリングの方法は多岐に渡り、顧客別に次のようなリストを作成してもらうことも可能です。
顧客 商品ごとの購入確率 商品A 商品B 商品C 商品D A 3% 11% 13% 6% B 12% 23% 22% 4% C 24% 9% 25% 23% D 2% 5% 10% 15% … … … … … Z 31% 12% 14% 10%
そして、購入確率の高低でランキングを付けて、一番購入確率・購入見込みが高い対象者のみをリストで抽出し、優先順位高くアプローチすべき顧客をリストアップしてもらうこともできます。
こうした高精度の分析・スコアリングにより、顧客一人ひとりに精度の高いアプローチを実施できるのはもちろんのこと、AIによる分析やリストの自動生成によって、マーケティング担当者の負担を大きく減らすことも可能です。⒉ F2転換率・LTVを予測できる
AI搭載型のMAツールを活用することで、F2転換率・LTVの予測をすることもできます。
F2転換率とは、顧客が自社で初めて商品やサービスを購入した後に2回目に購入に至る確率を指します。LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)は、1人の顧客が一定期間内に自社の商品やサービスをどのくらい購入・利用したのかを表す指標です。
顧客一人ひとりの、商品の購入目的、購入金額などの「購入情報」や、メルマガ開封の有無、サイト滞在時間といった「行動情報」を分析して、各顧客のF2転換率やLTVをスコアリングしてくれます。
こうした仕組みに基づき、F2転換率だけでなくF3やF4の転換率の予測や、数ヶ月~数年先のLTVの予測が可能です。
F2転換率 F3転換率 LTV(円) 顧客A 82% 70% 455,000 顧客B 76% 63% 256,000 顧客C 73% 61% 179,000 顧客D 63% 49% 124,000 F2転換率やLTVを把握することで、どの顧客がより多くの利益を自社にもたらし、どの顧客が自社にあまり利益をもたらさないのかが明確になります。
そして、転換率やLTVが高い顧客には積極的にコストを費やして販促を実施し、転換率やLTVが低い顧客には販促コストを抑えて予算の無駄遣いを減らす、といったアプローチができるようになります。これにより、確度の高い顧客の取りこぼしを防げるとともに、販促コストの最適化を実現可能です。
また、顧客全体のF2転換率やLTVを分析することで、「自社の顧客は〇回目以上の購入に進みづらい傾向がある」「業界平均と比べてLTVが〇%低い」といった自社の特徴が掴めるようになり、今後の自社の商品展開や販促施策に役立てることもできるでしょう。⒊ 画像データを解析できる
AI搭載型のMAツールでは、画像データを解析することも可能です。
深層学習が搭載されたAIであれば、テキストだけでなく画像も解析ができます。AIが各顧客の購入した商品画像を解析することで、顧客全体や顧客一人ひとりのデザイン面の購買傾向を掴めます。
これにより、「自社の顧客は、派手な配色でデカいフォントよりも、控えめな配色の小さいフォントの商品パッケージの方が売れる」「Aさんは淡い色のデザインが好み」といったことが把握できるようになります。
その結果、自社顧客の特徴に合わせた商品パッケージ制作や、デザイン面を考慮した商品レコメンドをできるようになるのです。⒋ 最適なクリエイティブを導き出せる
AI搭載型のMAツールでは、AIによるクリエイティブの自動生成およびA/Bテストの自動実施により、最も効果のあるクリエイティブを導き出すことも可能です。
画像、タイトル、本文といったパーツを用意し、AIにクリエイティブ生成の指示を出します。すると、AIがそれぞれのパーツをさまざまな組み合わせにしながらテスト出稿をします。
そして、生成した各クリエイティブのCT、 CTR、 CVといった各種指標のスコアを算出し、比較します。
こうした要領でクリエイティブの自動生成とA/Bテストの自動実施をすることで、クライアントが重視するKPIにおいて、特に効果の高いクリエイティブを複数案リストアップしてくれるのです。
人力で実施すれば多大な工数や時間を費やす必要のあるA/Bテストを、24時間365日休むことなく繰り返し実践し、大幅なコストカットを実現できるのが、AI搭載型のMAツールです。 -
AI搭載型のMAの成功事例
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AI搭載型のMAツールの活用の一例として、グローバルカーライフテックカンパニーcars 株式会社が提供する、自動車の整備業向けのマーケティングオートメーション「cars MANAGER」の事例をご紹介しましょう。
今回は自動車業界(BtoB)のツール活用例ですが、MAツールは自動車業界以外にも、アパレル業界や食品業界をはじめとした多種多様な業界で活用されています。また、MAツールは、BtoBだけでなくBtoCでも幅広く導入されているものです。
同ツールは、人とクルマのカーライフに関するデータを収集・解析することにAIを活用しました。そして、自動車業界の「経営支援」「複業支援」「集客支援」をおこなっています。- ・経営支援:見える化&予実管理、経営アシストなど
- ・集客支援:新規&リピート顧客マーケティングなど
- ・復業支援:車販・整備・保険など
ここでは、一例として経営支援に焦点を当ててみましょう。経営支援の「目標設定」機能では、解析した業務データから最適なKPI目標をAIが自動算出してくれます。また、「予実管理」機能では、解析した業務データに基づいて、自社の経営状況やKPIの進捗をAIに自動で可視化してもらうことも可能です。
このAI搭載型のMAツールを活用した結果、リピーター顧客を30%増加させたり、アポイント当日のすっぼかしを0にしたりした実績があるようです。このように、AI搭載型のMAツールの種類は幅広く、各社がさまざまな機能を備えたツールを提供しています。
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まとめ
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ここまでAI搭載型のMAツールの利点などについてご紹介してきましたが、もちろん、AIが搭載されていなくても、高性能なMAツールであれば十分に成果を出すことが可能です。
最後に、高性能なCRM/MAツールの一例として、当社が提供するCRM/MAツール「MOTENASU」をご紹介します。次のような特徴を持つMOTENASUでは、効率的で効果的なMA施策を実施可能です。- ・詳細な顧客情報を管理できる
- ・高精度なシナリオ配信ができる
- ・他のチャネルとの連携強化により多角的なアプローチができる
- ・顧客別にスコアリングができる
MOTENASUでは、購入金額や購入製品、購入店舗、カート履歴などの各顧客の詳細な顧客情報を管理できます。
そして、こうしたきめ細やかな顧客情報を活用することで、顧客一人ひとりの特徴に合わせたシナリオを自動で配信することが可能です。
例えば、「1回の買い物の購入金額が3万円以上の顧客に、特別なキャンペーンの告知/クーポンの送付」や、「3ヶ月以上アクションのない休眠顧客にのみ、有効期限が3日の20%OFFクーポンを配信」といったシナリオを配信できます。
また、MOTENASUでは、メール、SMS、郵送DM、LINEなどの複数の配信メディアを一元管理することも可能です。この機能を活用すれば、「LINEにメッセージを送ったものの開封されなかった人にのみ、郵送DMで新商品のプロモーションを送付」といった、顧客の状態に合わせたきめ細やかなアプローチを実施可能です。
さらにMOTENASUでは、顧客のデータに基づいて顧客のスコアリングも可能です。例えば会員登録は5点、メルマガ開封は7点、商品購入は30点といった具合に、顧客の行動に基づいて顧客をスコアリングできます。これにより、自社への関心が高い顧客、低い顧客を分類でき、優先的にアプローチすべき顧客を掴めるようになります。
ぜひともCRM/MAツール「MOTENASU」の導入をご検討ください。
また、MOTENASUにもAI機能をリリース予定です。詳細につきましてはお問い合わせください。
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