単品リピート通販とは?始め方や成果の出し方、D2Cとの親和性について

EC事業のなかでも「定期通販」という言葉を耳にしたことがある方が多いと思います。定期通販ビジネスとは、単品リピート通販や頒布会、サブスクリプションなどを含めたビジネスモデルの総称です。この記事では、定期通販ビジネスにおける「単品リピート通販」に着目し、その意味から、メリット・デメリット、よく比較される総合通販との違い、D2Cとの親和性、事業の立ち上げ方法、成果の出し方などを含めて幅広く解説します。現在、単品リピート通販を運用している方はもちろん、これから単品リピート通販を始めようとしている方も、ぜひ参考にしてください。

単品リピート通販とは

単品リピート通販の特徴は、取り扱う商材にあります。単品リピート通販では、主に「単品商品」の商材を取り扱い、ECサイト上で定期購入を実現するサービスです。単品単品目とは、一つの品種かつ一つ、または少数の商品を取り扱う分類で、化粧品や健康食品、サプリメントなど、日常的に消費する消費財が挙げられます。単品リピート通販は、定期通販ビジネスのなかの1分類であり、定期通販と同じではない点を理解しておきましょう。

単品リピート通販のメリット

単品リピート通販を運用するメリットは、大きく分けて6つあります。

  • ・初期投資を抑えられる
  • ・中長期的な売上が見込める
  • ・商品の管理工数が減る
  • ・集客(プロモーション)に集中できる
  • ・在庫を多く抱える必要がない
  • ・ユーザーの意見を商品に反映させやすい

単品リピート通販を運用するうえで、ビジネスモデルのメリットを理解しておくことは非常に重要です。それぞれのメリットについては、下記で詳しく解説します。
 

初期投資を抑えられる

単品リピート通販を運用する大きなメリットとして挙げられるのが、他のビジネスと比べて初期投資を抑えられるところです。単品リピート通販の立ち上げにかかる主な費用として、「商品の製造コスト」「LPの制作費用」「ECサイトの構築費用」「購入時にかかる決済手数料」「顧客フォローに必要なコールセンター運営費」「集客にかかる広告費」「商品の配送にかかる運送費」「事業運営に必要な人件費」などがあります。
 
一見すると多くのコストが発生しているように感じますが、複数の商品を取り扱う総合通販サイトなどと比べて、単品種単品目の商品を取り扱う単品リピート通販では、商品の製造コスト一つをとってもコストを抑えられるのが特徴です。
 

中長期的な売上が見込める

単発で商品を販売する総合通販サイトなどと比較して、定期コースで商品を販売する単品リピート通販は、中長期的な売上の見通しが立ちやすいメリットがあります。
 
毎月の新規顧客獲得数と、平均LTVを計算すれば容易に予算計画が立てられます。さらに中長期的な売上が見込めるため、集客にかかる広告費などが検討しやすくなるメリットもあります。
 

商品の管理工数が減る

多品種多品目を取り扱う総合通販サイトなどと比較して、単品種単品目を取り扱う単品リピート通販は、商品の管理工数を圧倒的に削減できます。
一つまたは少数の商品のみ取り扱うため、商品の製造管理や在庫管理などにかかるコストを省力化でき、集客や販売に関わる重要な業務にリソースを集中できるようになります。
 

集客(プロモーション)に集中できる

単品リピート通販では、上記で解説した中長期的な売上が見込める点や、商品の管理工数を省力化できる点などから、集客(プロモーション)のアイディア出しや運用にリソースを集中できる副次的効果があります。
 
特に立ち上げ時期は、商品の製造や管理に多くの人件費をかけられないため、集客(プロモーション)にリソースを集中できることは大きなメリットになるでしょう。
 

在庫を多く抱える必要がない

単品種単品目の商材と親和性が高い単品リピート通販では、商品は一つまたは少数です。そのため、多くの在庫を抱える必要がなく、在庫リスクを最小限に抑えられます。
 
EC事業などを含めた物販のビジネスにおいて、「在庫リスクをどれだけ抑えられるか」は重要な論点となります。多くの在庫を抱えずに運用できる単品リピート通販は、その点が大きなメリットになります。
 

