LINE公式アカウントの運用方法と施策例をご紹介
今、集客効果や購入率などを高める目的で、LINEを活用する企業や店舗が増えています。ビジネス向けに使われるのがLINE公式アカウントですが、実際的なノウハウや知識が不足していると、運用がなかなかうまくいかないのが現実です。
本記事では、LINE公式アカウントの取得の仕方や基本的な運用方法、LINE公式アカウントを使用した集客・販促施策、運用で直面しがちな課題など、LINE公式アカウントの運用について網羅的に解説します。今後、自社や自店舗などでLINE公式アカウントの活用を検討している方はぜひご参照ください。
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LINE公式アカウントとは
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LINE公式アカウントとは、企業や店舗などが顧客や消費者とコミュニケーションを取るために運用するビジネス用のLINEアカウントです。LINEはいまや日本全国で9,200万人以上、全人口の実に7割以上が使用しているアプリです。LINEをビジネスで活用すればそれだけ多くの消費者とつながる可能性が広がります。
LINE公式アカウントには「承認済み」と「未承認」の2種類があります。LINEで定める審査を通過したアカウントは「承認アカウント」と呼ばれ、以下のメリットが得られます。
- ・青色の認証バッジが付与される
- ・ユーザーがLINEアカウントを検索した場合に検索結果内に表示される
- ・請求書決済が利用できる
未承認アカウントは審査を受ける必要がなく、誰でも開設可能ですが、アカウントの検索結果に表示されないのと、請求書決済が利用できない点で違いがあります。
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LINE公式アカウントの作り方・作成手順
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LINE公式アカウントの作成の手順を簡単にご紹介します。
- 1.アカウント作成ページから [LINE公式アカウントの開設(無料)] にアクセスします。
- 2.[アカウントを作成] をクリックします。既存のLINEアカウントを利用する場合は、[LINEアカウントで登録] すると、開設が完了します。メールアドレスでの場合は [メールアドレスで登録] をクリックして、表示される画面で必要項目を入力して完了します。
- 3.管理画面にログインします。
- 4.設定メニューで、アカウント名やステータスメッセージ(アカウント名の直下に表示される短いメッセージ)などの基本情報を設定します。未承認アカウントの場合は、[承認ステータス] から承認アカウントの申請も可能です。
- 5.[あいさつメッセージ] (友だち追加してくれたユーザーに自動で送信するメッセージ)を設定します。個人のLINEアカウントなどを友だち登録して、[あいさつメッセージ] の配信テストを行います。
- 6.公開設定で、[検索結果で表示] を [表示] に設定すれば、完了です。
LINE公式アカウントは無料で開設でき、1か月の配信数1,000通までならお金はかかりません。有料プランは月額5,000円のライトプランと月額15,000円のスタンダードプランの2種類。メッセージの配信通数や上限を超えた場合の従量課金に違いがあります。
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【基本編】LINE公式アカウントの運用方法
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LINE公式アカウントを使ってどのようなことができるのか、複数の運用方法をご紹介します。
LINE公式アカウントを使えば、友だちになってくれたユーザーにメッセージを配信できるほか、1対1あるいはユーザーグループとのチャットも可能です。問い合わせがあってもすぐに返信できない場合はAI応答メッセージが活用できます。テキストや画像を1つのビジュアルにまとめる「リッチメッセージ」で訴求力のあるメッセージを配信したり、トーク画面にクーポンやショップカードなどを表示したりすることも可能です。友だち追加してくれたユーザーに向けて「メッセージ配信」を行う
個人アカウントでは、友だち登録をしてくれたユーザーにテキストや画像、動画、スタンプなどを使用してメッセージを配信しますが、LINE公式アカウントでも全く同じ操作が可能です。
友だちになってくれたユーザー限定で、新商品・サービスの情報やお得なキャンペーン情報、お役立ちコンテンツなどを配信することで、販促や集客などに活用できます。メッセージ配信の場合、友だちになってくれたユーザーにはプッシュ通知が表示されるため、時系列で下の方へ流れてしまうタイムラインへの投稿よりも高い開封率が期待できます。
