DMの効果測定方法と反応率・CV率・購入率を高める方法について

オフラインにおけるDM(ダイレクトメール)とは、個人宛のはがきやチラシを宣伝目的で郵送するマーケティング施策です。オンラインに比べ開封率が高く、行動喚起にも効果的なDMですが、郵送コストがかかるため非効率に見られる施策でもあります。

 

しかし、適切な効果測定を行えば、コストを削減しながら高い効果が期待できる施策となります。この記事では、DMに効果測定が必要な理由や把握するべき指標、効果測定を行う方法やDMの効果を高める方法について詳しく解説します。

DM(ダイレクトメール)に効果測定が必要な理由

DMは開封率・閲読率の高いマーケティング施策ですが、効果を最大限発揮するには効果測定が必須です。効果測定を行い適切なPDCAを回すことで、以下のような効果が期待できます。

  • ・費用対効果が高まる
  • ・コストを削減できる
  • ・顧客の獲得や優良顧客への引き上げが期待できる(リピート購入を繰り返す顧客の増加)

 
効果測定のデータをDMに反映させることで、費用対効果やリストの質が高まります。その結果コストが低下する他、顧客の獲得や優良顧客への引き上げに繋っていきます。

費用対効果の高いセグメント・郵送パターンを蓄積するため

効果測定によりデータが蓄積されると、無駄のない効果的なDM郵送が可能です。セグメント化と郵送パターン、それぞれの重要性を解説します。
 
DM郵送でのセグメントとは「顧客属性で分けた区分」のことを指します。例えば年齢では「20代」「30代」のようにセグメント化が可能です。セグメント別にDMの開封率やレスポンス率(反響率)のデータを蓄積することで、どの年齢が良いのか把握できます。他にも以下のようなセグメントが考えられるでしょう。
 

  • ・見込み客・既存客
  • ・エリア
  • ・職種

 
適切なセグメントの方法は業種により異なるため、自社に合ったセグメント化を行うことが大切です。
 
DMの郵送パターンには「いつ送るのか」「どのタイプで送るのか」という2つの要素があります。DMは郵送タイミングにより効果が変動するマーケティング施策です。例えば、1週間で使い切る化粧品のお試しセットを受注した場合、1ヶ月後に定期引き上げを訴求するより「1週間後に訴求したほうが成約率は高くなる」と考えられるでしょう。
 
また、DMのタイプには「はがき(圧着含む)」や「大型の封筒(A4サイズ以上)」など複数あり、一般的には「はがきが最も開封率の高いタイプ」といわれています。
 
効果測定により無駄のないDM郵送を行い費用対効果が高められると、余った予算を他のマーケティング施策に充てられるでしょう。

DMの一斉郵送によるコスト負担を減らすため

開封・閲読率の高いDMですが、郵送リスト作成に手間がかかるため一斉郵送を繰り返してしまうケースがあります。その結果、コスト負担が大きくなり施策の継続が難しくなることもあるでしょう。このような事態を防ぐには、効果測定を行い「郵送リストの質を高める」ことが重要です。
 
質の良いリストは「ターゲットが絞られている」「情報が随時更新されている」などの特徴を持っています。ターゲットを絞るには、効果測定により「レスポンス率の良い層」を明確にしましょう。その層にターゲットを絞ると、コスト負担を抑えつつ成果を高められるでしょう。
 
また、ターゲットが絞れたとしても、情報が古くなると効果は低下していくのが一般的です。手間を惜しんでリストを更新しなければ、成約率の低い顧客へDMを送り続けることになります。効果測定をしたデータを元にリストを更新し、ターゲットのズレが出ないようにしておくことが重要です。
 
以上のようにDMの効果測定は、開封・閲読率を高められると共に「一斉郵送のコスト負担を減らすため」に必要な施策といえます。

DM郵送のポテンシャルを最大限活かすため

マーケティング活動において、DMは幅広いフェーズに対応できるチャネルといえます。その理由は、デジタルデータにはない魅力があるからです。手元へ直接届くことに加え、形状や素材、ストーリー性など独自のものを作り出せます。
 
対応できる具体的なフェーズは以下のとおりです。

  • ・見込み客から顧客への引き上げ
  • ・顧客から優良顧客への後押し(リピート購入を繰り返す顧客)
  • ・休眠顧客・離反の防止

 
効果的なDMは、一目で興味を引いたり魅力を伝えられたりするため、見込み客から顧客への引き上げに効果的です。また、他のマーケティング施策に比べ開封率が高いため、顧客を優良顧客へ後押しする施策にも向いています。さらに、DMは手元に残るため「行動喚起」の効果も期待でき、休眠顧客の再購入や離反の防止にもなるでしょう。
 
上記のような効果があるDMですが、効果測定を疎かにすると有効性を共有できません。結果としてDM施策の優先度が下がってしまうため、適切な効果測定を行いDMのポテンシャルを最大限に活かすことが重要です。

