SMS(ショートメール)による販促のメリットとは?主な活用シーンと他の販促ツールとの比較

近年、販促ツールにSMS(ショートメール)を利用する現場が増えてきました。電話番号のみで送信できるSMSには、到達率の高さや開封率の高さなど、EメールやSNSでのメッセージ配信とは違うさまざまなメリットがあります。

 

既にEメールやSNS、郵送DMによるマーケティング施策を実施している場合でも、複数のチャネルを掛け合わせることで、さらに高い効果が期待できます。本記事では、SMSによる販促のメリットや主な活用シーン、他の販促ツールとの比較について分かりやすく解説します。

SMS(ショートメール)とは

SMS(ショートメール)とは、スマートフォンなどの電話番号を利用したメール送信の手段です。電話番号のみで送信できるため、Eメールアドレスが分からない相手に送信したい場合にも有効です。
 
近年では、販促やマーケティング活動の手段の1つとして利用されるケースも増えてきました。メルマガやステップメールなどによく利用されているMMS(マルチメディアメッセージングサービス)とは異なるメリットがあるため、他のチャネルと併用されるケースも少なくありません。

販促におけるSMSのメリット

販促におけるSMSのメリットとして、電話番号のみで送信可能な点や、宛先を変更されにくい点、開封率の高さなどが挙げられます。ここでは、販促にSMSを活用する3つのメリットについて詳しく解説します。

電話番号があれば送信できる

SMSのメリットの1つに「電話番号を取得すれば送信できる」というものがあります。Eメールアドレスや氏名・住所などの個人情報を把握していない顧客でも、電話番号が判明していれば送信できるため、販促活動の手段の1つとして有効です。
 
例えば、電話で問い合わせを受けた場合に、電話番号以外の個人情報を取得できなくてもSMSを活用すればメッセージを送信できます。

宛先を変更されにくい

SMSには、Eメールアドレスに比べて宛先を変更されにくいというメリットもあります。機種変更の際にキャリアを変更したとしても、MNP(ナンバーポータビリティ)を活用して電話番号を変えずに契約するケースが多いため、同じ電話番号を長期にわたって使用できます。
 
同じ電話番号を維持し続ける人が多いということは、配信したメッセージが顧客に到達しやすいことを意味しており、マーケティング活動をスムーズに継続できます。

開封率が高い

SMSはEメールなどに比べて開封率が高く、自社が届けたいメッセージを顧客に伝えやすいという特徴があります。

SMSnaviが実施した調査「コミュニケーションツールに関するアンケート」によれば、SMSの平均未読数はEメールの約3分の1ということでした。また、「メッセージを見ないで消す人」の割合が、Eメールは39%であるのに対し、SMSはわずか13%です。

SMSのプッシュ通知機能をオンにしている人も多く、Eメールに比べて目に留まりやすいのもメリットの1つです。前述の調査によれば、プッシュ通知をONにしている人の割合は、Eメールでは39%に留まりますが、SMSは69%にも上ります。

SMSと他の販促ツールとの比較

SMSの他にも、EメールやLINEはじめとしたSNS、郵送DMなど、販促ツールは複数あります。それぞれ特徴や向き不向きのケースが異なり、販促ツール選びがマーケティング活動の結果を大きく左右します。そこで、SMSと他の販促ツールを比較して、特徴やメリットについてまとめました。

Eメール

Eメールは、実質無料で送信できるということが最大のメリットであり、また顧客のメールアドレスを取得するだけで送信できるという魅力もありますが、「すぐに宛先を変更されてしまい使えなくなる可能性がある」「他のEメールに埋もれて開封されないリスクが高い」という点がデメリットです。
 
一方、SMSは変更されることが多くない電話番号宛てに送信するため、Eメールに比べて到達率が高いというメリットがあります。また、プッシュ通知によって相手が受信を即座に把握できるため、開封率は高い傾向です。
 
ただし、コスト面ではSMSの方が高くなる可能性もあります。Eメールの場合、前述の通りメール配信ツールを利用しない限り送信に特別なコストはかかりませんが、SMSは1通当たり8~15円程度のコストがかかります。
 
また、配信できる情報量・内容についても違いがあります。Eメールの場合は数千文字の容量がありHTML形式で装飾も可能な一方、SMSは全角670文字までのテキストしか送信できません。

