失敗しないCRMシステムの選び方とは?6つのチェックポイントをご紹介

多くの業種で市場の成熟化や商品のコモディティ化が進むなか、競合との差別化は難しく、新規顧客獲得は価格競争に陥りやすくなっています。
 
しかし、価格競争になれば大きな資本を持つ企業の一人勝ちとなる可能性が高いため、中小企業や個人の事業者は新規顧客獲得に加え、既存顧客の維持に重点をおく必要があります。

既存顧客との関係を良好に保つには、いかに効率的かつ適切な顧客管理が行えるかが重要となりますが、それを可能にするのが、顧客管理をシステム化した「CRMシステム」です。
 
本記事では、既存顧客維持に欠かせないCRMシステムについて、概要を紹介したうえで、自社に合ったCRMシステム選定ポイントを解説します。

CRMシステムとは?

CRMとは、Customer Relationship Managementの略称で、顧客管理と訳されます。

そして、CRMシステムとは顧客管理をシステム活用によって効率化を図り、一人ひとりの顧客に適切なサービス、情報の提供を行えるようにするものです。

 
顧客管理で重要なポイントは、自社が持つ顧客情報のなかから特定の顧客を抽出し、いかに適切なタイミング、適切なメディアでアプローチを行えるかでしょう。

CRMシステムは、特定の顧客に適切なタイミング、適切なメディアでのアプローチをシステムによって効率的に実施することが可能です。

例えば、「東京に住んでいる顧客に絞り、東京の店舗で新商品が発売される情報をメールにて一斉送信する」といった施策が行えます。

また、「東京と大阪に住む顧客に同時に異なる情報を異なるメディアを使って送信する」や、「全国の20~30代の顧客にのみ情報を提供する」といったカスタマイズも可能です。
 
CRMについてより詳しく知るには、「CRMとは?必要性と基本機能、効果が最大化する施策をご紹介」をご覧ください。

CRMシステムにできること

種類によっても異なりますが、CRMにできる主な機能は、「顧客管理」「メール(SNS、DM)送信」「問い合わせ管理」などです。

それぞれについて簡単に解説します。
 
顧客管理
顧客の属性を管理します。主に管理する項目は、住所、電話番号、メールアドレス、年齢、性別、職業などです。種類によっては、商品やサービスの購入、利用履歴などを管理できるCRMシステムもあります。
 
メール(LINE、DM)送信
顧客属性から絞り込んで情報を送信できる機能です。メールを中心に、LINEアカウントも管理していれば、LINEへ直接、情報送信も行えます。また、システムによっては郵送(DM)による情報提供も可能です。
 
問い合わせ管理
顧客からの問い合わせを一括で管理する機能です。顧客属性に紐づけられ、電話やメールでの問い合わせがあった際、すぐに顧客情報を呼び出し、スムーズな対応を可能にします。

一般的なCRMシステムにできないこと・苦手とすること

顧客管理を効率的かつ適切に行えるCRMシステムですが、いくつかできないこと、苦手とすることもあります。

例えば「いつ・どこで・何を購入したか」を管理する購入履歴の管理や、特定のタイミングに合わせてメール送信を行う「シナリオ配信」などの機能がないシステムも少なくありません。

そして、メールやSMS(ショートメール)、LINEや郵送(DM)などへ自動で割り振ってメッセージを送信する操作も機能として搭載されていないこともあるのです。
 
それぞれについて詳しく解説します。

受注データの取り扱い

CRMシステムが得意とするのは顧客属性のなかでも、住所や電話番号、職業、年齢などの管理であり、「いつ・どこで・何を購入した」という受注データを扱うCRMシステムは多くはありません。
 
