「EC×SMS(ショートメッセージ)活用」で売上・LTVを向上させる方法とは?

競争が激化するEC業界において、従来のマーケティングを続けているだけでは売上向上が難しくなってきています。そんな状況から脱却するためのツールとして近年注目を集めているのが「SMS(ショートメッセージ・サービス)」です。SMSを活用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。今回は、飛躍的に配信数を伸ばし続けているSMSの特徴や活用例、売上の向上につなげるポイントなどを詳しく解説します。

SMSとは?SMSの特徴

SMSとは「Short Message Service」の略称で、音声通話回線を使用してテキストメッセージを送受信できる機能です。電話番号のみで送受信が可能なため、世界中で一般的に活用されています。また、ほとんどの携帯電話やスマートフォンに標準搭載されている機能であるため、特別な契約やアプリのインストールをすることなく手軽に使用できます。
「ショート」メッセージという名前通り、もともとは文字数制限があり短いテキストしか送れませんでしたが、現在ではより長いメッセージも送れます。しかし、受信側の機種によってはすべてが正確に表示されない場合もあるため注意が必要です。

 

インターネットの普及にともない一時は減少傾向にありましたが、近年では「SMS認証」など重要な連絡・通知のために使われるケースが増えました。そのため開封率が高く、レスポンスも速い傾向にあります。
さらに、別キャリア間の送受信や企業からの配信にも対応するようになったため、最近ではSMSを利用する企業も増えてきました。2015年〜2020年の間に、SMS配信数は1億通ほどから15億通以上にまで伸びたというデータもあります。
EC通販業界においても、SMS配信数は今後ますます拡大していくと予想されます。

ECビジネスでSMSを活用するメリット

さまざまな情報伝達ツールが存在する今、なぜSMSが注目を集めているのでしょうか?ECビジネスでSMSを活用するメリットは「重要な情報を確実に効率よく伝えられること」です。
ここでは以下の3つのメリットに関して、それぞれ詳しく解説します。
 

  • ・メッセージの到達率が高い
  • ・効率的に情報を届けられる
  • ・EC運営者の負担を軽減できる

メッセージの到達率が高い

メールマガジンやDM、SNSなどさまざまなメッセージ配信ツールの中でとりわけ高い到達率を誇るのが、SMSです。
メールアドレスや住所は変更される場合があり、その都度情報を更新してもらえるとは限りません。つまり、到達率が低くなる可能性があります。そもそもアドレスの間違いや、自動で迷惑メールに振り分けられてしまうことなどによりメッセージが届かないケースもあるでしょう。
一方、SMSの到達率はなんと99%。ほぼ確実に相手にメッセージを送れます。
また、現在では電話番号を変更せずに携帯電話を変えられるようになったため、SMSが届かなくなる可能性はますます低くなってきています。
さらに、SNSやEメールは利用者の年齢層に偏りがあるのが課題です。
しかし、総務省の令和3年版「情報通信白書」によれば、個人のスマートフォン保有率は89.4%、従来型の携帯電話保有率は7.0%。SMSなら、そのいずれかの携帯電話を保有する大部分の人にメッセージを送れます。しかも、海外への送信も可能です。

効率的に情報を届けられる

メールマガジンやDMは読むのに時間がかかるため、後回しにされてしまうケースが多いのが課題です。結局読まずに忘れられてしまったり、タイミングを逃してしまったりする場合もあります。
一方、SMSなら3秒もあれば目を通せます。短いメッセージなので内容も把握しやすいでしょう。大切なお客様の時間を奪うことなく、重要なメッセージの伝達が可能です。
また、メールの受信ボックスやSNSには毎日多くのメッセージが届きます。そのため、仮に到達したとしても、他のメッセージに埋もれて気づいてもらえない場合があります。
ちなみに、メールの平均開封率は約23%。残念ながら、多くのメッセージが開封すらされずに消去されてしまっているのです。
一方、SMSは約9割の開封率を誇ります。普段あまり使われていないからこそ、SMSに届く通知は目に留まりやすいのです。そのうえ、通常ポップアップ通知されるため、すぐに気づきます。
時間やコストをかけて用意しても開封率が上がらない他のツールと比べて、凝ったクリエイティブが不要かつ開封率の高いSMSは効率的に情報を届けるのに適しています。