LINE

LINEは、日本における利用率が非常に高く、多くの人にとって手軽にメッセージを確認できる点がメリットです。
 
全角670文字でテキスト形式のみであるSMSに対して、LINEは送信可能な文字数が多く、より密度の高い情報を詰め込める点も特徴といえます。画像やスタンプも使用でき、コンテンツ形式もある程度自由です。
 
前述の通りSMSは1通当たり8~15円程度がかかる一方、LINEは「LINE公式アカウント」のプランに応じて1通当たり無料〜5円ほどと送信コストが安いという違いもあります。
 
SMSは電話番号さえ取得すればメッセージを配信できますが、LINEの場合はLINEを利用している顧客で、なおかつ友だち登録されている人にしかメッセージを配信できないため、友だち登録を増やすための取り組みは欠かせません。
 
LINE公式アカウントを活用すれば、店舗アカウントやブランドアカウントなど、自社の複数のアカウントを使い分けて、最適なタイミングで最も相応しいアカウントから顧客へアプローチが可能です。このように、「One to One」のコミュニケーションを柔軟に図りたいのであれば、効果的なツールといえるでしょう。
 
関連:LINE公式アカウントの販促施策効果はCRM連携で最大化できる

郵送DM

郵送DMは、インターネットや携帯電話を使わない層に向けても確実にアプローチできる点がメリットです。また郵送DMは実際に手に取ってもらいやすいことから高い開封率・閲覧率が見込め、さらにデザインの自由度も高いことから視覚的に訴求しやすく、アクションを促しやすいという魅力もあります。SMSは携帯電話番号さえあれば配信できるとはいえ、「自分の携帯電話を持っていない」「携帯電話が使えない状況にある」という人には配信できませんが、郵送DMであれば正しい住所さえあればアプローチできます。
 
一方で、即時送信できるSMSに比べると、郵送DMは届くまでに数日間かかる点はデメリットといえるでしょう。また、1通当たり8~15円程度のSMSに対して、郵送DMは1通当たり50〜100円ほどの印刷・送付のコストがかかる点にも留意しておく必要があります。
 
郵送DMの効果をさらに高めるのであれば、DMを郵送した後にEメールも送信するなど、チャネル同士を掛け合わせて利用すると、相乗効果を発揮しやすくなります。

販促でのSMS活用場面5選

販促においてSMSを活用できる場面はさまざまです。例えば、キャンペーン通知や限定情報の配信、購入後のフォロー、発送連絡、アンケートの協力依頼、予約リマインドなどが挙げられます。ここでは、主な5つの活用場面について解説します。

キャンペーン通知・限定情報の配信

セールやキャンペーンなど、自社の顧客に対して有益なお知らせがある際に、SMSが役立ちます。一斉配信機能や絞り込み配信機能によって顧客へ手軽にお知らせできるため、業務効率の向上が期待できるでしょう。
 
また、SMSを受信した人だけの特別なクーポンや、限定イベントへの招待など、特定の条件によって配信先を絞り込み、限定情報を通知することも可能です。
 
なおSMSの配信には1通当たりのコストがかかるため、全ての顧客にSMSを配信する「一斉配信」だと送信費用がかさんでしまいますが、CRM/MAツールと連携するなどして本当に配信が必要な顧客を絞り込んで配信することでコストパフォーマンスを高められます。SMS配信にどのようにCRM/MAツールが役立つのかは後述します。

購入後などのフォロー・挨拶

顧客が来店したり、商品を購入したりした後に、お礼のメッセージをSMSで配信する施策も効果的です。購入後に適切なタイミングでフォローできれば、顧客からの信頼獲得や関係構築に役立ちます。
 
また、商品を購入してくれた顧客に対して、次回の購入に使えるクーポンを配信することで、リピーターの育成にもつながります。顧客との信頼関係構築だけでなく、囲い込み施策としても有効です。

商品・郵送DMの発送連絡

商品や郵送DMを発送した後に、発送連絡としてSMSを活用する方法も有効です。通販において、商品が発送されたことを迅速に通知できれば、顧客の信頼性向上に直結します。また、郵送DMの場合は、発送連絡を入れることによって、顧客の開封を促す足掛かりにもなります。
 
