EC(定期・単品通販)のLINE公式アカウント活用の効果を最大化させる方法|活用事例もご紹介

昨今のEC業界では顧客獲得や売上促進などの目的でメルマガを中心に、顧客とのコミュニケーションを促進するさまざまなツールが活用されています。中でもLINEは、ユーザー数の多さや便利な機能、効果の高さなどの点で注目されているツールの1つです。
 
そのLINEをビジネス目的で活用するには、LINE公式アカウントが必要です。個人が日常生活で使用するアカウントとはどう違うのか、どのように活用されるのかが気になるところです。

この記事では、LINE公式アカウントの特徴やメリットや具体的な成功事例、デメリットを解説します。合わせて、EC事業でLINE以外にも役立つツールもご紹介します。少しでも参考になりましたら幸いです。

そもそもLINEとは

LINEはLINE株式会社が運営しているSNSです。ユーザーはLINEに個人情報を登録して個人アカウントを取得し、スマートフォンやタブレット、パソコンなどにインストールしたLINEアプリからテキストや画像、映像などを投稿できます。友だちとして追加したユーザー同士なら、相互のテキストチャットや音声通話、ビデオ通話、投稿の閲覧などが可能です。こうしたユーザー向けにLINEを活用したビジネスも増えています。LINE株式会社によると、ユーザー数は全国で月間約9,000万人以上に達しています。

LINE公式アカウントとは?

LINE公式アカウントとは、企業や店舗などがビジネス向けに利用できるLINEのサービスです。企業や店舗はLINE公式アカウントを開設し、LINEを通じてユーザーに情報を配信できます。

LINE公式アカウントのさまざまな機能を利用して、認知拡大のために広告を配信したり、新規顧客開拓のために興味深いコンテンツを配信したり、新商品をPRしたり、既存顧客の再購入を促すためにクーポンを付与するなど、多種多様な施策の展開が可能です。

LINE公式アカウントの特長

LINE公式アカウントには次の特徴があります。

 
生活インフラのLINEを使ってユーザーとコミュニケーションが取れる

LINEは日本人にとってすでに生活インフラの一部です。LINE公式アカウントを活用すればそれだけ多くのLINEユーザーにアプローチできるため、ビジネスの可能性が広がります。

 
無料で始められる
LINE公式アカウントはビジネス向けサービスですが、無料でアカウント開設が可能です。もちろん有料プランを利用すれば、さらに多くの機能にアクセスできます。

 
LINEの様々な機能を使ってコンタクトできる
さまざまな機能を使用して、友だち追加してくれた顧客との接触が図れます。最もベーシックなメッセージ配信機能なら、キャンペーンや新商品紹介、休業日などのメッセージ配信に役立ちます。チャット機能を使用すれば、問い合わせ対応などにも利用できます。

 
豊富な顧客データを収集できる
LINE公式アカウントでは豊富な顧客データが収集されます。顧客の年齢や性別、居住地域などの属性データ、投稿へのクリック数、投稿がユーザーの画面に表示されたインプレッション数など、収集したデータは分析して、次の施策の成果向上に活用できます。

LINE公式アカウントをECで活用すべき理由

LINE公式アカウントの活用は、EC(電子商取引)事業にとって以下のメリットがあります。

 
メッセージの到達率・開封率が高い
メールよりも早めにユーザーの目に届きやすいため、開封率も高まります。

 
顧客と「LINE上」で「1対1」のコミュニケーションがとれる
LINE上で1対1のコミュニケーションを図り、パーソナルな関係を構築できます。

 
クーポンやショップカードの発行・管理が容易
LINEの機能を利用してクーポンやショップカードなどのメニューを簡単に設定できます。

 
画像などを用いたリッチコンテンツが簡単に作成・送信できる
テキストと画像や動画などの素材を組み合わせ、印象的なビジュアルのリッチコンテンツを簡単に作成・配信できます。

 
顧客からの取い合わせに自動応答できる
不在時や休業時などに顧客からの問い合わせが届いても、自動応答機能を用いて対応できます。

各メリットの詳細を解説します。

メッセージの到達率・開封率が高い

LINEは他のツールと比較してメッセージの到達率・開封率が高いのが特徴です。

ユーザーの多くは日常生活のコミュニケーションツールとしてLINEを頻繁にチェックしています。ブロックでもされないかぎり、配信されたメッセージは確実にユーザーの手元に届き、さほど時間を置かずに目を通してもらえます。