1回の配信で最大3つのメッセージを表示できます。メッセージ作成の際に、メッセージの配信先や配信日時などを設定します。配信先は全員にするか、あるいは100人以上の友だちがいる場合は、属性などで絞り込んでの設定も可能です。ユーザーと1対1でチャットができる「LINEチャット」の活用
通常の個人アカウントと同じく、LINE公式アカウントでもユーザーと1対1のLINEチャットを活用できます。顧客からの問い合わせ対応や予約受付など、電話の代わりとして活用されています。
電話で問い合わせや予約を受け付けている場合、作業中で手が空かない、人数が足りず手が回らないなどの理由で対応できない場合があります。そのため、ビジネス機会の損失や顧客の不満を招く恐れがあります。
LIINEチャットなら、画面に残ったトーク履歴を確認して、手隙の時間に対応できます。休業日や休憩時間などに入ってきた連絡も、LINEチャットなら後で対応が可能です。時間や場所に縛られず、いつでもどこでも対応可能なのも大きな魅力です。すべてのやりとりが履歴として残るので、顧客管理の手間も省けます。メッセージに自動応答する「AI応答メッセージ」の設定
AI応答メッセージは、ユーザーからチャットで送られてきたメッセージに対して、AIが自動で応対してくれるメッセージ機能です。
例えば休業や休憩時間などの不在中、あるいは接客中などで手が開かないタイミングでユーザーからメッセージが入っても、とりあえず自動で返信を送れるので、相手を待たせる心配がなく、満足度低下を防止する効果が期待できます。通常の応答メッセージ機能では、ユーザーからの問い合わせに含まれるキーワードをもとに、事前設定しておいた返信メッセージを表示します。AI応答メッセージの場合、AIがメッセージ内容を判別して適切な返信を表示してくれるため、事前に返信内容を設定する手間が省けます。
AI応答メッセージでは対応できない複雑な問い合わせの場合は手動に切り替えるなど、対応を割り振りする運用も可能です。画像・テキストをビジュアル化する「リッチメッセージ」の配信
リッチメッセージとは、テキストと画像あるいは動画を、1つの吹き出しに簡潔にまとめて配信するメッセージ機能です。視覚的なインパクトが強いため目にとまりやすく、一度に多くの情報を伝達できます。
リッチメッセージは簡潔にまとまった広告のような体裁で、商品やサービスの特徴を端的かつ魅力的に訴求できるため、テキストだけのメッセージよりも、もっと多くのユーザーが読んでくれる可能性が期待できます。画像にはリンク先のURLも設定できるため、クリックしたユーザーを目的のWebページへと誘導し、より詳しい内容を案内するといった運用が可能です。1つのリッチメッセージには最大6つのリンク先あるいはクーポンを設定可能です。
ユーザーの画面下部を占める「リッチメニュー」の設定
LINE公式アカウントの下部に、リッチメニューを展開できます。リッチメニューはクーポンやショップカード、外部サイトへのリンクなど、ビジネスで活用したい項目をバナー表示できる機能です。リッチメニューは常に画面下部で固定されているため、通常のメッセージよりも高いクリック率を促進できるのがメリットです。
たとえば求人紹介サイトの場合、リッチメニューに「単発」「短期」「長期」など、よく使われる検索キーワードをバナーとして配置し、クリックしたユーザーにそのキーボードで絞り込んだ求人を表示させるなどの運用が可能です。化粧品ブランドのサイトなら、トライアルキット申し込みや新商品紹介など、訴求したい内容をバナーとして配置し、閲覧を促すなどの運用が可能です。サービス利用・来店時にポイントを付与する「ショップカード」の作成
現在、従来の紙製・プラスチック製のショップカードの代わりに、スマートフォンの専用アプリでカードやクーポンを発行・管理するビジネスが増えてきました。LINE公式アカウントでも、リッチメニューを利用して、トーク画面の下部にショップカードを作成・表示できます。
ユーザーは普段のLINE画面を開いてポイントを貯めたり特典と交換したりできるため、使い勝手の面で従来のカードと全く同じです。紛失のリスクや携帯の手間もなく、むしろ利便性は高まります。
企業や店舗にとっても、カード制作・発行コストを削減でき、ポイントもQRコードの読み取りで簡単に付与できます。特典も何ポイントで何を提供するかなど自由な設定が可能で、運用次第で集客効果を高められます -
【応用編】LINE公式アカウントを使った集客・販促施策
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LINE公式アカウントを使った集客・販促施策をご紹介します。