CRMシステムの種類によっては、受注データの管理も行え、購入履歴を基にした分析をできるものもあります。

しかし、CRMシステムの本質的な役割は受注データを扱うことではなく、適切な情報を適切なタイミングで適切な顧客に届けることです。
 
したがってCRMシステム選択の際は、CRMとしての役割を果たす機能が搭載されているかどうかを重視することがポイントといえるでしょう。

メールのシナリオ配信

CRMシステムでは、住所や年齢などの情報で顧客を抽出し、手動で特定の商品情報やセールの案内を届けることができます。

しかし、MA(マーケティングオートメーション)のようなシナリオ配信機能は搭載されていない場合が多いため、特定のタイミングに合わせたメールの自動配信は得意としていません。

MAのシナリオ配信機能を活用すると、以下のような施策が実現します。

  • ・商品を購入して1週間後に商品の感想を求めるメールを送る
  • ・会員登録をしている顧客がWebサイトに訪問した際、訪問したページに関連する商品情報を送る
  • ・最後の購入から1年が経過したら新商品の情報を送る

CRMシステムでこれらの施策を行う場合、担当者が手動で条件を抽出し、配信設定を行わなければなりません。

効率的に情報発信をしたい場合は、MA機能を搭載するCRMシステムを選定する必要があります。

複数の配信チャンネルを統合した運用

多くのCRMシステムが顧客へ情報を発信する手段として用いるツールは「メール」です。

そのため、「メールを頻繁に見ない」「スマートフォンでパソコンからのメールは受信しない」などに設定している顧客とは、コミュニケーションが取りにくくなってしまいます。

顧客の属性や状態により、SMS(ショートメール)やLINE、郵送(DM)など多様な配信メディアを手動で使い分けるのは、かなりの労力と手間がかかるため、現実的ではありません。
 
ただしCRMシステムでも、複数の配信チャネルを統合して運用できるCRMシステムもあります。

顧客情報を効果的に活用するためには、複数の配信チャネルを効率的に運用できるCRMシステムがおすすめです。

CRMシステムを選ぶ際の注意点

ひと口にCRMシステムといってもその種類は多様なうえ、導入コストも決して安くはありません。そのため、導入を進める場合、どのような機能があるのか、何が得意で何が苦手なのか、十分な検討が必要でしょう。

具体的な選定ポイントには以下のようなものがあります。

  • ・導入理由は明確か
  • ・必要な機能は搭載されているか
  • ・効果的な運用・施策のイメージはできるか
  • ・運用担当者の負担軽減は可能か
  • ・導入・運用サポートは万全か
  • ・既存ツールとの連携は可能か

それぞれの選定ポイントについて簡潔に説明します。

CRMシステムを導入する理由が明確になっている

そもそもなぜ自社の業務にCRMシステム導入が必要なのか。その理由が明確になっていなければ、導入しても成果を上げるのは難しいでしょう。
 
CRMシステムに限りませんが、新しいシステムの導入を検討する際には、まず自社の改善すべき課題が明確になっていることが前提となります。

課題の改善のために、どのような方法を活用するのが最適解なのかを十分検討したうえで、CRMシステムの導入が最適解だと導き出す必要があるのです。
 
短絡的に「CRMシステムを導入したい」ではなく、「リピート客の効率的な獲得と、LTV向上の課題を解決するために、CRMシステムの導入が必要」といった明確な指標がなくては、導入しても本来の効果を期待するのは難しいでしょう。