LINEの即効性を高めているもう1つの機能が、プッシュ通知です。プッシュ通知を許可しているユーザーには、LINE経由でメッセージが入るたびにスマートフォンに通知が表示されるため、より早くユーザーの目にとまる確率が高まります。
 
EC事業でよく用いられているメルマガの場合、ユーザーは一度メールアプリあるいはWebブラウザーを確認する必要があるため、配信してからユーザーの目に触れるまで時間がかかります。メルマガではプッシュ通知も利用できません。さらに、ユーザー側でドメイン登録の設定がされていない場合、せっかくメールを送っても迷惑メッセージフォルダーに振り分けられて、日の目を見ないまま終わる可能性もあります。

顧客と「LINE上」で「1対1」のコミュニケーションが取れる

LINEではチャット機能を活用して、顧客との間でLINE上でのコミュニケーションを行えます。 従来のメルマガのように一方通行的なコミュニケーションではなく、チャット画面での双方向でのやりとりが可能です。

顧客から送信される問い合わせの対応にも、LINEチャットを活用できます。スマートフォン片手に時間や場所を問わずやりとりが可能なため、メールや電話よりも迅速なフィードバックが実現します。忙しい時間帯でも画面上で要件を確認して、顧客をさほど待たせずに返信できます。
 
万が一の突発的な事態でも、すべてのやりとりがテキストとして残る特徴が有利に働きます。例えば顧客からクレームが上がった場合も、テキストの履歴で速やかに事実確認を行い、必要な対応を講じることが可能です。チャットのデータはダウンロードして保存も可能です。

LINEチャットを用いた顧客管理は、従来の電話やメールを活用した方法よりも業務効率化の面で優れています。このため、たとえば少人数で運営しているビジネスでも、無理のない顧客管理体制が構築できます。

クーポンやショップカードの発行・管理が容易

LINE公式アカウントの場合、クーポンやショップカードを発行して手軽に管理できます。

EC事業者は、メッセージ配信機能やリッチメニューなどを通じて顧客にクーポンを配信できます。デジタルクーポンのため、紙のクーポンのような発行や管理に要するコストや手間を省けます。顧客側もクーポンを保管して持ち歩く手間が省けるほか、紛失の恐れもないため、クーポンを使って割引や贈呈などの特典を有効利用できるのです。
 
ショップカードは、LINE画面にリッチメニューとして表示されます。事業者にとっては、カードの発行・管理に要するコストや手間を大幅に削減できる上に、顧客の利用データをリアルタイムに取得・分析して新たな施策を打ち、再来店の促進や新規顧客獲得などにつなげられます。顧客にとっても従来のカードのような持ち運びの手間や紛失のリスクもなく、ポイントを上手に貯めてキャンペーンを有効活用できます。

クーポンおよびショップカードは、事業者側でLINE公式アカウントの管理画面(LINE Official Account Manager)から作成・設定可能です。

画像などを用いたリッチコンテンツが簡単に作成・送信できる

ビジュアルでの訴求力が強いリッチコンテンツの配信施策として、LINE公式アカウントを活用できます。

LINE公式アカウントでは、画像や動画などのビジュアル素材とテキストを融合した「リッチメッセージ」を作成・配信できます。リッチメッセージは、テキストメッセージよりも顧客の目にとまりやすい上に、ビジュアルを通じて直感的に内容が理解されます。結果、クリックなどの反応率も高まり、より多くの顧客が遷移先へと誘導されるため、商品購入や予約など、意図した行動を喚起できます。そのため、リッチメッセージ配信はさまざまな用途で高い効果が見込めます。
 
LINEのリッチメッセージは、LINE公式アカウントの管理画面から作成・設定します。画像や動画など、適切なビジュアル素材さえあれば、専門知識やスキルがない人でも手軽に作成できるのが特徴です。性別や年齢など、よりターゲット層の特性に適したビジュアルのリッチメッセージを配信すれば、より高い効果が見込めます。

顧客からの取い合わせに自動応答できる

「応答メッセージ」および「AI応答メッセージ」機能の活用で、顧客からLINEメッセージで送られた問い合わせに自動応答で対応できます。

「応答メッセージ」機能は、LINEの管理画面で、問い合わせによく含まれるキーワードに基づいて返答内容をあらかじめ設定しておき、自動で返答する仕組みです。「AI応答メッセージ」機能では、問い合わせ内容に基づいてAIが答えを自動で判断して返信してくれます。
 
自動応答が設定されていれば、スタッフの不在時や別件対応中などに顧客から問い合わせが届いても、いったんは自動で返信を送れるため、よりきめ細やかな対応が可能になるとともに、スタッフの手間も省力化できます。