休眠顧客への掘り起こしでもSMSは役立つ可能性があるでしょう。例えば、前回の購入から時間の経っている休眠顧客に対して再利用を促す郵送DMを送付する場合、それだけでも十分なケースもありますが、同時にSMSでも通知をしておくとよりDMの案内を意識してもらいやすくなり、販促効果につながる可能性があります。このように、休眠顧客に対して何らかのアプローチを行う場合に、そのコミュニケーションを補足する手段としてもSMSは効果を発揮します。

アンケートの協力依頼

SMSには、アンケートの協力依頼としての使い方もあります。SMSを活用してアンケートへの協力を求めるメールを配信して回答を得ることで、商品やサービスの品質向上につなげたり、顧客満足度の向上を図ったりできます。
 
SMSを活用したアンケートの一例として、コールセンターの満足度アンケートが挙げられます。具体的には、コールセンターに入電があった顧客の携帯電話番号宛に、入電のお礼と満足度アンケート用WebページのURLをSMSにて送信し回答を促すという方法です。SMSそのものでアンケートを実施できるわけではありませんが、高い到達率・開封率のSMSと、コンテンツの自由度の高いWebページを連携させることでアンケートの回収率アップにつなげられます。

予約などのリマインド

美容院やサロンなど、予約が必要な施設におけるリマインドの手段としても、SMSは有効です。数ヶ月前から予約を入れていると、予約したことを忘れてしまう顧客も少なくありません。そこで、予約の日付が近くなったタイミングでSMSによるリマインドを送信することで、来店を促す効果が期待できます。
 
予約リマインドを行うことで、来店忘れによる機会損失を削減するとともに、顧客の利便性向上にもつながります。
 
来店フォローや購入後のフォロー、発送連絡やリマインドなど、SMSに関わるさまざまな運用は、ターゲットの絞り込みや最適なタイミング・内容での配信が欠かせないものですが、これらを手動で行うのは非効率・非現実的といえます。効率的かつ最適なタイミングでSMSを運用するなら、自動配信の仕組みが必要です。

販促用にSMSを利用する際の注意点・コツ

販促用にSMSを利用する際は、特定電子メール法の遵守やシンプルで分かりやすい文面の作成、迷惑メールと間違われないための配慮が必要です。ここでは、販促用にSMSを利用する時の3つの注意点について詳しく解説します。

特定電子メール法を守って導入する

Eメールだけでなく、SMSも特定電子メール法の対象になる場合があります。SMSが特定電子メール法の対象となるのは、マーケティング活動や販促を目的とした場合です。
 
特定電子メール法においては、原則としてあらかじめ同意した相手に対してだけ送信する「オプトイン」を徹底するよう義務付けられており、守らなければ処罰の対象となる可能性もあります。具体的には、「一定事項に関する表示義務」「送信の同意を得た者以外への送信禁止」「送信者情報を偽った送信の禁止」「拒否した者への送信の禁止」などの徹底が必要です。「Eメール配信ではないから」と油断せず、必ず配信前に自社が対象となるかどうか確認しておくことが求められます。

シンプルで分かりやすい文面にする

販促用に作成するSMSの本文は、シンプルで分かりやすい文面であることが求められます。そもそもSMSは全角670文字までの制約があるため、長文の内容は送信できません。限られた文字数で簡潔で伝わりやすい文章を届けることによって、読者が興味を持ちやすくなります。
 
670字の上限いっぱいに情報を詰め込もうとすると、本当に伝えたいメッセージがぼやけるリスクもあるため注意が必要です。書き出しに興味をひくキャッチコピーを盛り込むと、全文を読んでもらえる可能性が高まります。

迷惑メールではないことが伝わるようにする

知らない宛先からSMSを受信すると、相手は警戒して無視・削除するおそれがあります。そのため、迷惑メールではないことが伝わるように、送信者名を分かりやすく表示したり、宛名を表記して無差別メールではないことをアピールしたりする方法が効果的です。また、SMSを送信したことを、EメールやWebサイト、会員アプリなど、他の手段でも知らせる取り組みも有効になる可能性があります。

SMSを販促に活用している事例

SMSを実際に販促に活用している事例として、富士フイルムサービスクリエイティブ社とレバレジーズ社の2つを紹介します。これからマーケティングや販促にSMSの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

