LINEの紐付け(ID連携)とは? 仕組みやメリット、簡単な連携方法をご紹介
LINE公式アカウントを活用したCRMが拡大している一方で、「メッセージの一斉配信ではあまり効果が得られない」「ブロックされることも多い」という課題を抱えている企業は多いようです。
そうした課題の解決の糸口は、LINEと自社の顧客情報の紐付け(ID連携)です。自社の顧客情報と紐付けができれば、「LINE友だち」登録していただいた顧客ごとにパーソナライズされたCRMを実施できるようになります。
そこで本記事では、LINEと自社の顧客情報の紐付けの仕組みやメリット、顧客のLINEユーザーIDと自社サービスIDの紐付けをするための秘訣について解説します。
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LINEの紐付け/ID連携とは?
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LINEの紐付け(ID連携)とは、ECサイトやWebサイトなどの「自社の会員ID」とお友だち登録をしてくれている「LINEユーザーID」(アカウント)を紐付けることを指します。
LINEユーザーIDと自社の会員IDの紐付け/ID連携により、企業のLINE公式アカウントのお友だちが自社の顧客データベース上のどの会員であるのかを判別し、データベース上でLINEのユーザー情報と自社会員情報を統合することが可能です。
LINE公式アカウント単体では、以下の情報しか管理・活用することができません。
- ・LINE-ID/メールアドレス
- ・お友だち期間
- ・性別
- ・年齢
- ・OS
- ・居住エリア(地方)
- ・予約受付情報
さらに、このうち「性別」「年齢」「居住エリア(地方)」は、あくまでもLINE上でのユーザーの活動から推測される「みなし属性」であり、十分なパーソナライズには限界があります。
しかし、LINEユーザーIDと自社の会員データのID連携を行うことによって、上記の基本情報に加え次のような情報をLINEの各ユーザーに紐付けることができるようになります。
個人情報 メールアドレス、住所、電話番号、年齢、性別 など 売上・受注データ 購入金額、購入製品、購入日など 行動履歴データ WEBアクセス日時、購入店舗、カート履歴、メールやSMSの開封有無 など
仮に自社がLINEユーザーAと顧客Aが同一人物であると分かっていても、これらのID情報がデータ上で紐付けがされていなければ、データ上ではLINEユーザーAと顧客Aの情報は別物として扱われます。そのため、自社のデータベース上の顧客情報を用いて、LINEでCRMを実施することはできません。
しかし、ID連携を行いLINEユーザーIDと自社の会員IDを紐付けることにより、データ上でこれらを同一人物であると見なせるようになり、自社のデータベース上の情報を活用したLINE配信/CRM施策が実施できるようになるのです。 -
LINEの紐付け/ID連携のメリット
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ID連携によってLINEのユーザーデータと自社の顧客データベースの顧客情報を紐付けることができれば、「LINE友だち」登録いただいた顧客ごとに、年齢や性別といった属性のほか、サイトへのアクセス履歴、ECサイトでの購入履歴などに応じたアプローチができるようになります。
これにより、個々の顧客ごとに最適なタイミングで最適なアプローチを実施できるようになるため、LINE公式アカウントで配信するメッセージの開封率やクリック率の向上が見込めます。ひいては、LINE経由の問い合わせ数や購入数の増加が可能です。 -
LINEの紐付け/ID連携の注意点
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LINEユーザーIDと自社顧客情報のID連携で双方のデータを紐付けることにより、詳細な顧客情報の管理と高度なCRM実施が可能になりますが、すでに「LINE友だち」登録済の顧客に、後からID連携を行う場合はユーザー(顧客)側のアクションが必要な場合があります。その場合、全ユーザーにLINEユーザーIDの紐付けをしてもらえるわけではなく、むしろユーザーの紐付けは中々進まない可能性があります。ユーザーにとって、利用している別のサービスのIDとLINE-IDを連携させるのは手間であるためです。
そのため、LINEユーザーIDの紐付けを促進するキャンペーンの実施や簡単に紐付けできる環境の整備により、ユーザーに紐付けに意欲的になってもらうことが重要です。例えばID連携のインセンティブとして、商品プレセントやクーポンの配布などをすれば、積極的にIDの紐付けをしてもらいやすくなります。
また、CRMツールによっては、システムから発行したURLやQRコードを通じて「LINE友だち」登録してもらうことで、自動的に顧客データと紐づいた状態(ID連携済の状態)で「LINE友だち」登録してもらうことも可能です。詳しくはこちらをご参照ください。
▶CRM/MAシステム「MOTENASU」のLINEユーザーID連携
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LINEと自社顧客データの紐付け/ID連携により実施できる施策例
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ここからは、LINEの紐付けにより実施できる施策の詳細についてご紹介していきましょう。
ユーザーの状態やフェーズに合わせたシナリオ配信