通常、自動応答に使われるAIチャットボットなどの導入には、初期コストや運用コスト、データ連携などの手間が発生します。LINE公式アカウントのAI自動応答メッセージ機能なら、シンプルなQ&Aにチャットで回答するチャットボットを簡単に作成可能です。

ECのLINE公式アカウント活用事例

実際のEC事業でLINE公式アカウント活用を使用し、成果に結びつけた事例を3つご紹介します。ご自分のビジネスなどでLINE公式アカウントを活用する際の参考になりましたら幸いです。

LINE広告で友だち数を7倍にした事例

「熊本ラーメン 黒亭」は熊本県内に4店舗を構え、ECショップも運営しているラーメン店チェーンです。

同社では店舗とECショップそれぞれでLINE公式アカウントを使い分け、顧客のライフスタイルに合わせたタイミングでの魅力的なコンテンツの情報発信を通じて、来店や購入の促進を図っています。たとえば店舗用のLINE公式アカウントでは、毎週金曜午前にメッセージやクーポンを配信し、週末の来店数増加につなげています。

ECショップのLINE公式アカウントでは、商品購入を促すためにリッチメニューを活用しています。おすすめ商品紹介や、自宅でおいしく自社商品を食べるための調理方法の紹介を配置するなどの工夫で、コンテンツ利用を促しています。

ECショップでは一時期、友だちの数が500人程度で頭打ちになり、伸び悩んでいました。そこで「友だち追加LINE広告」を活用し、友だちに追加してくれた顧客には商品を割引購入できる特典を付与。この取り組みが功を奏し、「友だちの数が7倍に増加」という成果を獲得しました。

メッセージ配信経由の売り上げを5倍にした事例

「株式会社味源」は菓子類などの自社ブランド食品の製造・販売、および他社ブランドの企画・開発を手がける会社です。元々の事業と並行して楽天市場やYahoo!ショッピングなどのECモールでEC事業も展開してきました。

同社はいくつかのヒット商品を生み出してきた一方、EC事業でのメールマガジンを活用した施策がなかなか反応率や売上に結びつかない課題を抱えていました。
 
そこで同社はLINE公式アカウントを開設し、セール前のクーポン配信時間を前日に変更したり、セール当日の午後に改めてリマインダーを配信したりするなどの見直しを行いました。さらに、リッチメッセージやカードタイプメッセージの活用で、配信内容の最適化や効果検証を行いました。

以上の取り組みが身を結び、LINEメッセージを経由した売上が5倍に増加するとともに、カードタイプメッセージの効果が実り、クリック率も向上して購買率が上昇。それまで少なかった若年層の顧客獲得にも力を発揮しています。

半年でCV数を8.4倍にした事例

「snaq.me」は2015年創業、無添加のおやつを提供するサブスクリプションサービスです。顧客による購入前の事前診断や食後の評価データなどを元に、AIが顧客に適したおやつを選定して提供するユニークなサービスを展開。継続率を重視したマーケティングで堅調に顧客数を増やしてきました。

同社では創業当時からLINE公式アカウントを導入し、数年後には新規顧客獲得のためにLIINE広告の運用に着手。ユーザーの属性や行動履歴などを活用したターゲティング広告配信や、自社のオーディエンスデータに似通った属性を持つLINEユーザーへのリターゲティング広告配信などを展開しました。
 
当初は全体の5%程度だったLINE広告経由での新規獲得が、30%にまで上昇。ターゲット層以外の年代へのリーチにも成功して新規顧客数を伸ばしています。結果、広告配信をスタートしてからわずか半年でコンバージョン数が8.4倍に上昇する成果が得られました。

ECのLINE公式アカウント活用のデメリット

EC事業でのLINE公式アカウント活用には多くのメリットが伴う一方、次のようなデメリットも存在します。
 
LINEユーザー以外にアプローチできない
リーチできる潜在顧客は、あくまでLINEユーザーのみです。

 
ブロックされてしまい連絡が取れなくなる
いったんブロックされると、以後はコミュニケーションが取れなくなります。

 
「友だち追加」できない場合はアプローチ方法に制限がかかる
友だちとして追加されない場合、アプローチ方法が限られてしまいます。

それぞれのデメリットをもう少し詳しく解説します。

LINEユーザー以外にアプローチできない

LINE公式アカウントを使用したアプローチでは、対象はLINEユーザーに限定されます。LINEユーザーの多くはスマートフォンを利用している人々です。自社のターゲット層がスマートフォンでLINEを頻繁に使用する人々であれば問題はありませんが、そうではない場合は、別のアプローチ方法を検討する必要があります。