EC運営者の負担を軽減できる

そもそも大半のコミュニケーションツールは、メールアドレスや住所、アカウントなどを知らなければ使えません。そのためまずは、それらの個人情報を入手する方法を考える必要があります。
その点、SMSは携帯電話番号さえ入手すればよいので余計な手間がかかりません。最近は固定電話を持っていない世帯も増えているため、携帯電話番号はより入手しやすくなっているはずです。
また、たとえばDMを使ってメッセージを伝える場合、内容を企画し、印刷し、配送するには時間も費用もかかります。内容確認や指示、顧客のリストアップなど、他にもさまざまな作業が関係しているでしょう。自社で対応できない分野は外部に発注する必要も出てきます。
一方、SMSを使用する場合は凝ったクリエイティブを作成する必要はありません。
さらに、到達率・開封率の高いSMSを活用すれば、さまざまなメッセージツールを使って顧客にアプローチする手間も省けます。そのため、運営者の負担を軽減できるのです。

ECサイトでSMS活用できる業務

確実に伝えたい重要な情報や緊急性のある連絡事項の伝達などは、SMS活用が特に適しています。ECサイトでSMS活用できる次の5つの業務について、使用例と合わせて詳しく解説します。

  • ・キャンペーン配信
  • ・配送連絡
  • ・カゴ落ち顧客へのアプローチ
  • ・休眠顧客の掘り起こし
  • ・営業時間変更等の業務連絡

キャンペーン配信

キャンペーンの配信の目標は、できるだけ多くの人に知ってもらうこと、そして行動してもらうことです。しかし、SNSやDM、メールを活用したキャンペーン配信では、かかるコストに対しリーチ力や開封率に課題が残ります。
一方、SMSを使えばさまざまなタイプの人に確実にメッセージを届けられます。
また、売上アップには、購買意欲を高めるメッセージに加えタイミングも重要。そのため、いつでもすぐに送れるSMSの特性をいかした臨機応変なアプローチも有効です。
 
たとえば、「今月の売り上げをあと少し伸ばしたい」とか「今話題になっているあの商品をぜひ紹介したい」といった情報も、SMSならすぐに共有できます。さらに「お客様が欲しがっていた商品が入荷した」といった顧客のニーズに合わせたタイムリーな通知も、即効性のあるSMSの活用が適しています。

配送連絡

より速いレスポンスが得やすいSMSは、配送連絡のような緊急性が高い連絡を取りたい場合にも適しています。
たとえば、大型商品や冷凍品、代引きで購入された商品などの配送は特に、配送日時の確認を事前にしっかり行っておく必要があります。連絡がうまくいかないと配送が滞ってしまったり、受け取りに余計な手間がかかってしまったりする場合があるからです。
企業側の責任ではないとしても、納品の遅れは信頼関係に直接影響を与えてしまうかもしれません。 
しかし、電話ではなかなか連絡がつかなかったり、メールを送ってもすぐに見てもらえなかったりする場合があります。
SMSを活用してスムーズに連絡・配送が進められれば、顧客の満足度を向上させることができるでしょう。企業への信頼や満足度が上がれば、リピーターになってくれる可能性も高くなります。

