ステップメールの開封率とは?低い場合の原因と5つの改善策

ステップメールは基本的に開封率の高いメール施策といわれていますが、顧客ニーズに合わない配信をしていると開封率は低下します。そのため、配信のタイミングや時間帯、内容ごとにデータを収集・解析し、それぞれ調整していくことが大切です。

 

本記事では、ステップメールにおける開封率の定義・計算方法や目安、開封率が低い時の原因や改善方法を解説します。

ステップメールの開封率の定義・計算方法

ステップメールの開封率とは、配信されたメールが開封された割合であり、ステップメールの効果を計る重要な指標といえます。開封率を算出する計算式は以下の通りです。
 
開封率(%)=開封数÷有効配信数×100(%)
 
開封率を算出するうえで注意すべきことは、「送信数」ではなく「有効配信数」で計算することです。送信したステップメールのなかには、エラーにより届かないケースがあります。届かなかったメールも含む送信数で計算をすると、正確な開封率を算出できません。そのため、送信数から届かなかったメールの数を引いた「有効配信数」を使い、開封率を算出します。
 
そして、開封率を計算するには開封数を測定しなければなりません。そのためには、アクセス解析ツールやメール配信システム、CRM/MAツールなどの導入が必要です。これらのツール・システムを導入すると、送信するHTMLメールに専用のコードや画像を埋め込む方法で、開封数のカウントができます。

ステップメールの開封率の平均・目安

ステップメールの効果を計るには、業界ごとの平均開封率が参考になります。
BENCHMARKE社のデータによると、小売/消費サービスの平均開封率は「27.29%」でした。
 
ただし、このデータはステップメールだけでなく、メルマガなどのマーケティング用メール全般のデータを含みます。ステップメールはアクションを起こした見込み顧客に一定期間のみ配信を行うため、「メルマガに比べて開封率が高い」といわれるマーケティング手法です。そのため、ステップメールだけの開封率は上記データより高い可能性があります。
 
また商品・サービスの種類によっても開封率は異なるため、紹介した数値が自社の指標として適切であるか一概にはいえません。とはいえ、業界の平均と比べて開封率があまりにも低いのなら、改善すべきところがないか検討するべきといえます。

ステップメールの開封率が低い場合に考えられる原因

ステップメールの開封率が低い原因には以下の3つが考えられます。

  • ・配信するタイミング・時間帯が悪い
  • ・顧客ごとのニーズとずれている
  • ・売り込みすぎている

開封率を改善するためには原因の特定が必須なので、まずは上記の項目に問題がないか確認することが大切です。

配信するタイミング・時間帯が悪い

ステップメールの開封率が低い原因の1つが、配信するタイミング・メール同士の間隔・配信する時間帯などが適切でないことです。「購入」などの起点から、何日後にメールを送るのかなどのタイミングが悪いと開封率は下がります。また、ステップメールがあまりにも短いスパンで送られると、ユーザーは「煩わしい」と思う可能性があるため注意が必要です。
 
忙しい時間帯など、メールを閲覧しにくい時に配信していることで開封率が下がっている可能性もあります。一般的にメールの受信箱を見るのは一日に数回程度なので、ユーザーが読みやすいタイミングや時間帯に送信しないと開封してもらえません。

顧客ごとのニーズとずれている

アクションを起こしたユーザーは、それぞれ違う目的や趣味・趣向を持っています。全てのユーザーに決まった内容のステップメールを配信していると、個別のニーズを捉えられません。ユーザーにとって興味がない内容がメールに含まれるため、開封率が低くなる原因になります。また、広くニーズを満たすためにボリュームを増やしすぎると、さらに興味のない内容が増え、開封率低下の原因になるかもしれません。
 
顧客ごとの興味・関心・ニーズを把握し、それに合わせて異なるメールを送ることが重要。そのためには、顧客の年齢・居住地・性別・行動などのデータを収集、セグメント化しなければなりません。具体的なセグメント化の手法は後述します。

