ECカートシステムとは? 種類や選び方・探し方を徹底解説

この記事では、EC事業を運用している方はもちろん、これからEC事業を始めたい方が知っておきたいECカートシステムについて解説します。

そもそもECカートシステムとは何なのか、基本機能や応用機能はもちろん、ECカートシステムの種類、特化型ECカートシステムについて、ECカートシステムの選び方などを解説したうえで、おすすめのECカートシステムを10個ご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

ECカートシステムとは

「ECカートシステム」とは、自社の通販サイトを通して商品を売買できるようにするために必要な、一連の機能を備えたソフトウェア・サービスを指します。意外と詳しい意味を知らなかったECカートシステムについて、本章では基本機能から応用機能までを解説します。

ECカートシステムの基本機能

ECカートシステムの基本機能として、「商品ページ作成機能」「在庫管理機能」「カート機能」「受注機能」「配送先・配送方法の選択機能」「決済方法の選択機能」「販売管理機能」「CRM機能」などが挙げられます。
これらの機能はECサイトを運営するために必要な最低限の機能であるため、多くのECカートシステムで基本的に備わっている機能だと覚えておきましょう。

 

基本機能 概要
商品ページ作成機能 商品情報を掲載する商品ページを作成するために必要な機能
在庫管理機能 商品または、商品ごとの在庫状況を管理するための機能
カート機能 商品をカート(買い物かご)に入れる機能
受注機能 商品の受注を管理するために必要な機能
配送先・配送方法の選択機能 商品の配送先や配送方法を選択するために必要な機能
決済方法の選択機能 クレジットカード決済や代引きなどの決済方法を選択するために必要な機能
販売管理機能 商品ごとの販売個数や全体の売上などを管理する機能
CRM機能 ステップメール配信やプッシュ通知など、ショップ会員や商品購入者との接点を作るために必要な機能

ECカートシステムの応用機能

前章では、ECカートシステムに備わっている基本機能を解説しましたが、本章ではECカートシステムにあると便利な応用機能を解説します。ECサイトの運用では、商品の売買に必要な最低限の機能を活用するだけではなく、応用機能を駆使し、より効率的に売上を作る必要があります。
 
ECカートシステムの応用機能としては、主に「広告効果測定機能」「定期購入分析機能」「フォーム一体型LP機能」「アップセルLP機能」「ステップメール機能」「定期購入機能」「同封物管理機能」などが挙げられます。
また、これら応用機能を備えたECカートシステムは、「オールインワン型の通販ECプラットフォーム」などと呼ばれ、例えば「侍カート」の場合、定期通販(単品リピート通販)やD2Cの必勝フローを網羅したECカートシステムになります。
 
▶オールインワン型の通販ECプラットフォーム「侍カート」について詳しくはこちら

これら応用機能を備えたECカートシステムを活用し、ビジネスモデルに最適かつ効果的なサイト運営を目指してください。
 

応用機能 概要
広告効果測定機能 広告宣伝に利用した広告媒体ごとの効果測定を実現するために必要な機能で、集客効果を最大化するために活用する
定期購入分析機能 定期通販(単品リピート通販)に必要な指標(KPI)を分析するために特化した機能
フォーム一体型LP機能 商品の売買に必要な購入フローを簡略化し、カゴ落ちや離脱を防止するためのフォーム作成機能
アップセルLP機能 最適なタイミングでアップセル・クロスセルのオファーが出せる、客単価を最大化するために活用する機能
ステップメール機能 商品を購入した顧客のフォローを最適化するために活躍するメール配信機能(CRM機能)
定期購入機能 定期通販(単品リピート通販)に必要不可欠な機能であり、定期コースの売買に特化した自動決済機能
同封物管理機能 同梱物の自動追加・配送指示を効率化する機能であり、定期通販ビジネスにおいて離脱防止施策に活用する

ECカートシステムの種類

ECカートシステムと一口に言っても、「フルスクラッチ型」「パッケージ型」「オープンソース型」「ASP型」「ECモールへの出店」と、大きく5つの種類があります。

フルスクラッチ型

「フルスクラッチ型」とは、自社開発で1から構築するタイプのECカートシステムです。完全に自社で開発するため、汎用的なECカートシステムと比較して、必要な機能をすべて取り揃えているメリットがあります。

一方で、自社ですべて構築するため、開発に多額のコストがかかる他、システム開発に精通した専門的な人材が必要になり、導入の難易度が高くなるのがデメリットといえます。

パッケージ型

「パッケージ型」とは、上述で解説した基本機能を備えたECカートシステムです。自社に合わせてセミオーダーのカスタマイズができるパッケージが多く、フルスクラッチ型と比べてかかるコストが安価なのがメリットです。

ただし、メーカーによって備えている応用機能が違うため、自社のビジネスモデルに合わせたパッケージを選ぶ必要がある他、パッケージ型のためカスタマイズできる範囲に限界があるなどのデメリットがあります。

オープンソース型

誰でも無償で利用できるようにパブリックに公開されているECカートシステムが、「オープン型」です。ソフトウェアを動作させるために必要なソースコードが公開されており、カスタマイズや再配布が認められている点はもちろん、無償で利用できるところが何よりのメリットだと言えるでしょう。