必要な機能が搭載されていることを確認する

CRMシステムのなかでも、多機能なものもあれば機能を絞ったシンプルなタイプもあり、どのタイプを選択するかで、できる施策も大きく異なります。
 
多機能なタイプを選択すればできる範囲も広がりますが、自社の課題解決に必要のない機能がついていても、導入コストが高まるだけでそれほどメリットはありません。

もちろん、将来的にCRMシステムを使ってさまざまな施策の実施を考えていれば問題ありませんが、基本的には直近の課題解決に必要な機能があるかどうかを重視しましょう。

効果的な運用・施策をイメージできる

顧客情報の検索はスムーズにできるか、特定の顧客抽出からメール送信まで滞りなく進められるかなど、効果的な運用・施策をイメージできるかどうかも重要な要素です。
 
曖昧検索ができない、複数ワードでの検索ができないシステムでは、特定の顧客を抽出するだけでも大きな手間がかかり、効果的な運用・施策の実施が実現できません。

実際にCRMシステムを活用したプロモーションや顧客対応のシミュレーションを行い、問題なくスムーズに進めていけるイメージができるかどうかも必ず確認しましょう。

運用担当者の負担を軽減できる

例えば、「CRMシステムで特定の顧客を抽出し、CSVデータにしたものをエクスポートしてMAツールに読み込ませて、メールのシナリオ配信を行う」といった施策を実行したいとします。一見すると、効率的なMA/CRM施策が実施できているように見えます。

しかし実際には、営業支援システム(SFA)で更新された取引先の担当者を印刷して、一件ずつCRMシステムに入力していく作業があるなど、運用担当者の負担がかえって増えてしまっているケースもあるのです。

したがってCRMシステム導入の検討を進める際は、前後の業務も可視化させ、導入を検討しているCRMシステムによって、本当に運用担当者の負担が軽減されるかも必ず確認してください。

導入・運用サポートが万全かどうか確認する

自社の課題解決に必要な機能が搭載されているCRMシステムを選択しても、使い勝手が悪く、操作の仕方が分かりにくいシステムだと、効率的な運用・施策が実施できません。

社内のごく一部の限られた人材でないと使いこなせないCRMシステムでは、属人化が発生しやすく、担当社員が退職・異動するなどによって、運用ノウハウが失われてしまうリスクもあります。
 
CRMシステムを導入する場合は、ベンダー企業の導入・運用のサポートが万全かどうかも必ず確認しておきましょう。

選定時のポイントとしては、無料トライアル期間があり、導入後も講習会や電話、メール、リモートでの運用サポートを行ってもらえるシステムがおすすめです。

既存システム・ツールとの連携が可能か確認する

例えば、自社で使用している営業支援システムや、MAツールと連携ができれば、CRMに顧客情報を集約して一元管理することが可能です。

しかし、既存ツールとの連携ができない場合、「営業支援ツールでは営業担当者が変わっているのに、CRMシステムでは昔の担当者のまま」といった事態も発生します。

これまでExcelで管理していた情報をCRMシステムで読み込めれば、改めてデータを作り直したり、CRMシステムに読み込めるフォーマットに変換したりする必要もありません。
 
既存ツールとの連携ができれば、上記のような更新業務に時間をかける必要もなくなるため、効率的な施策運用が実現しやすくなります。

MA搭載型のCRMシステム「MOTENASU」のご紹介

効率的な顧客管理を可能にし、既存顧客の維持に効果を発揮するCRMシステムですが、製品ごとに搭載されている機能に差があるため、「どのCRMシステムを選択するか」で実現できる施策も大きく変わってしまうのが実態といえます。

先述したように、CRMシステムには苦手とする作業が存在するため、自社の課題解決を実現する機能を搭載したCRMシステムを選ぶのがポイントとなります。
 
そこでおすすめしたいのが、MA搭載型のCRMシステム「MOTENASU」です。

MOTENASUにはメール配信以外に、SMSやLINE配信、郵送(DM)など、複数の配信チャネルを統合管理し、シナリオによるターゲット別自動配信を行う機能が搭載されています。また、一般的なメール配信はIPアドレス分散により、大量のメール配信を高速で実施することができるようになります。

 

さらにメルマガ内容作成や配信代行、広告効果測定の運用、コールセンターへのアウトソーシングなど、CRMシステム以外の部分でも、万全なサポート体制でお客様のMA/CRM施策を伴走サポートしております。

MOTENASUの詳しい内容は以下のページで紹介しておりますので、宜しければご一読いただけますと幸いです。
 
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