従来のDM郵送の課題

DMを効果的に活用するには、従来のDM郵送における課題を把握しておく必要があります。なぜなら、課題を明確にしておくことで、行うべき施策が見えてくるからです。
 
従来のDMは郵送リストの作成に手間がかかるうえ、効果測定ができない課題がありました。リスト作成の手間から適切な管理ができず、顧客全体へ一斉郵送してコストが増大したり、効果測定ができないためPDCAが回せない事態に陥ったりしていました。それぞれの課題を具体的に見ていきましょう。

郵送リスト作成に手間がかかり、顧客全体に向けた一斉郵送に終始してしまう

DMは、効果測定を行いより成約率の高いターゲットへの郵送が重要ですが、従来のDMは郵送リストの作成に手間がかかり、顧客全体へ一斉郵送してしまうケースがよくありました。その理由は、現在のように自動で郵送リストをデータベース化することが難しかったからです。
 
従来郵送リストを作るときは、Excelなどにデータを都度入力するなどで対応していました。しかし、顧客情報が多いとデータを入力するだけでも大変なうえ、管理する手間や人件費においても非効率です。他にも、複数人で同時更新できないことやスマホやタブレットでの入力がしづらいなど、効率良く郵送リストを作れない状態でした。
 
DMは郵送リストの作成や適切な管理を行い、リストの質を高める必要があります。しかし従来の郵送リスト作成は「効率化が難しかったため一斉郵送に終始してしまう」という課題があったのです。

DMの効果が測定できない

高い訴求力を持つDMですが、郵送をするだけで、その後効果を測定できないことが従来のDMにおける課題となっていました。DMを見てWebサイトを閲覧したり商品を購入したりしても、データを取得できなければDMの効果を正確に計測することは難しいでしょう。そのため、大まかな売上の増加程度しか把握できず、適切な施策を打ちづらいのが従来のDMでした。
 
一方、メルマガやLINEマーケティングであれば、開封率やクリック率などを正確に測定できるため、PDCAを回しやすい施策といえます。たとえDMに比べてレスポンス率が低くても、効果測定ができれば適切なマーケティング施策により費用対効果を高められるでしょう。
 
上記のように、従来のDMはデジタルで可能な効果測定がしづらいことが弱点でした。効果が分からなければ改善が難しく、持続性の低いマーケティング施策と感じてしまうでしょう。

DMの効果測定に使う指標

DMの効果測定に使う指標は以下の5つです。  

  • 1.レスポンス率(反響率)
  • 2.コンバージョン率
  • 3.CPR(Cost Per Response)
  • 4.CPO(Cost Per Order)
  • 5.WEBページへのアクセス数/率

 
それぞれの役割や公式は以下の表をご覧ください。

指標 役割 公式
レスポンス率
(反響率)
・DMが開封され、目的となる反響があった割合
・DMの効果比較や売上予測にも活用できる
レスポンス率(%)
=レスポンス件数÷DM数✕100
コンバージョン率 ・マーケティング施策の最終的な成果のこと
・サンプルは含まず商品の購入やサービス申し込みの割合を計測する際に使う
コンバージョン率(%)
=コンバージョン件数÷DM郵送数✕100
CPR ・1件のレスポンスに費やしたコストのこと
・想定より高い場合は適切なDMでない可能性が高いため改善が必要
CPR(円)
=総DM費÷レスポンス件数
CPO ・1件の受注に費やしたコストのことを指し、顧客獲得単価とも呼ばれる
・初回購入のみカウントする
CPO(円)
= 総DM費 ÷ レスポンス件数
WEBページへのアクセス数/率 ・DMに専用URLやQRコードを掲載し、レスポンス率やコンバージョン率を計測できる
・DMからWebサイトへ誘導できる
各指標に準じた公式

※「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。  
上記の指標を理解、活用することで、従来のDMでは難しかった「効果測定」を行えます。また、DM郵送前に指標ごとの目標数値を設定し、DMの効果を正しく評価できる環境を整えることも大切です。

DMの効果測定を行う方法

DMで効果測定を行う効果的な方法の1つが「ユニークQRコードの付与」です。ユニークQRコードとは、一つひとつ異なるQRコードを印字することで、アクセスしてきた顧客情報を得られる他、顧客の属性に合わせた訴求を行えます。
 
具体的に得られる情報は以下の通りです。

  • ・どの顧客か
  • ・いつ購入したか
  • ・何回購入したか
  • ・どれくらい滞在したか
  • ・どのDMからアクセスしたか
  • ・どのページへアクセスしたか

さまざまな顧客情報が得られるため、レスポンス率やコンバージョン率などの測定が簡単に行えます。また、測定結果によりリストの調整やLP(ランディングページ)の改善、セグメントごとの施策立案など、幅広いマーケティング施策への活用が可能です。
 
さらに、得られた顧客情報からセグメント化を行い管理することで、効果の高いDM郵送やコスト削減にも繋がるでしょう。このように、ユニークQRコードの効果測定を活用し顧客分析を行うことで、従来のDMが抱えていた課題の解消が期待できます。

DMの効果を高める方法

DMの効果を高めるには、適切な顧客管理を行い効果的なマーケティング施策を実行する必要があります。そのためには、顧客の一元管理や顧客属性に適した訴求ができるCRMツールの活用が効果的です。
 