LINE公式アカウントでは、紙のクーポンの代わりにデジタルクーポンを発行して来店や購入を促進できます。また、LINE広告の運用を通じて、新規友だち獲得を促進できます。ステップ配信機能を使えば、条件が合致したユーザーに適切なメッセージを適切なタイミングで配信することも可能です。
LINE公式アカウントを活用した販促施策については、以下のページで詳しくご紹介しています。来店率を向上させる「デジタルクーポン発行・抽選機能」
LINE公式アカウントでは、デジタルクーポン発行機能を利用してクーポンを発行し、友だち登録をしてくれたユーザーに配布できます。紙のクーポンと機能的には何ら変わらず、ユーザーは商品購入時に代金が割り引かれる、プレゼントを贈呈されるなどの特典を受けられます。
クーポンは、友だち登録をしてくれたユーザーにトーク画面で配信することも、LINE VOOMで公開して誰でも獲得できるようにすることも可能です。クーポン取得がきっかけで店舗を訪問する人、商品を購入する人が増え、来店率や購入率の向上につながります。
また、抽選機能を利用してクーポンの取得者数を絞り込むことも可能です。当選の確率は1〜99%の範囲内で設定できるほか、取得人数の上限も設定可能です。人数限定クーポンならよりプレミアム感が高まります。広告で友だち追加を促す「友だち追加広告」
友だち追加広告とは、LINE公式アカウントから「LINE広告(友だち追加)」を追加する機能です。広告の掲載を通じて、新規ユーザーに友だちの追加を促進できます。
LINE広告の場合、そもそもユーザー数が膨大なので、それだけ圧倒的な配信ボリュームが獲得できる上に、幅広い年代の新規ユーザーと接触できる可能性が広がります。年齢・性別などの属性に基づいてターゲットを絞り込み、より広告の運用効果を高めることも可能です。
また、少額からでも出稿できるため、予算が限られる業者にとって利用しやすいのもメリットです。手応えを見ながら徐々に出稿金額を増やしていく運用にも適しています。LINE広告は、画像などの素材さえあればプロの手をかけずともLINE公式アカウントのWeb版の管理画面から簡単に出稿できるのも大きな魅力です。
適切なタイミングでメッセージを配信する「ステップ配信」
「ステップ配信」は、LINE公式アカウントで利用できるメッセージ配信機能の1つです。特定の条件にマッチした友だち登録済みのユーザーに向けて、事前設定しておいた複数のメッセージを、間隔を空けながら段階的に配信する機能です。属性の違いにより、ルートを分岐させて別のメッセージを配信するなどのより複雑な運用にも対応しています。
全ユーザーに同じ内容のメッセージを一斉配信するのとは異なり、ステップ配信では年齢や性別、居住地などの属性や友だち追加後の経過日数などに合わせたメッセージの設定・配信が可能です。より自然な流れでのコミュニケーションが実現し、集客率や購入率の向上、ブロック率の低下などの効果が見込めます。ステップ配信はいったん設定すればあとは自動配信してくれるので、個々のユーザー別にメッセージを作成する必要がなく、従業員の運用負荷を減らせる効果もあります。
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LINE公式アカウント運用で直面する課題例
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LINE公式アカウントを活用することで、さまざまな集客・販促施策が実施できますが、その一方でさまざまな課題にも直面します。
よくある課題の1つに、LINEのユーザー層が幅広いため、ターゲットの絞り込みや適したメッセージの準備が難しい点があります。また、LIINE公式の運用に十分な時間が割かれないない、既存の顧客情報とのデータ連携や紐付けがうまく進まない、などの課題もあります。
以上3つをポイント別に詳しく解説します。「誰に」「何を」配信したらいいか分からない
せっかくLINE公式アカウントを取得したものの、誰に何を配信したらよいかわからないという課題があります。LINEユーザーは全国の幅広い年代にまたがっており、学生や会社員、主婦など、職業も多種多様。ターゲットが明確でないと適切なメッセージも準備できず、不特定多数を相手に効果が薄い施策を繰り返す結果になりかねません。
このような状況を避けるには、「友だち追加」をしてほしいターゲットはどのような人物かを推測・分析し、その特徴を踏まえて、どのようなメッセージを配信するかの検討が重要です。何が最適解かはすぐには見つからないので、最初は試行錯誤を繰り返しながら運用をし続けていく必要があります。例えば、競合のLINE公式アカウントに友だち登録して、どういった活用をしているか、運用方法を学ぶのも1つの手です。
アカウント運用にかけられる時間が少ない
LINE公式アカウントの運用にかける時間が不足することも、課題の1つです。その場合、LINE公式アカウント運用が自社サービスの集客・販促施策としてしっかりと位置付けられていない可能性があります。LINE公式アカウントを含めた各チャネルで実施する施策と優先順位を決め、各施策の運用に必要な作業工数なども可視化していく必要があります。
