リピート通販でLTVを重視すべき理由と各種マーケティングで向上させる際のポイント

リピート通販は「初回購入」「継続的な購入」の両方が安定しなければ、利益や売上も安定しません。現実問題として、初回購入がなければ継続購入もないという単純な話でもあります。

 

リピート通販ではLTVを意識したマーケティングを行うことで、初回購入を増やし、かつ継続購入につながり、利益や売上が安定し、継続的にEC事業を運営できるようになるでしょう。

 

今回はリピート通販でLTVを重視すべき理由、LTVの向上を意識したマーケティングを行う際のポイント、そして実際にマーケティングを行う際の課題とその解決策についてお話しします。

リピート通販でLTVを重視すべき理由

はじめにリピート通販でLTVを重視すべき理由について解説します。

リピート通販とは何か

リピート通販とは、同じ商品を長い期間継続的に購入してもらうことを指します。定期購入やサブスクリプションも同じようなものです。
 
リピート通販のメリットは、商品を継続的に購入してもらえるため、利益や売上が安定しやすいことです。例えば生活必需品で消耗品のようなものであれば、消費したり、使い切ったりしてしまえば、再度購入する必要があります。その他にもサプリメントや化粧品のような嗜好品においてもリピート通販は向いており、使い続けるもの、飲み続けるようなものであれば中長期的に収益を得られるというビジネスモデルと言えるでしょう。
 
リピート通販のデメリットは、定期購入の解約や継続購入の停止をされないように対策し続けなければならない点です。同時に例えば初回購入は無料、もしくは格安にしている場合などにおいて、初回で気に入ってもらえなければ赤字になり続けてしまうことも挙げられます。
 
ただし、基本的には定期的に購入したくなるような商品、または定期的に購入しなければならない商品を取り扱うのが前提であるため、デメリットがメリットを上回るようなことはあまりありません。

LTVとは何か

LTVとは、「Life Time Value:ライフ タイム バリュー」の略称であり、生涯価値、もしくは顧客生涯価値という意味を持ちます。

  • ・平均購入単価
  • ・収益率(粗利率)
  • ・平均購入頻度(回/年)
  • ・継続期間(年単位)

 
LTVの計算式はいくつかありますが、代表的なものは上記4つの項目を掛け合わせた数字になります。計算した数値を増やしていくことがLTVの向上であり、下がってしまうと利益が出ない悪循環に陥ってしまうということです。

  • ・新規顧客獲得のためのコスト
  • ・既存の顧客を維持するためのコスト

先ほどのLTVの計算式の結果から、上記2つのコストを引くと本質的な利益の数字が出てきます。この数字がマイナスになってしまうと言うことは「赤字」ということです。逆にこの数字が右肩上にプラスになれば、安定して事業を継続することができる健全な状況と言えるでしょう。

リピート通販におけるLTVの役割や考え方

リピート通販は、基本的には同じ商品を取り扱うため、生産や販売のコストを低くできます。言い換えれば収益率:粗利率を高くできるということです。
 
そしてLTVの役割や考え方をリピート通販に当てはめて考えてみると、残るは平均購入単価と平均購入頻度、継続期間を伸ばしていけば着実にLTVの数値は上がっていきます。LTVの数値が上がっていくということは、新規顧客獲得のためのコストと、既存の顧客を維持するためのコストに投資できるということでもあり、順調にいけば新規顧客が獲得できて、継続購入の顧客も維持できるという健全な経営状態を維持できるということです。
 
逆説的に新規顧客獲得ができない、継続的に購入している顧客が増えないという状況ですとリピート通販の運営維持は非常に難しくなってしまいます。

特に単品のリピート通販にはLTVを意識した新規顧客獲得が必須

特定の商品に照準を合わせた単品のリピート通販の場合、LTVを意識した新規顧客獲得が欠かせません。LTVを意識してコストを試算すれば、広告やマーケティングに投資ができて、かつ初回購入の商品価格を安くすることができるからです。
 
よく見る広告手法の一例として「通常価格5000円の商品が初回購入のみ1000円で購入可能」のような形を実現しているのも継続的に購入してくれる顧客が存在していること、LTVの数字が高いことの両方を維持できているのが理由と言えるでしょう。
 
もちろん、魅力的で継続購入したいと思わせる商品、継続購入しなければならない商品を取り扱う必要がありますが、気に入ってもらえれば同じものを使い続けてもらえる可能性が高いため、まずは新規顧客獲得を最優先にしているという手法と言えます。

継続率のアップと休眠顧客の掘り起こしにも役立つ

LTVを重視してマーケティング施策を行うことで、新規顧客獲得だけでなく、継続率のアップや休眠顧客の掘り起こしにも積極的に投資できるようになります。もちろん、二重価格や優良誤認のような手法はタブーですが、継続的に購入するとお得、久々に購入するとお得といったような形で、顧客にとってお得感のある手法を試せるようになるということです。
 