ユーザーの意見を商品に反映させやすい

単品リピート通販では、一つまたは少数の商品しか取り扱わないため、ユーザーの意見を商品に反映させやすいメリットがあります。特に一つの商品を取り扱っている単品リピート通販の場合、集めたユーザーの声を元に一つの商品を改善し続けるため、商品改善にかかるリソースやコストを集中できるのです。

単品リピート通販のデメリット

単品リピート通販には、他のビジネスにない様々なメリットがありますが、一方で以下のようなデメリットも存在します。

  • ・商品の開発コストがかかる
  • ・リピート通販の仕組みを構築する必要がある
  • ・ブランディング・プロモーションコストがかかる

 

商品の開発コストがかかる

単品リピート通販では、一つまたは少数の商品を取り扱うため、商品の製造にかかるコストは抑えられるものの、開発コストが多くかかるケースが主です。

なぜかと言うと、一つまたは少数の商品を販売するビジネスモデルであるため、確実に売れる商品を開発する必要があります。多数の商品を取り扱う総合通販サイトの場合、どれか一つの商品がヒットすれば収益化が可能ですが、単品リピート通販はその点がデメリットになるのです。
 

リピート通販の仕組みを構築する必要がある

単品リピート通販では、一つまたは少数の商品を取り扱うため、商品の製造にかかるコストは抑えられるものの、開発コストが多くかかるケースが主です。

なぜかと言うと、一つまたは少数の商品を販売するビジネスモデルであるため、確実に売れる商品を開発する必要があります。多数の商品を取り扱う総合通販サイトの場合、どれか一つの商品がヒットすれば収益化が可能ですが、単品リピート通販はその点がデメリットになるのです。
 

リピート通販の仕組みを構築する必要がある

単品リピート通販を運用するうえで、仕組みの構築を要する点がデメリットになると言えます。一般的な総合通販サイトなどと違い単品リピート通販は、「定期購入の仕組み」などといった専門的な知識を要する仕組みの構築が必要です。
 
単品リピート通販に必要な仕組みには、「広告効果測定機能」「定期購入分析機能」「フォーム一体型LP機能」「アップセルLP機能」「ステップメール機能」「定期購入機能」「同封物管理機能」などが挙げられます。複数のシステムを組み合わせる方法もありますが、これらの仕組みがオールインワンになっているECカートシステムを導入すると構築の手間が省けるためおすすめです。
 

ブランディング・プロモーションコストがかかる

一度購入に至った顧客が継続して購入してくれる点が、単品リピート通販のメリットですが、一方で新規顧客の獲得にはブランディングやプロモーションコストがかかってしまいます。

定期コースの購入は単発で商品を購入するビジネスモデルと比較して、購入までのハードルが高く、購入に至るまでの集客からナーチャリングにコストをかけることが重要です。

また、多くの単品リピート通販では、メーカーから仕入れた商品を販売するのではなく、自社開発の商品を取り扱うため、ブランディングにも力を入れる必要があり、これらにかかる予算を準備しておかなければなりません。

単品リピート通販と総合通販の違い

単品リピート通販と比べて総合通販は、基本的にメーカーから仕入れた商品を販売するビジネスモデルです。メーカーから商品を仕入れているため、同じ商品が別の総合通販サイトや販売店に並ぶ場合があります。そのため競合他社との価格競争が起きやすいと言えます。
 
一方で単品リピート通販は、主に自社で開発した1つまたは少数の商品を取り扱うため、競合他社との価格競争に巻き込まれにくい特徴があります。また、ブランディングや認知、コンバージョンに必要なプロモーションコストが多くかかるため、顧客1件あたりの獲得コストが総合通販に比べて高くつくデメリットも存在します。
 
【「単品リピート通販」と「総合通販」の違い】

項目 単品リピート通販 総合通販
商材 化粧品・健康食品(消費財) 家電・アパレル・雑貨など
商品数 単品種単品目 多品種多品目
価格競争 発生しづらい 発生しやすい
利益率 高い 低い
獲得コスト(CPA) 高い 低い
リピート率(継続率) 高い 低い