例えば、人手不足や多忙などの理由で明らかに時間がない、運用できるリソースがないといった場合は、外部のプロの力を借りるのも1つの手です。自社にはノウハウがない場合でも、LINE公式アカウント運用を代行する会社に運用を依頼すれば、高い運用効果が期待できます。既存の顧客データとの連携・紐付けに時間と手間がかかる
ある程度友だちが増えると、LINE公式アカウント運用による集客・販促施策の成果が出てくるものの、既存の顧客データとの連携・紐付けがうまく進まないなどの問題も発生します。昨今のマーケティング戦略で重要視されているLTV(顧客生涯価値)を向上させるためにも、顧客データを一元管理し、顧客起点の最適なチャネル配信が実現する仕組みを設計することが重要です。
LINE公式アカウントとのデータ連携に対応する顧客データ管理システムがあれば、LINEのユーザーデータを顧客情報と結びつけ、個々のユーザーや顧客に適したアプローチを取ることが可能です。たとえば、個々の店舗やブランドごとにLINE公式アカウントを個別運用しているようなケースでも円滑にデータ統合を進め、LINEを中心とした集客・販促施策にデータを活用できます。 -
LINE公式アカウント運用の効果を最大化する「MOTENASU」のご紹介
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LINE公式アカウントを単体で運用しても、ある程度の効果は見込めるようになります。しかし、より高度なマーケティング施策を実施するには、顧客データを一元管理し、最適なタイミングでメッセージを配信してくれるMA(マーケティングオートメーション=マーケティング施策関連業務を自動化するツール)や、CRMツールの活用がポイントとなります。
MA/CRM一体型の「MOTENASU」なら、LINE公式アカウントとの連携を通じて通常のメッセージの一斉配信はもちろんのこと、より個々のユーザーの属性や購入状況などに応じたメッセージの出し分けが可能となります。例えば、顧客ランクや商品購入日、購入回数、WEBアクセス日時、などのセグメントを顧客に紐付けておけば、設定した配信シナリオに沿って自動的にメッセージ配信を行うことができます。
【配信シナリオ例】- ・ECで商品Aを購入されたお客様に自動的にメッセージを送信 / または表示するリッチメニューを変更
- ・指定したWEBページにアクセスしたお客様に自動的にメッセージを送信
- ・特定の流入元からアクセスしたお客様に自動的にメッセージを送信
ポイントは、顧客1人ひとりの行動履歴を細かく追うことができ、かつMA/CRMの特徴である「自動配信」のメリットを残している所になります。MOTENASUであれば、ユーザーに特別感・おもてなしを提供すると同時に、担当者の負担を減らすことができるのです。
また、MOTENASUには複数のLINEアカウントを管理・運用できる機能が搭載されており、例えば、企業LINEアカウントと店舗ごとのアカウント、ブランドごとのアカウントなどを統合管理することができます。もちろん複数のLINEアカウントを統合管理するだけでなく、各店舗の「お友だち」だけに限定してLINEメッセージを配信することも可能です。
【複数LINEアカウント統合後のメッセージ配信例】- ・企業アカウントのお友だち、各店舗アカウントのお友だちを対象にメッセージ配信
- ・A店のお友だちだけにメッセージ配信
- ・A店とB店のお友達だけにメッセージ配信
通常LINE公式アカウントだけの運用であれば、これらの配信は各アカウントの管理画面で実施する必要がありますが、MOTENASUを活用すれば1つの管理画面から一度に操作を行うことができます。つまりMOTENASUは、顧客をセグメントに紐付けてきめ細かなアプローチを実現すると同時に、メッセージの効率的な一斉送信も実現するMA/CRMツールなのです。
今回はMOTENASUとLINE連携のメリットについてお伝えしましたが、MOTENASUには他にも「到達率・開封率の高いSMSとの連携」や、「ユーザーに特別感を与えるDM郵送との連携」など、様々なチャネル横断施策を実現するための機能が備わっています。この機会に自社のマーケティング戦略・CRM戦略をアップデートしてみてはいかがでしょうか。MONETASUに関する詳しい情報は以下のページからご確認ください。
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Marketing Automation System "MOTENASU"
マーケティングオートメーションシステム"MOTENASU"の紹介資料です。 "MOTENASU"に関するサービス内容や事例・料金などを知りたい方は 是非ご覧ください。