ただし、公開されているソースコードを活用する方式であるため、専門的なプログラミング技術や知識を持っている必要があります。また、無償であるため補償などはなく、バグや脆弱性がある可能性もあるため、技術的なコストが他のタイプと比べて高くつくことがデメリットといえます。

ASP型

近年普及が進んでいる「ASP型(SaaS型)」のECカートシステムは、クラウド上のプラットフォームを活用するタイプです。月額のサブスクリプションモデルで提供される場合がほとんどで、費用はメーカーによってまちまちですが、おおよそ数万円で利用できるケースが多いでしょう。クラウド上のシステムをレンタルして利用し、機能改善やバージョンアップなどに対応しているため、常に市場に対して最新のシステムを利用できるメリットがあります。

一方で、クラウド型のプラットフォームであるため、カスタマイズ性に乏しいところがデメリットとして挙げられます。オプションとして追加機能を拡張できるサービスはたくさんありますが、オプションを追加するごとに追加で利用料がかかるため、多くの機能を利用しようとした場合、ランニングコストが高額になる傾向があります。

「ECモールへの出店」も1つの構築方法

最後に直接的なECカートシステムではありませんが、「ECモール」に出店する方法も、自社通販サイトを構築する一つの方法であると言えます。ECモールのなかにショップを出店するため、構築にかかる期間を最小限に抑えられる他、出店に必要な設定や作業は担当者がすべてアドバイスしてくれるため、技術的なコストも最小限に抑えられるでしょう。このように初心者でも迅速にビジネスを始められるところが、ECモールを活用する最大のメリットです。
 
一方で「商品を販売するごとに手数料がかかる」などの条件があるECモールが大半になるため、自社通販サイトでの販売と比較して利益率が下がる点や、出店料が固定費として発生するなどのデメリットがある点も理解しておいてください。

特化型ECカートシステムについて

一口にECカートシステムと言っても、様々な分野やビジネスモデルに特化したECカートシステムがあります。本章では、「定期通販・単品リピート通販向け」「BtoB向け」「越境EC向け」と、大きく3種類の特化型ECカートシステムについて解説します。

「定期通販・リピート通販」特化型ECカート

定期通販(単品リピート通販)とは、定期コースで継続的に一つの商品の購入を契約してもらうビジネスモデルです。つまり、買い切りで商品を販売する総合通販サイト向けのECカートシステムとは購入方法が根本的に違うため、定期コースでの購入に特化した売買機能を備えたECカートシステムが必要になります。

また、定期通販(単品リピート通販)では、定期コースを購入した顧客に対して離脱防止施策をいかに効率よく実施できるかが重要になるため、「アップセルLP機能」「ステップメール機能」「同封物管理機能」などの応用機能が備わっているECカートシステムが多いのが特徴です。

BtoB向けECカート

BtoB向けのECカートシステムでは、一般的な個人(BtoC)との売買に対応したECカートシステムと違って、取り引き先に応じて異なった取り引き条件での契約が必要になるなどの特徴があります。

例えば、商品の取り引き数に応じたボリュームディスカウントを実現する機能や、請求書払いに対応できる決済システムが備わっているなど、商習慣に合わせて取り引き方法をカスタマイズできます。

越境ECカート

越境ECとは、通販事業において国内から海外に商品展開するビジネスモデルです。つまり、越境ECカートは一般的なECカートシステムと異なり、海外取引に対応できる機能を備えている必要があります。

例えば、日本国内から商品を発送してタイの顧客に商品を販売する場合、国内での物流ルートと現地の物流ルートを連携する必要がある他、現地の通貨で売買できる機能が備わっていなければなりません。その他にも現地の言語への対応、現地サーバーを利用できる機能などが備わっています。

ECカートシステムの選び方

ECカートシステムを選ぶうえで、大きく以下の6つのポイントをおさえておきましょう。

  • ・事業規模
  • ・特化型ECカートの必要性
  • ・立ち上げ期~拡大期に対応しているかどうか
  • ・システムの安全性
  • ・導入コスト・運用コスト
  • ・導入・運用までのリードタイム

事業規模

ECカートシステムを選ぶうえで、自社が想定している事業規模にマッチしているかを確認しておきましょう。想定する事業規模の運用に耐えられる機能が備わっているか、価格は適正なのかなどが選定のポイントになります。

また、反対にあれもこれもと機能を追加し過ぎてオーバースペックになっていないかも注意すべきポイントです。

必要なスペックに満たなかった場合、最悪のケースで事業がストップしてしまう可能性や、事業がスケールした際にECカートシステムを乗せ替える必要が出てきてしまい、無駄なスイッチングコストがかかるリスクが考えられます。

特化型ECカートの必要性

EC事業と一口に言っても様々なビジネスモデルがあります。ECカートシステムを選定する際、定期通販(単品リピート通販)などのビジネスモデルの場合は、特化型ECカートシステムを選ぶ必要もあるでしょう。

例えば、定期通販(単品リピート通販)ビジネスを展開するのにも関わらず、汎用的な総合通販サイト向けのECカートシステムを選んでしまうと、根本的に定期コースの売買が不可能である可能性もあります。