売り込みすぎている

メールの件名や本文から「営業メール」の印象をユーザーに強く感じられてしまうと、興味が失われやすくなります。件名で興味を引くことは重要ですが、「興味を引く=売り込む」ではありません。ユーザーに伝えるべきなのは、商品・サービスそのものより「どのような問題を解決できるのか」です。「新商品の〇〇です」より「〇〇の悩みを解決できる商品は〇〇です」の方が、ユーザーの目に留まりやすくなります。
 
商品・サービスの販売が目的ではありますが、まずはユーザーにとって「自分に関係がある」「役立ちそうだ」と思われるように、件名や冒頭の書き出しはユーザーニーズに焦点を絞り考えてみてください。
 
メールの効果的な配信方法に関する情報はこちらをご覧ください。
 
関連:メルマガを効果的に配信するには?配信時間や書き方などのコツを解説

ECのステップメール開封率を改善する5つの方法

開封率を改善する5つの方法は以下の通りです。

  • ・配信タイミングの調整
  • ・件名・キャッチコピーの見直し
  • ・迷惑メールだと思われない工夫セグメンテーションの実施
  • ・他のチャネルとの併用

1つずつ見直していくと、開封率の改善につながるためぜひ参考にしてください。

配信タイミングの調整

ステップメールを配信する時間帯・曜日・頻度を調整すると、開封率の改善につながるかもしれません。
 
関連:BENCHMARKE社の調査データによると、プライベート用アドレスでは「21時〜23時台」に開封されやすいという結果が出ています。
 
以上のことから、夜間のリラックスタイムにプライベート用アドレスを確認するユーザーが多いと考えられます。そのため、顧客データの収集が十分でない場合は21時〜23時台に配信をスタートしてみるのが無難です。ただし、基本的にはテストと分析を繰り返して「自社の商材やユーザーにとって最適な時間帯・曜日・頻度」を探っていくことが重要になります。

件名・キャッチコピーの見直し

件名はユーザーが開封するか判断する大切な要素です。いくら魅力的な本文でも、件名に興味を引かれなければ開封されません。また、本文冒頭の一文などもメールの通知画面に表示されることがあるため、冒頭のキャッチコピーにも工夫が必要です。
 
件名・キャッチコピーでは「ユーザーにとっての有益性」が重要になります。ユーザーに「自分と関わりがある」と思ってもらえるような件名・キャッチコピーを考えてみてください。また、件名は30文字以内に抑え、はじめの15文字に重要なワードを入れることも大切。なぜなら、15文字以内ならスマートフォンで全て表示できるからです。
 
さらに、「3日間限定」「先着10名様」のように限定感を出したり、「満足度95.7%」「リピート率92.8%」のように具体的な数字を使ったりしても開封率アップにつながります。

迷惑メールだと思われない工夫

迷惑メールだと思われないようにするには、システムに自動判定されないことや、人間が目にして「迷惑メールだ」「詐欺かも」と感じさせないことが重要です。システムの自動判定では以下の対策が考えられます。
 

  • ・短時間で大量のメールを送らないようにする
  • ・リストの定期的なクリーニング
  • ・アフィリエイトURLを貼らない

大量のメール配信やエラーの出るアドレスに継続して配信すると、迷惑メールと判定されやすくなります。また、メールにアフィリエイトリンクがある場合も迷惑メールと判定されやすいので注意が必要です。
 
人間に迷惑メールだと思われないためには、以下の対策が考えられます。

  • ・煽りすぎる内容は控える
  • ・装飾に記号を使わない
  • ・必要のない情報は配信しない

 
迷惑メールは過激な文言や記号による装飾が多い他、ユーザーに必要のない情報であることがほとんどです。ユーザーの興味を引くことは大切ですが、過激な文言や記号による装飾は避けてください。

セグメンテーションの実施

ステップメールは「決められたスケジュールに沿って設定した複数のメールを順番に配信する」というシンプルなルールにもとづくメール手法を指します。段階的にユーザーの購買意欲を高められるメリットはありますが、全てのユーザーに同じメールを配信しては、それぞれ異なるニーズに対応できません。
 