現実問題として、新規顧客獲得よりも継続購入や休眠顧客の掘り起こしの方がコストが安く済むこと、既に登録された情報から簡単に購入してもらえる可能性は高くなります。リピート通販における新規顧客獲得と継続顧客の獲得の両方が実現するためにも、LTVの考え方を重視した事業の運営や各種ポストへの積極的な投資は必要不可欠といえるでしょう。

LTVの向上を意識したマーケティングを行う際のポイント

次にリピート通販でLTVの向上を意識したマーケティングを行う際のポイントついて解説します。

初回購入を増やすためのマーケティングの場合

「通常価格5000円の商品が初回購入のみ1000円で購入可能」と前述しましたが、継続購入の分母となる顧客は増える可能性は高められるものの「平均購入単価は大幅に下がるというリスク」があるのも事実です。
 
平均購入単価が下がるとLTVが低下するということを前提として、初回購入を増やすためのマーケティング施策や具体的な金額を考えましょう。同時に商品の価値を高めることで大幅な値下げを行わない、商品の価値を理解してもらうなどブランディングに注力するのもおすすめです。

継続購入によるクーポンやポイント配布の場合

継続購入によるクーポンやポイント配布の場合も同様であり、平均購入単価が下がりすぎないようにすること、同時に購入してもらえる可能性が高いクーポンやポイントの金額を考えましょう。
 
ポイントのパーセンテージに悩む場合は各種クレジットカードや各種電子マネーによる決済で付与されるポイントをチェックし、どのようなパーセンテージか見てみると良いでしょう。
 
クーポンの配布についても同様であり、あまりにクーポンの内容が良すぎると逆に定価で買ってもらえなくなる可能性もあります。お得感を最大限にしながら、平均購入単価が下がらない試算をしっかりと行なってください。

定期購入や継続購入の前払いを前提とした割引

定期購入や継続購入の前払いを前提とした割引を行うマーケティングの場合においても、平均購入単価をしっかりと意識しましょう。ただし、安定的に購入回数が増えることを考えるとLTVが向上するのは間違いないので、積極的に広告やアプローチすることは問題ありません。
 
前払いを前提とした割引の参考になるのは、サブスクリプション型のサービスの価格設定です。月額だといくら、年額だといくらということが明確に示されているので、どの程度のパーセンテージで割引してるのかチェックしてみてください。

一定期間未購入の顧客に対するクーポンの配布

一定期間未購入の顧客とは休眠顧客を意味します。大切なのは休眠顧客になるまでに何回購入したのか、合計の購入金額はどの位だったのかなどで細かくセグメント分けすることです。元々は優良顧客だったのに急に購入が途絶えたケースと、初回購入で止まっているケース、10回までで止まっているケースなど細かく分けてクーポンの配布や期間限定ポイントのプレゼントなどを行っても良いかもしれません。
 
同様に他のセグメントに対するマーケティングにおいても、顧客単位やセグメント単位でLTVを算出し、その中で予算のやりくりをするという考え方を持っても良いでしょう。

購入回数や購入金額に応じたランクの付与とポイント率のアップ

ランクの付与とは、例えば高いランクになると付与されるポイント率がアップ、ポイント率がアップしたからもっと購入したいと購買意欲を高めるマーケティング手法を意味します。現実問題として優良顧客として気に入ってくれたファンやリピーターは購入すること自体にはすでに抵抗はありません。
 
他の商品に乗り換えるという選択肢を選ばれないようにするためにも、続けて購入していた方がお得だと考えてもらうこと、ブランドやメーカーとして特別な存在で大切な顧客であると理解してもらえることが重要だと覚えておきましょう。

LTVの向上を意識したマーケティングを行う際の課題と解決策

次にLTVの向上を意識したマーケティングを行う際の課題と解決策について解説します。

顧客情報の管理と分析が難しい→CRMツールを導入

リピート通販でそれなりの顧客数になってくると、顧客情報の管理と分析が難しくなります。その場合はCRMツールを導入し、顧客関係管理に関する事務処理をシステム的に行うことで解決できます。
 
特にリピート通販でLTVを意識したマーケティングを行う際、大雑把なセグメント分けでは効果が出にくいことがあります。極端なことを言えば既に何回も購入している顧客に対して、初回購入や2回目の購入のお客と同じようなメッセージを行うことは不適切ですし、ネガティブな印象を与えるおそれもあります。
 