LINE公式アカウントのステップ配信機能では、お友だち期間や性別など基本的な情報しか活用できないため、あまり効果的なセグメント配信ができません。
しかし、ID連携を行いLINEユーザーIDと自社保有の会員IDの紐付けをすれば、メール開封の有無や購入履歴、流入経路などのユーザーの行動に基いたシナリオ配信を実現可能です。
例えば、サンプル商品の申込みがあったユーザーに次のようなシナリオ配信をLINEで行えるようになります。
申込み直後 お礼メッセージ 7日後 商品利用の感想をヒアリング 10日後 商品購入者のお客様の声を送信
サンプル商品は申込み後に興味が薄れてしまい利用されないこともありますが、上記のようなフォローメッセージにより商品のお試し利用率を引き上げられます。その結果、商品の良さを知ってもらいやすくなるでしょう。
※事前設定されたメッセージを決められた間隔で自動的に送っていく配信をステップ配信と呼び、顧客のアクションやステータス変更に応じて自動的に配信したり、またそのアクションやステータスに応じてメッセージの内容を自動的に変更したりする高度な自動配信をシナリオ配信と呼びます。
▶参考:LTVを向上させるCRMシナリオ例
購入時や申込み時などのリマインド配信
LINEユーザーIDと自社サービスの会員IDの紐付けにより、ECサイトやWebサイトでユーザーが商品の購入や資料請求、セミナー参加申込みなどをした際にLINEでリマインド通知を送信できるようになります。これにより、確認メッセージやサンキューメッセージなどの重要なメッセージをユーザーに受信してもらいやすくなります。
オンライン上での申込み内容はメールで送信するのが一般的です。しかし、メールは確認頻度の少ないユーザーも少なからず存在することや、メールを利用していても迷惑メールに振り分けられメールが届かないこともあります。
一方で、毎日利用するアクティブユーザーの割合が86%にも達しているLINEであれば、重要なリマインドメッセージを確認してもらいやすくなります。その結果、予約後の来店率の低下を防ぐことが可能です。また、購入後の予約内容の変更やキャンセルといったユーザーにとって利便性の高いサービスをスムーズに提供できるようになり、顧客の満足度が高まります。
また、マルチチャネルのCRMツールを使えば、メール配信後に、メール未開封の顧客だけにLINEメッセージを配信する、といったシナリオを組むことも可能です。
▶参考:メール開封など行動履歴に合わせたLINE配信シナリオ
カゴ落ちやお気に入り登録に応じたレコメンド配信
LINEユーザーIDと自社サービスの会員IDの紐付けにより、ECサイトのカゴ落ち履歴や商品のお気に入り登録に応じたレコメンド配信ができるようになります。
例えば、カゴ落ちしたユーザーに対して「商品〇〇をお買い忘れではありませんか?」といったリマインド通知や、お気に入り登録していたものの在庫切れだった商品の再入荷の連絡、商品値下げのお知らせなどをLINEで送信可能です。
レコメンド配信はメールを用いて行われるのが一般的ですが、先述の通りユーザーに見落とされる可能性があります。そこでアクティブユーザー率の高いLINEでレコメンド配信をすれば、メッセージをリアルタイムで見てもらいやすくなります。 -
LINEの紐付け/ID連携もMOTENASUなら簡単! 詳細な顧客情報も追加で入手可能
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LINE運用について以下のような課題を抱えていらっしゃいませんか。
- ・お友だち登録者と既存の顧客リストの紐付けに苦戦している
- ・お友だち登録してもらったが、相手の情報が何もない
- ・お友だち登録後ブロックされてしまい、アプローチ手段が尽きた
CRM/MAシステム「MOTENASU」なら、上記のような課題の解決が可能です。
ここからは、その詳細についてご紹介していきましょう。
認証画面URLへのアクセスだけで紐付け可能
MOTENASU管理画面で発行したLINE認証画面のURLをメールなどで配信し、そのLINE認証画面からユーザーにアクセスしてもらうことでID連携が完了、MOTENASUに登録された自社の会員ID(顧客情報)がLINEユーザーIDと紐付けられます。
新規お友だち登録時に自動で紐付け可能
新規でLINEのお友だち登録をしていただく場合には、以下のようなところへ配置したQRコードやURLリンクを通じてLINEの認証画面にユーザーを誘導し、そこから登録してもらうだけで「LINE友だち」登録とMOTENASUへの登録が同時に完了します。つまり最初から顧客情報と紐づいた状態で「LINE友だち」登録していただいたことになります。
- ・店頭のPOPやチラシのバーコード
- ・メールに記載したURL
- ・WEBサイトのバナー
MOTENASUで発行したLINE登録(認証)用画面には、LINE登録情報だけでなく、MOTENASUへの登録情報も盛り込まれているため、このような手軽な紐付け(ID連携)が可能なのです。
LINE単体で運用している場合でも、詳細な顧客情報を入手可能
ユーザーがLINEのお友だち登録の認証画面にアクセス後、氏名や年齢、住所といった詳細な顧客情報の入力を促す登録フォームに遷移させることも可能です。これにより、LINE単体で運用していて自社に別途顧客情報を有していない場合でも、LINEを通じて詳細な顧客情報を入手可能です。
また、遷移ページにはアンケートも織り交ぜることもできます。性別や年代のほか、例えば店舗来店後に「どなたと来店されましたか」「月にどれくらい来店されますか」といったことを聞くことにより、顧客の新たなセグメント情報を取得することができます。