そこで重要になるのが「セグメンテーションの実施」です。ユーザーをセグメント化して、それぞれの特徴・興味・関心に合わせたシナリオを設定する「One to One」に近いメール手法に移行するのが有効な施策になります。
 
具体的な手法は後述しますが、セグメンテーションによるユーザーニーズを捉えたステップメールの配信ができると、以下のようなメリットがあります。

  • ・開封率やクリック率、CV率の向上
  • ・LTVの向上
  • ・顧客との良好な関係構築
  • ・解約率の低下

このように多くのメリットがあるため、セグメンテーションの実施はステップメールの配信において重要な要素です。
 
なおCV率とは「Conversion Rate」(コンバージョン率)の略で、サンプルのうち購入や登録などの成果が達成できた割合を指します。LTVは「Life Time Value」(顧客生涯価値)の略で、1人の顧客が一定期間内に自社の商品やサービスをどのくらい購入・利用したのかを表す指標です。

他のチャネルとの併用

ステップメールは単体で活用するだけでなく、LINEやSMS、郵送DMなど、他のチャネルと連携させることで効果を高められることがあります。ユーザー層によって訴求しやすいチャネルが異なるため、自社のユーザーを分析したうえで効果的なチャネルをメールと併用するのがおすすめです。
 
特に有効なのは、オフラインのマーケティング施策として知られる郵送DMです。メールで訴求できるユーザーはわずか5%程度ですが、2016年「DM利用実態調査」によると、郵送DMでは66.5%のユーザーに訴求できており、その差はメールの13倍以上になります。訴求力の高い郵送DMと併用することで、メールの開封率も改善されるかもしれません。
 
さらに詳しいDMの重要性はこちらをご覧ください。

関連:ネット通販のショートメッセージ活用術!配信方法や役立つ場面を紹介

 
メルマガを改善する施策についてはこちらをご覧ください。
関連:メルマガ改善のためにできる8つの施策例。改善点を見つける4つの指標も解説

ステップメールの開封率の測定・改善にはCRM/MAツールがおすすめ

CRM/MAツールとは、顧客情報の一元管理やマーケティング施策の自動化を実現できるツールです。CRM/MAツールを使えば、メール開封率の分析がしやすいうえに、クリック率・CV率・解約率といった関連指標も一元的に測定できます。さらに、ステップメールから発展させて、セグメント分けや一人ひとりに合わせた効果的なメール配信ができるため、開封率やクリック率の改善が可能です。
 
LINEやSMSなど複数チャネル対応のCRM/MAツールなら、複数のマーケティング施策を一元管理できるため、業務の効率化やコストカットにもつながります。また、各チャネルを組み合わせて相乗効果を上げるマーケティング施策が実行しやすいのもメリットです。

ECのメール効果アップ・LTV改善につながるCRM/MAツールの選び方

ECで利用するCRM/MAツールを選ぶ時のポイントは以下の通りです。

  • ・EC向けの機能・操作性があるか
  • ・セグメント配信ができるか
  • ・アクセス解析機能は十分か
  • ・複数チャネルで連携できるか

全てを満たすCRM/MAツールを導入すると、より効果的なステップメールの配信やLTVの向上につながります。

EC向けの機能・操作性があるか

CRM/MAツールには、大きく分けてBtoB向けとBtoC向けがありますが、ECサイトで利用するならBtoC向けツールの方が便利に使用できます。どちらにも対応できるツールも存在しますが、EC向けに特化したCRM/MAツールの方が、以下のようなEC運用・マーケティングで役立つ機能があり操作性もよいのでおすすめです。
 
例えば「ECカート・基幹システム・POSデータなど、各システム間との連携機能があるか」「ユーザーごとの行動履歴、購入履歴などを収集・管理できるか」などが挙げられます。自社のシステムにマッチする使いやすいCRM/MAツールを選択することが大切です。