CRMツールであれば蓄積された情報を整理しやすく、細かくセグメント分けできるので大変おすすめです。

セグメントごとにメッセージを振り分けて送るのが難しい→MAツールを導入

CRMツールによってセグメント分けしたものの、セグメントごとにメッセージを振り分けて送るのはとても難しく、手間も時間もかかります。その場合はMAツールを導入し、メッセージの送信を自動化してしまいましょう。
 
考え方としては手動や人力で対応しないようにすることです。何百件何千件ものメッセージを送りたい場合は、適切なツールを利用しシステム的に処理するものだと覚えておいてください。

リソースが足りずマーケティングできない→CRMツールとMAツールを併用

そもそも、リソースが足りずにマーケティングできない場合もあるでしょう。そんな時はCRMツールとMAツールを併用することで解決できます。
 
CRMツールとMAツールを組み合わせたツールであれば、セグメント分け自体も自動化されますし、作成したシナリオやステップに合わせてメッセージを送ることも簡単になります。

メール配信をしているが効果が薄い→複数の連絡手段に対応したツールを選ぶ

基本的にメールアドレスはほとんどの人が登録してくれるため配信しやすい連絡手段ではありますが、メール配信だけですと反応が薄く、効果が出にくい、そもそも見てもらえないということもあります。その場合はメールだけでなく、LINEやSMS、ダイレクトメールなど複数の連絡手段に対応したツールを選ぶことをおすすめします。
 
メールを見てくれない人にはLINEのトークを送る、LINEのトークを見てくれない人はSMSを送る、どれも見てくれない人はダイレクトメールを送付するなど、見てもらえるように段階的にアプローチすることができると尚良いでしょう。

効果検証と改善をしたい→データの蓄積や分析がしやすいツールを選ぶ

LTVの向上には、実践したマーケティング手法の効果検証と改善が必要不可欠ですが、効果検証し改善するためのデータの蓄積や分析は非常に大変です。その場合はCRMツールやMAツールを選定する段階でデータの蓄積や分析機能が備わっているかしっかりとチェックした上で導入しましょう。
 
リピート通販であり、商品の数が少ないからといってエクセルのような表計算ソフトで対応しようとしてはいけません。専用のツールを利用した方が効率的ですし、無駄な時間や労力の浪費を防ぐことにもつながります。

CRM/MAツールの「MOTENASU」なら多角的なマーケティングの実現が可能

「LTVが重要なことは分かったが、どのようなツールを導入すれば良いかわからない」という場合はCRM/MAツールの「MOTENASU(モテナス)」をおすすめします。
 
MOTENASUには、チャネル別、施策別にメール等の開封率やクリック率を集計できる「配信分析」のほか、購買行動・購買履歴から優良顧客や離脱を判別する「RFM分析」、ECにおける「定期継続分析」「LTV分析」など高度な分析機能を実装しています。
 
測定コードを発行し、流入経路別/広告媒体別の計測・分析を行うことが可能です。
広告運用を委託する代理店ごとに独自の管理画面を設定することもできますので、アフィリエイト運用の場合はASP管理画面なしでその画面から直接請求額を管理することもできます。
リスティング広告であればキーワードごとの計測・分析も可能なので効果的・効率的な運用を行うことができます。
 
さらに、LTVを向上させるための顧客へのアプローチについても、単純なステップ配信だけではなく、条件によって配信対象を絞り込み、お客様の行動に合わせたタイミングでの自動配信など、自在に配信シナリオを設定が可能。配信対象に合わせた、よりパーソナルで必要性に応じた効果的・効率的な訴求を行うことでLTV向上へ貢献できます。

  • ・自動でセグメント分けして、シナリオに沿って自動でメッセージ送信
  • ・購入回数や購入金額だけでなく、複数の条件で細かなセグメント分けが可能
  • ・優良顧客との関係を維持するためのランク付与や個別の特別ページの設置も簡単
  • ・定期購入をキャンセルした顧客へのアプローチや休眠顧客の掘り起こしもしやすい
  • ・LINE、SMS、メール、ダイレクトメールに条件に合わせてメッセージ送信

上記はMOTENASUで実現可能な多角的なマーケティングの一例です。同時に顧客情報を自動で取得しクラウド上で一元管理が可能であり、マーケティングが自動化されるため時間や労力の負担も大幅に軽減されるため、さらにLTVを向上させるためにリソースを振り分けることができます。
 
分析やレポート機能にも優れており、商品別、流入元別にLTVを自動計算する「LTV分析」機能をはじめ効果検証や改善のための機能も充実しているため、よりLTVを向上させやすいマーケティング手法を追求し続けることが可能です。
 
「LTV向上に向けたマーケティングを自動化によって最適化したい」とお考えであれば、ぜひともCRM/MAツール「MOTENASU」の導入をご検討ください。

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