また、DMとメール配信を組み合わせると相乗効果が生まれ、DMの効果をより引き出せます。このように、オフラインとオンラインを上手に融合させると、さらにDMの効果を高められるでしょう。

CRMツールと連携する

CRMツールとは、顧客との良好な関係を築くことを目的としたツールです。具体的には、顧客の個人情報や購入履歴などを一元管理できたり、顧客属性にあったマーケティング施策の自動化ができたりします。
 
CRMと連携することで、DMから得た顧客情報の適切な管理が可能です。その結果、効果が期待できる顧客にターゲットを絞りDMを郵送できます。また、複数の施策を使い分けられるため、効率的にA/Bテストを行えるのもメリットです。例えば、同じ属性に2種類の異なる広告を郵送し、レスポンス率やコンバージョン率を測定することで、より効果の高い広告を作成できます。
 
さらに、正確な効果測定を行うために重要なLTV(Life Time Value:一定期間内に1人の顧客から得た利益を表す指標)も計測可能です。一度の施策で1人の顧客から得られる利益より、数ヵ月から数年にわたるLTVの変化を計測した方が、より正確に施策の効果測定が可能になり、DMの効果を高められるといえます。

メール配信と組み合わせる

メール配信は見込み客を顧客へ引き上げたり、既存顧客の購買意欲を高めたりなどDMと近い目的を持つマーケティング施策です。このメール配信とDMを組み合わせると「アクセス率や注文率を高める効果」があります。実際のデータで見ると、DMだけのアクセス率は「9.8%」でしたが、メール配信と組み合わせることで「14.7%」のアクセス率になっています。
 
活用方法としては、見込み顧客へキャンペーン案内のDMを郵送した後、リマインド目的でメール配信を行うなどが考えられます。メール配信は低コストで手軽に始められるマーケティング施策です。DMの効果を高めたい方はメール配信を組み合わせてみてください。
 
関連:「条件に合った方のみへの効率的なDM発送で、費用対効果を高める」

DM効果測定に「MOTENASU」を活用するメリット

MOTENASUは「特許取得の配布物発注システム」により、顧客一人ひとりに最適なDMを郵送できます。登録された顧客情報を元に、設定したタイミングでDMデータと宛先情報が自動抽出され「顧客に最適なDMを1枚から郵送できる」というシステム。ターゲットを絞り郵送できるためコストダウンにも繋がります。
 
ユーザーを最適なコンテンツへ誘導できる「ユニークQRコード」の付与もMOTENASUならではのメリット。 顧客情報を一元管理できるため、「年齢や性別などの顧客属性」「購買商品やタイミングなどのシュチエーション」により異なるコンテンツへ誘導可能です。結果的に、CV率・購買率の向上が見込めます。
 
ターゲットや用途に合わせて「DMのバリエーションが選べる」ところも特徴です。例えば以下のようなパターンがあります。

  • ・はがき2枚分の情報が入るV型圧着はがき
  • ・大判で目に留まりやすいA4判圧着はがき
  • ・返信はがき付きDM

 
QRコードからのアクセスが難しいターゲットには、返信はがき付きDMで対応できるため、デジタルとアナログを使い分けCV率・購買率向上を目指せます。
 
またMOTENASUでは、QRコードから顧客の動態データを取得し、シナリオ設計やDMの自動郵送などが行なえます。例えば、以下のようなパターンでDMの自動郵送が可能です。

  • ・商品Aを購入したユーザー
  • ・特定のWebページにアクセスしたユーザー
  • ・特定の流入元からアクセスしたユーザー

各セグメントに適切なDMを自動郵送できるため、費用対効果を高められます。

さらに各種データの統合管理・分析ができるのもMOTENASUを活用するメリットです。

  • ・会員データ
  • ・売上・受注データ
  • ・行動履歴データ
  • ・広告効果測定データ

上記データを分析し、DMはもちろんメールやLINE、SMSなど各チャネルを使い分けて効果的な配信ができます。

以上のように、MOTENASUは「一人ひとりのユーザーに最適なDMを配信できる」優れたCRMツールです。セキュリティ対策や運用までのサポートも充実しているため、顧客管理やDMの効果測定にお悩みの方はぜひ導入を検討してみてください。
 
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まとめ

開封率の高さや行動喚起ができるDMのメリットを活かすには、効果測定が必要です。適切な効果測定により、費用対効果を高めつつコスト負担を減らせます。そして、適切な効果測定を行うためには「顧客の一元管理」や「顧客に最適なDMの自動配信」ができるCRMツールの活用がおすすめです。従来のDMでは難しかった、郵送リストの作成や効果測定を自動で行ってくれます。
 
MOTENASUは「特許取得の配布物発注システム」や「ユーザーを最適なコンテンツに誘導できるユニークQRコード」など、独自の魅力を持ったCRMツールです。顧客情報の効率的な管理やDM効果の最大化を目指したい方は、お気軽にご相談ください。

 
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