すでに「LINE友だち」登録済の顧客であっても、LINEからアンケートフォームへ誘導し、追加のセグメント情報を取得することが可能です。
住所や電話番号といった詳細な個人情報の登録を促す場合には、登録のインセンティブとして抽選プレゼントキャンペーンなどを実施するようにしましょう(当選した場合にプレゼントを発送するためという名目があるため、住所や電話番号なども登録していただきやすくなります)。
ユーザーにとってメリットのある提案をすることで、様々な情報も登録してもらいやすくなります。
LINEでブロックされても再アプローチが可能
MOTENASUでは、データ連携ができていれば、メールやSMS、LINE、郵送DMなどの複数メディアを一元管理できます。これにより、LINEでブロックされたユーザーであってもメールなどの他のチャネル経由で再アプローチをすることが可能です。
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LINEと既存顧客情報の紐付け(ID連携)後に可能なCRM施策
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LINEの紐付けが終わってからがMOTENASUの本領発揮です。MOTENASUでは、以下に紹介するような、顧客一人ひとりに最適化されたマーケティングを効率的に行えます。
- ・詳細な顧客情報管理により高精度なシナリオ配信ができる
- ・他のチャネルとの連携強化で多角的なアプローチができる
- ・LINEの複数アカウントを同時に管理・運用できる
ここからは、これらの詳細についてご紹介していきましょう。
詳細な顧客情報管理により高精度なシナリオ配信ができる
LINE公式アカウント単独では、年齢や性別などの基本的な顧客情報の取得しかできず、「30代女性のみ」「関東エリア在住の人」といった大雑把なセグメントしか行えません。これでは興味の無い人にもメッセージが配信されてしまい、開封率やクリック率などの低下につながってしまいます。
しかし、MOTENASUでは、年齢や性別といった基本的な属性情報に加えて、購入金額や購入製品などの売上・受注データや、メールの開封有無、WEBサイトへのアクセス履歴、友だち登録の流入経路、といった行動履歴データの管理・活用も可能です。これらの詳細な顧客情報を活用すれば、一人ひとりの興味関心に合わせた効果的なメッセージを自動で配信することができます。
- ・1万円以上の商品を3回以上購入した顧客に特別キャンペーンの告知
- ・会員登録はしたけれども何も購入していない顧客にのみクーポンを配信
- ・Webサイトの特定ページにアクセスした顧客に割引キャンペーンの告知
- ・キャンペーンページ経由で流入した顧客だけに特別なメッセージを配信
- ・店舗Aのお友だち登録をしてくれた顧客のみにイベントの告知
また、記事中で紹介した「購入や申込みなどのリマインド配信」「カゴ落ちやお気に入り登録に応じたレコメンド配信」も実施できます。
他のチャネルとの連携強化で多角的なアプローチができる
前述の通り、MOTENASUでは、メールやSMS、郵送DMなどの他の配信メディアとの一元管理もできるため、顧客の嗜好に合わせた多角的なアプローチが可能です。例えば「メールを配信したものの未開封であった人にのみ、LINEでメッセージを送付」といった顧客の反応に合わせた訴求ができます。
アクティブユーザーの多いLINEは効果的なチャネルですが、LINEを利用していない顧客やLINEの利用頻度が低い顧客もいるため、LINE以外のチャネルも用いてアプローチすることも重要です。
LINEの複数アカウントを同時に管理・運用できる
MOTENASUでは、複数のLINE公式アカウントの一元管理にも対応しています。店舗別、ブランド別、スタッフ別に複数のアカウントを所有している場合でも、それぞれの利用に際して繰り返しログインし直す必要がありません。したがって、効率的でストレスレスなLINE公式アカウント運用が可能です。
また、次のような対象を絞ったメッセージ配信も行えます。- ・店舗Aのお友だちと企業アカウントのお友だちのみを対象に配信
- ・ブランドアカウントのお友だちのみに配信
- ・特定エリアの店舗アカウントのお友達だけにメッセージ配信
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まとめ
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LINEユーザーIDをデータ連携し自社会員IDと紐付けることにより、LINE活用した高度なCRM施策が実施できるようになります。
LINEでのCRM施策実施に当たって、LINE配信に特化したLINE配信専用ツールを使う方法もあります。しかし、一般的に低価格のLINE配信専用ツールでは、メールやSMSなど他の配信メディアとの一元管理ができないことには注意しましょう。
現在メール配信ツールを活用中の場合、機能拡張のためにLINE配信専用ツールを別途導入するよりも、メールもLINEも一元管理できるMOTENASU導入がおすすめです。一元管理が可能なMOTENASUで運用すれば、運用の手間を削減できます。また、メール配信ツールとLINE配信専用ツールを併用する場合よりも、MOTENASU単体での運用の方がコストを抑えられる可能性があります。
LINEをCRMに活用するなら「MOTENASU」の導入をぜひご検討ください。
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