立ち上げ期~拡大期に対応しているかどうか

EC事業を立ち上げる際に「かけられる予算」や「必要な機能」だけで、ECカートシステムを選ぶのは非常に危険です。

実際に多くあるケースで、事業がスケールした際に既存のECカートシステムでは運用に耐えられなくなってしまい、結果的にスイッチングを余儀なくされる企業が散見されます。

つまり、ECカートシステムの選定基準は、あくまで今だけを見るのではなく、将来的な計画・見通しを含めて選ぶことが重要だと言えるのです。

システムの安全性

EC事業では多くの個人情報を取り扱います。そのため、利用するECカートシステムのセキュリティー面における安全性は非常に重要です。

万が一、個人情報漏洩などの事故が発生した場合、ブランドイメージを失うだけではなく、損害賠償が発生する可能性もあるなど、様々なリスクが考えられます。

導入コスト・運用コスト

ECカートシステムを選定する際、システムの構築にかかる導入費用や、導入後の運用にかかるコストなどを算出しておきましょう。

よくある失敗例として、「導入コストばかりを気にしてECカートシステムを選定した結果、その後の運用にかかるコストが高騰する」といったケースがあります。

導入・運用までのリードタイム

導入にかかる初期の構築から運用を開始するまでのリードタイムをどの程度要するのかも、ECカートシステムを構築するうえで重要なポイントになるでしょう。

ECサイト立ち上げに対して構築している期間は、もちろん売上が発生しない期間になるため、リードタイムは短い方が有利です。

パッケージ型のECカートシステムであれば、構築に必要な作業がある程度体系化されているため、リードタイムを削減できます。

おすすめのECカートシステム10選

本章では、おすすめのECカートシステム10選をご紹介します。ECカートシステムの選定に迷っている方は、おすすめのECカートシステム10選を、ぜひ参考にしてください。
 
<パッケージ・オープンソース型編>

ECカートシステム 初期費用/月額費用
ecbeing 要問い合わせ
コマース21 要問い合わせ

 
<ASP型(SaaS型)編>

ECカートシステム 初期費用/月額費用
FutureShop 22,000円~52,000円/初期
22,000円~52,000円/月
ショップサーブ 15,000円/初期
11,400円~46,800円/月
カラーミーショップ 3,000円/初期
3,000円/月
侍カート 100,000円/初期
70,000円/月
Shopify 29$/月
MakeShop 10,000円/初期
10,000円/月

 
<ECモール編>

ECカートシステム 初期費用/月額費用
楽天市場 50,000円/月
Amazon 4,900円/月

ECカートシステムの探し方

ECカートシステム選びのポイントを理解したら、次に探し方を知っておく必要があるでしょう。本章では、様々ある探し方のなかでも、「EC業界カオスマップ」「ポータルメディア」を活用した方法を解説します。

「EC業界カオスマップ」から探す

カオスマップとは、業界に関するツールや製品、企業などを並べた業界地図としてその展開状況が確認できるマップを指しています。

ECカートシステムを探すうえでおすすめのカオスマップには、eコマースコンバージョンコラボと日本ネット経済新聞が共同企画で発表している、EC業界におけるEC構築サービスのカオスマップなどがあります。

 
▶EC業界カオスマップをお探しの方はこちら

EC業界を扱う「ポータルメディア」から探す

ポータルメディアとは、条件に基づくさまざまな情報やコンテンツを発信するメディアサイトを指します。今回のようにECカートシステムを探したい場合は、EC業界に関する情報発信を行っているポータルメディアを参考にする方法もおすすめになります。探すときのポイントとして、ECカートシステムの情報を表にまとめてくれているうえで、気になったサービスの資料を一括請求できるポータルメディアが便利です。

 
▶ネットショップ運営している 人・企業のためのビジネス・ポータル「ECのミカタ」

ECカートまとめ|定期通販特化型ECカート「侍カート」のご紹介

この記事では、ECカートシステムを知るうえで役立つ、ECカートシステムの概要から基本機能、応用機能はもちろん、ECカートシステムの種類、特化型ECカートシステムについて、ECカートシステムの選び方などを解説したうえで、おすすめのECカートシステムを10個ご紹介しました。
 
なかでも定期通販(単品リピート通販)を運用している方、これから始める方は、特化型のオールインワンECシステム「侍カート」がおすすめです。

侍カートには、定期通販(単品リピート通販)に特化した、様々な分析機能が搭載されているため、EC運営担当者の負担を削減できます。

また、それ以外の必要な業務を全てカバーできる応用機能を網羅しているため、運営にかかる工数を削減し、顧客満足度向上に対する本質的な業務にリソースを集約できるメリットを持っています。

運用方法などが気になる方は、以下の侍カート導入事例ページからご確認ください。
 
▶侍カートの「MOTENASU導入事例」はこちら

  • 侍カート~SAMURAI CART~

    本資料は、侍カートのサービス内容や事例を紹介しております。
    もし、オールインワンECシステムで顧客管理や分析を実施したいとのことであれば
    本資料を参考にしていただければと思います。

詳細を見る