また、友だちとして追加されるまでは1対1のやり取りができないため、まず魅力あるメッセージやオファーの配信などで相手の注意を引く必要があります。

ブロックされてしまい連絡が取れなくなる

顧客にせっかく友だちに追加してもらい、コミュニケーションが始まっても、一度ブロックの対象として登録されると、以後どのようなメッセージを送っても連絡が取れなくなってしまいます。

ブロックされないためには、相手の好みやニーズに基づいたコンテンツを適切なタイミングで配信するのが重要です。ユーザーのニーズを把握するには、LINEのリサーチ(アンケート)機能が役立ちます。

「友だち追加」できない場合は使えるアプローチ方法に制限がかかる

顧客との1対1のコミュニケーションが始まるのは、友だちに追加された後からです。未登録のユーザーに対してはアプローチ手段が限られてしまいます。

この制限を回避する上で有効な手段の1つが、友だち追加してくれた顧客に自社コンテンツをシェアしてもらうことです。自社が配信したメッセージを顧客が自分のタイムライン上でシェアした場合、投稿を見てくれた他のユーザーの目にとまり、接触できる可能性があります。

LINE公式アカウント以外で活用したいメッセージツール

LINE公式アカウントには数々の優れたメリットがあり、認知拡大や新規顧客獲得、販売促進などさまざまな目的に使用できます。一方でアプローチできるのがLINEユーザーのみであり、友だちとして追加してくれたユーザー以外のへのアプローチ手段が制限される、いったんブロックされたら以後のコミュニケーションが不可能になるといったデメリットも存在します。

LINE公式アカウントの活用のみではEC事業での集客や売上の伸びに効果に限界がある場合は、LINE以外のメッセージツールを導入してみるのも有意義な取り組みです。

そこで、SMSとDMの2つを活用した場合のメリットをご紹介します。

SMS

EC事業でのSMS活用には多くのメリットがあります。
 
メッセージの開封率が高い
SMSのメッセージはスマートフォンに配信されるので、通常のメルマガよりも迅速に顧客の目にとまり、開封率も高いのが特徴です。メルマガの場合は開封に時間がかかる上に、迷惑メールに振り分けられる恐れもあります。
 
効率的に情報を届けられる
SMSは要件をすぐに確認してもらえる即時性に優れています。プッシュ通知を許可している顧客にはメッセージがすぐにポップアップされるため、より効率的な情報伝達が可能です。
 
EC運営者の負担を軽減できる
SMS配信なら、メッセージを作成してあとは対象リストに一斉配信するだけの手間で済みます。電話やDMに比べてコストも安く抑えられる上に、料金未払いやカート落ちなどにもSMSで対応できるので、運営者の負担が軽減できます。

DM(ダイレクトメール)

アナログ手法のため時代遅れと捉えられがちですが、EC事業ではDM(ダイレクトメール)の活用も有効な宣伝ツールの1つです。
 
DM(ダイレクトメール)とは
個人宛に紙媒体のメッセージを郵送してPRするマーケティング手法の1つです。新商品の案内やカタログの送付などに用いられています。
 
DMを送るメリット
DMは顧客の住所に直接郵送されるので、到達率が高い上に、かなりの確率で開封されて閲読されます。DMを受け取ることで受信者が味わう特別感も、開封や熟読につながっています。
 
DMによるアプローチは、顧客のLTV(顧客生涯価値)の観点からも有効です。LTVとは、顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益を指します。DMは一回限りではなく定期的に郵送し続けることで、例えば休眠状態にあった顧客の再購入や既存顧客のリピート購入など、顧客の態度変容を促す効果があります。

関連:ECにおけるDM(ダイレクトメール)施策の有効性とは?施策展開も合わせて解説

「MOTENASU」を使ったCRM施策で顧客生涯価値(LTV)を向上させよう!

LINE公式アカウントにしろ、SMSにしろ、複数のチャネルを活用して顧客獲得や販売促進、そしてビジネス成長につなげていくには、顧客生涯価値(LTV)の向上を主眼に置いたマーケティング施策が不可欠です。

そこで役立つのが、マーケティングオートメーション「MOTENASU」を活用したCRM施策です。MOTENASの場合、既存のECサイトやCRMなどの基幹システムの利用を中断せず直に連携して活用できる上に、LINE公式アカウントやSMSなどのメッセージ配信ツールとの連携も可能です。
 
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以下のWebページでMOTENASUの詳細をご紹介していますので、ぜひご参照ください。

 

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