単品リピート通販とD2Cの親和性

D2Cとは「Direct to Consumer」の略称で、メーカーやブランドが販売業者を介さず、ダイレクトに消費者と取引をするビジネスモデルです。メーカー直販のビジネスモデルになるため、少ない商品ラインナップであるケースが多く、明確なブランディングと最適かつ合理的な価格設定をもとに販売戦略を組みます。

一方で単品リピート通販も、一つの商品を定期コースで購入してもらう部分や、自社商材を取り扱うため明確なブランディングが必要になる点、リピート回数に応じたサービス・特典の付与などをもとに販売戦略を組む部分など、多くの点でD2Cのビジネスモデルとマッチします。
 
つまり、メーカーやブランドが顧客と直接つながり、商品の改善がしやすいD2Cと、単品リピート通販は軌を一にする部分が多いため、単品リピート通販とD2Cは親和性が高いと言えるのです。

単品リピート通販の始め方・立ち上げ方

単品リピート通販を始めようとしている方は、この機会に立ち上げ方を知っておきましょう。本章では、単品リピート通販の始め方・立ち上げ方において重要性の高い「立ち上げにかかる必要の算出」と「特化したECカートシステムの導入」について解説します。

立ち上げにかかる費用を算出

単品リピート通販の立ち上げにかかる費用は正確に計算して計画を立てる必要があります。立ち上げにかかるコストとして、主に「商品製造コスト」「LP制作費用」「仕組みの構築費用」「決済手数料」「コールセンターの運営費」「広告宣伝費」「配送にかかる運送費」「運営にかかる人件費」が挙げられます。

 

必要なコスト 概要
商品製造コスト 自社商材を主に取り扱うため、商品開発・製造コストが必要になる。
LP制作費用 広告から誘導するための、LP(ランディングページ)を制作する必要がある。
仕組みの構築費用 定期通販を実現するECカートシステムの導入など、仕組みの構築にコストがかかる。
決済手数料 外部の決済サービスを利用して取り引きするため、販売するごとに決済手数料がかかる。
コールセンターの運営費 クレーム対応など、顧客のフォローに必要なコールセンターを運営するコストが必要になる。
広告宣伝費 新規顧客の集客に必要なブランディングや広告の予算が必要になる。
配送にかかる運送費 商品を販売するごとに、顧客に配送するための運送費が必要になる。
運営にかかる人件費 事業規模にもよるが、単品リピート通販の運営は一人で

は難しいため、運営に必要な人件費がかかる。

このうち「仕組みの構築費用」の部分で「定期通販に特化したECカートシステム」を導入すると、コールセンターの運営費や広告宣伝費、運営にかかる人件費などを削減できる可能性が高まります。

「単品リピート通販」に特化したECカートシステムの導入

単品リピート通販を始めるにあたって、ビジネスモデルに最適なECカートシステムを選ぶことが重要です。ECカートシステムとは、通販サイトを通して商品を販売するために必要な一連のシステムを指します。
 
汎用的なECカートシステムは、主に総合通販サイトに適した仕様であるため、単品リピート通販に必要な機能が備わっていない場合があります。そのため単品リピート通販を立ち上げるにあたっては、定期通販に特化した機能を備えたECカートシステムを導入しなければなりません。

例えば「侍カート」のように、単品リピート通販向けの専門的な機能を兼ね備えたオールインワンECカートシステムを導入し、効果的なビジネスの運用を目指しましょう。
 
単品リピート通販に特化した機能には主に「広告効果測定機能」「定期購入分析機能」「フォーム一体型LP機能」「アップセルLP機能」「ステップメール機能」「定期購入機能」「同封物管理機能」が挙げられます。

定期通販・単品リピート通販に特化したECカートシステムを導入すれば、運用担当者にかかるリソースをシステムにより自動化し、作業工数の削減はもちろん、ヒューマンエラーのリスク防止も同時に実現できるようになります。