カゴ落ち顧客へのアプローチ

近年はスマホで気軽に買い物ができる反面、カゴ落ち(商品をかごに入れたまま放置している状態)も多くなっています。確実に商品・サービスに興味を持っているカゴ落ち顧客のフォローが適切に行えれば、大幅な売上アップが期待できるでしょう。
単に通勤時間や休憩中に商品を見つけたものの購入するには時間が足らなかった人の場合は、簡単な通知で思い出させるだけでアクションにつなげられる可能性があります。総支払額を見て購入をためらっていたり、他社の商品と比較していたりする人には、活用できるクーポンやキャンペーンなどを思い出させるとよいかもしれません。
いずれにせよ、カゴ落ち顧客へのアプローチのカギはタイミングです。他の商品を購入したり購買意欲がうせてしまったりする前にフォローするには、シンプルで即効性の高いSMSが最適です。

休眠顧客の掘り起こし

休眠顧客の掘り起こしにもSMSの活用がおすすめです。
休眠顧客とは、以前に商品を購入したりサンプル請求をしたりしたものの、現在のアクションがない顧客です。休眠してしまった原因さえ解決できれば再び購入してもらいやすく、新規顧客の獲得よりも高い確率で売上アップにつなげられる可能性があります。
しかし、休眠顧客を掘り起こす際の最大の課題はアプローチ方法で、メールアドレスや住所などの情報が変更されており活用できないケースが多くあります。
また、直接電話連絡を試みても、知らない電話番号からの着信には警戒されてしまうかもしれません。電話のタイミングによっては、クレームにつながってしまうリスクもあります。
そのため、変更の可能性が少ない携帯電話番号を使ってメッセージが送れるSMSは、休眠顧客の掘り起こしに適しています。掘り起こしができて顧客との信頼関係が築けたら、個人情報をアップデートしてもらい、他のツールを使用したアプローチに切り替えるのもよいでしょう。

営業時間変更等の業務連絡

営業スケジュールは顧客にとって重要な情報です。特に、緊急メンテナンスや急な時間短縮、長期休暇時の営業スケジュールなどをしっかり周知できるかは、企業の信用問題にもかかわります。また、各種手数料やサービス内容などの変更案内も、事前に知らせておくことが大切です。
しかし、このような顧客全体に知ってほしい情報がある場合、電話やDMを使って連絡するのは時間もコストもかさみます。また、メールやSNSで通知しただけでは、「聞いていない」「知らない」といったクレームが発生するリスクもあります。
到達率・開封率の高いSMSを活用することで、そのようなトラブルを回避し、業務上の負担を軽減できます。
さらに、支払確認や督促などの重要なメッセージも、SMSを使った配信が増えています。メールやSNSよりも、「個人宛」で「重要」なメッセージであるという印象を与えやすいでしょう。

「EC×SMS活用」の効果を最大化させる方法

環境やニーズが目まぐるしく変わるEC業界で長期的な売上を向上させるためには、リピーターを増やし、「LTV(Life Time Value)」の向上を図ることが重要です。
LTVとは「顧客生涯価値」を意味しており、1人の顧客が生涯を通じてもたらす利益を表す指標です。顧客の満足度が高く、商品や企業への信頼や愛着が高まるほどLTVは高くなる傾向があります。そして、LTVを向上させ優良顧客を育てるためには、顧客一人ひとりに合わせたきめ細かいアプローチが欠かせません。
そこで役立つのが、「CRM(Customer RelationshipManagement)」です。
CRMは「顧客関係管理」とも呼ばれる手法で、属性や購入履歴など顧客に関するさまざまな情報を管理し、分析やマーケティングにいかします。

このCRM施策の1つとして適切なタイミングで活用することが、SMSの効果を最大化させる秘訣です。
また、顔の見えない膨大な数の顧客を相手にするEC業界では特に、CRMツールを導入することで業務の効率化を図れます。CRMツールとSMSを上手に活用して業務効率が上がれば、LTVを高めるための他の施策やサービスにより力を入れることもできるでしょう。

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価値観やライフスタイルが多様化し選択肢が増えている今こそ、顧客との良い関係を築き維持していくことはとても重要です。到達率・開封率・即効性の高いSMSを積極的に活用して、顧客の満足度を向上させ、LTVと長期的な売上のアップを目指しましょう。
 
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