セグメント配信ができるか

セグメント配信の有無やセグメント化の機能性はCRM/MAツールにより異なります。効果的なステップメールを配信するためには、メールのリストをセグメント分けし、別々のメールを自動で配信できる「セグメント配信」に対応していることが重要です。セグメント配信に対応していると、ユーザーそれぞれに合ったステップメールを配信する「One to Oneマーケティング」ができます。
 
さらに、その効果を高めるための高度なセグメント化も重要です。例えば、以下のようなユーザーの反応に応じたセグメント化が求められます。

  • ・アンケートに返信した
  • ・商品を購入した
  • ・Aという商品を購入した
  • ・メールを開封しなかった
  • ・メールに記載したリンクにアクセスした

 
このように、多様なケースにも対応できるセグメント化や、それに応じたメールの自動配信ができるCRM/MAツールが、ECのメール効果・LTV向上に寄与してくれます。

アクセス解析機能は十分か

ユーザーが求めるメールを配信するにはアクセス解析機能が重要です。十分なデータの収集・解析ができないと、適切な内容のステップメールを作成できません。ECにおいては、流入経路・売上・受注データ・行動履歴の測定・分析が必要になります。
 
また、ECならメールの効果測定にとどまらず、以下のような分析ができることも重要な要素です。

  • ・REM分析:Recency(最近の購入日)・Frequency(来店頻度)・Monetary(購入金額ボリューム)3つのスコアに分けてユーザーを分析する
  • ・LTV分析:一定期間で1人の顧客から得られる利益を分析する
  • ・定期引き上げ分析:都度購入から定期購入に引き上げるための分析
  • ・CPO分析:1件の受注にかかった費用(Cost Per Order)の分析

このように、高度な分析機能があるCRM/MAツールがおすすめです。

複数チャネルで連携できるか

メールに加え、SMSやLINE、さらにはオフラインの郵送DMなどと連携できるかもCRM/MAツール選びで大切なポイントです。顧客によってチャネルごとの反応や、チャネルの組み合わせによる反応は異なるので、チャネルごとの連携機能や分析機能が充実しているツールが理想といえます。
 
これら連携・分析機能を活用し、各チャネルのユーザーそれぞれの特性や趣味・趣向を把握できれば、よりパーソナライズされた内容のステップメールを配信できます。
 
前述の通り、メールに比べ郵送DMの方が幅広い層に訴求できます。さらにメールのみやDMのみの配信より「DMの後にメールを配信すると効果が倍増する」というデータもあります。このようにメール+DMを使うと、デジタルだけではリーチしにくい層へアプローチできるうえ、メールの開封率も高められる効果があるのです。以上のように複数チャネルで連携ができると、「よりユーザーニーズに沿ったステップメールの作成ができる」ことや「各チャネルの相乗効果が生まれる」などのメリットがあります。

まとめ

ステップメールは一般的に開封率が高いメールマーケティングですが、配信するタイミングや時間帯、内容によっては思うように開封率が上がらないことがあります。改善するにはアクセス解析を行い、配信タイミングの調整や件名・キャッチコピーの見直し、セグメンテーションによる配信内容の最適化などの対策が必要。そのために有効なのが、開封率やクリック率、CV率などの測定・改善が行える「CRM/MAツール」です。
 
CRM/MAツールの「MOTENASU」は、ステップメールの開封率を測定できる他、顧客のリアクションや行動履歴から詳細なセグメント化を実現できます。また、分析した顧客情報をもとにしたOne to Oneのメールのシナリオ構築・送信自動化も可能です。さらに、オンラインのSMSやLINE、オフラインの郵送DMなど、多彩なチャネルと併用しながらそれぞれに最適なシナリオ配信が行えます。「ステップメールの開封率を改善したい」「他のチャネルと連携して相乗効果を生み出したい」という方や、その先にあるLTVの向上を目指す方は「MOTENASU」の導入を検討してはいかがでしょうか。
 
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