富士フイルムサービスクリエイティブ

富士フイルムサービスクリエイティブ社のカストマーコンタクト部では、「顧客からの入電での混雑・待ち時間の削減」「アンケート精度の向上」という2つの課題について、SMSを活用して解決につなげました。
 
同部門では製品の故障・修理に関する相談が毎月8万件ほどあり、SMSの導入以前はほとんど全てを電話で対応していました。長期休暇の後や朝方は問い合わせの電話が集中しやすく、顧客側の待ち時間が長くなりがちだったのです。そこで、電話での問い合わせに対して自動音声で「電話」または「Web」を選択してもらい、後者の場合はSMSで問い合わせ方法を案内するという仕組みで混雑・待ち時間の解消につなげました。
 
従来は満足度アンケート調査をオペレーターが電話で聞き取るという方法で行っていたため、ネガティブな意見を聞き取りにくく、顧客の時間を拘束してしまう問題が生じていたのです。そこで、満足度アンケートの実施をWebに切り替え、SMSでWebアンケートのURLを送信するという運用にしました。こうすることで、アンケート精度の向上、業務効率アップ、回収件数倍増といった成果につながったといいます。

レバレジーズ

レバレジーズ社は転職支援等の人材サービスを複数運営しており、その1つ看護師転職サイト「看護のお仕事」でSMSを活用しています。
 
同サイトではサービス登録時に携帯電話番号の入力を必須としており、担当者が営業目的で架電を行っていましたが、一定期間連絡が取れない利用者に対してはSMSでアプローチを取るという方法に切り替えることで、メッセージを読んでもらいやすいようにしました。
 
また休眠会員へのアプローチも課題だったなか、SMSをメールマガジンのように活用することで利用者との関係維持に努めています。
 
さらに、メールアドレスが分からない利用者が全体の2〜3割に当たるなか、連絡手段としてSMSを活用することで連絡できる層の拡大ができました。
 
なお営業担当者が利用者1人ひとりに手作業でメッセージを送信するのは工数がかかっていましたが、SMSとの連携が可能なCRM/MAツールを導入することで効率化にも成功したといいます。運用体制まで考慮することで、アプローチ層の拡大と工数削減につながった、SMSマーケティングの好例といえるでしょう。

販促用のSMSを配信するならCRM/MAツールがおすすめ

販促用のSMSを効率的に配信するなら、CRM/MAツールの導入がおすすめです。単にSMSの配信を自動化できるだけでなく、社内に眠る膨大な顧客データの管理や、傾向に基づいた行動分析も可能で、顧客ごとに合わせたSMSの配信を行いやすくなります。
 
CRM/MAツールの導入なら、弊社FIDが提供している「MOTENASU」がおすすめです。MOTENASUは、自社で運用している複数のチャネルを統合的に管理し、効率的な情報発信やデータ活用に役立ちます。
 
顧客属性・行動履歴のデータ分析とセグメント化を可能にし、社内のデータを有効活用可能です。また、あらかじめ作成したシナリオに沿ってSMSを自動配信する「シナリオ配信機能」を活用することによって、マーケティング施策の効率化を図り、業務負担の削減とコストパフォーマンスの向上を実現します。
 
SMSのみならずEメールやLINE、郵送DMなど、他の販促ツールも自動化でき、開封率やクリック率などのデータを一元管理可能です。
 
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まとめ

SMSは到達率・開封率が高いといった特徴があり、キャンペーン・限定情報の配信やアンケートの協力依頼、予約などのリマインドといったさまざまなマーケティング活動の場面で活用できます。社内で既にEメールやSNSといった他のチャネルを用いてマーケティング施策を行っている場合でも、SMSと合わせて活用するとさらに高い効果を発揮できるでしょう。

 

SMSを導入する際は、特定電子メール法を遵守し、シンプルで分かりやすい文面を心がけて作成するとともに、迷惑メールと間違われないための対策も万全に行うことが大切です。

 

販促ツールにSMSを活用するのであれば、CRM/MAツール「MOTENASU」がおすすめです。社内の複数チャネルを一元管理し、SMSを含めた情報発信やデータ活用を実現できます。
 
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