単品リピート通販における成果の出し方

単品リピート通販を運営している方はもちろん、これから始める方も知っておきたい成果の出し方を解説します。単品リピート通販で成果を出すうえで、「顧客LTV向上を目的とした施策の展開」「新規顧客獲得の限界CPOと顧客LTVを連動させる」「商品の改善を怠らない」といった、大きく3つのポイントをおさえておきましょう。

顧客LTV向上を目的とした施策の展開

単品リピート通販では、獲得した顧客の離脱をいかに防ぎ、LTV(顧客生涯価値)を向上させるかが非常に重要です。

LTVの向上を目的とした施策の一例として、商品購入後のアフターフォローに関わる施策が挙げられます。ステップメールや同梱ハガキ、DMなどの手法を活用して顧客との接点を作りましょう。また、顧客のリピート率に応じたポイントの付与やクーポンの配信など、ダブルメリットを付けるなどの工夫も重要です。
 
さらに商品購入で得られる未来の自分、大切にしたい生き方・価値観、などをブランディングやプロモーションの段階で織り込んでおくことも継続利用のポイントとなります。ブランディングやプロモーションの戦略に適した集客チャネルを選択し、Web広告・テレビCM・オフライン広告などを通してアプローチしましょう。

新規顧客獲得の限界CPOを顧客LTVと連動させる

単品リピート通販では、新規顧客獲得にかかるCPOの限界値と顧客LTVを連動させることが重要です。CPOとは「Cost Per Order」の略称で、新規顧客の受注1件あたりにかかった広告費を意味する指標になります。

一方でLTVとは「Life Time Value」の略称で、直訳すると「顧客生涯価値」と呼ばれる指標になります。同指標では、一人の顧客が初めて商品を購入してから購入しなくなるまでの期間に、自社に対してどれだけ利益をもたらしたかを算出します。
 
例えば、リピート性のない10,000円の商品を販売した場合、商品に対してのLTVはおおよそ10,000円と計算できるでしょう。対してリピート数が平均3回の10,000円の商品を販売する場合、LTVは30,000円と単純計算できます。

売価のうちの20%を広告宣伝費に割り当てている場合、前者の限界CPOは2,000円となりますが、後者の限界CPOは6,000円となり、かけられる広告費の幅が変わってきます。つまり定期購入が基本の単品リピート通販において、販売する商品の限界CPOと顧客LTVを連動させれば、かけられるプロモーションコストなどが適切に算出できるようになるのです。

集客方法・商品の改善を怠らない

単品リピート通販では、主に一つの商品を販売するため、常に効果的な集客方法を選択し続ける必要がある他、カスタマーボイスに沿った商品改善が重要な施策となります。一度離脱したユーザーを再度購入に結びつけるのは難しいため、保有するリストをいかに効率よくユーザーに引き上げるかがポイントになります。

スマートフォンが普及し、情報の伝達速度が非常に早い現代において、常に集客方法や商品をブラッシュアップし続けなければ、ネガティブな口コミが広がるなどして、売上に大きな影響を及ぼす可能性があります。
 
カスタマーボイスはもちろん、新規購入者数や継続率、離脱率などのあらゆるデータを適切に分析し、Web広告などの集客方法を改善する他、商品自体の改善も怠らないようにしましょう。

単品リピート通販 まとめ

単品リピート通販について、その意味から、メリット・デメリット、よく比較される総合通販との違い、D2Cとの親和性、事業の立ち上げ方法、成果の出し方などを含めて幅広く解説しました。単品リピート通販ならではの特徴や、戦略を理解したビジネスの進行が必要だと分かっていただけたかと思います。

単品リピート通販を運用しているがさらに売上の拡大を目指したい方、これから単品リピート通販を始めたい方は、この機会にビジネスモデルに特化したオールインワンのECカートシステム「侍カート」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
 
侍カートには単品リピート通販に必要なすべての機能が備わっているため、運用にかかる様々なコストを削減できる他、効率的な定期通販の仕組みを構築可能です。
 
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