DM施策にCRMツールを活用すべき理由とは?
CRMツールは、既存顧客の情報を管理し、継続的な関係性を構築するために必須のツールで、多くの企業で導入が進んでいます。ただ、CRMツールをデジタルマーケティング専用のツールと考え、Web上での顧客との接触にしか活用していないケースも多いのではないでしょうか。
しかし、顧客はWeb上で自社を認知したからといって、情報収集や比較検討、購入までをすべてWeb上で済ませるとは限りません。そのため、CRMツールで管理する顧客情報をデジタルマーケティングだけに使っているうちは、顧客獲得の機会損失を生んでいる可能性があります。
そこで本記事では、リアルの場でのマーケティング、特にDM施策にCRMツールを活用すべき理由について解説します。CRMツールをリアルの場で効果的に活用するためのポイントをぜひ参考にしてください。
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CRMとは?
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顧客関係管理と訳されるCRMとは、Customer Relationship Managementの略称で、顧客情報を一元管理し、顧客との良好な関係を構築・維持する仕組みや考え方を指すものです。
マーケティングの世界では、新規顧客を獲得するコストは既存顧客維持にかかるコストの5倍かかるといわれています。これを1:5の法則といいますが、多額のコストをかけて新規顧客を獲得できるのは基本的に一部の大手企業だけです。
多くの中小企業は多額のコストをかけられないため、既存顧客の維持が中心となりますが、そのためにCRMが重要な役割を果たします。特に近年は、ほとんどの業種で市場の成熟化が進み、新規顧客獲得は従来に増して困難になっているため、CRMの重要性はさらに高まっているのです。CRMの必要性
CRMが必要とされる理由は、多くの企業が抱えるビジネス上の課題を解決する可能性があるからです。。
顧客維持コストの増加
インターネットの普及により、Webセミナー、メールマガジン、SNS、Web広告など顧客との接触機会が大幅に増加した為、「誰と・どこで接触したのか」を把握・管理するのが非常に困難となっています。CRMはすべての顧客情報を一元管理できるため、1つひとつのチャネルを管理する手間から解放されます。
顧客ニーズの多様化
インターネットの普及は、顧客ニーズの多様化にも大きな影響を与えています。従来に比べ迅速かつ大量の情報入手が可能になったため、顧客のニーズは多様化し、企業側ですべてを把握することが難しくなりました。そこで、深い顧客理解を可能にし、顧客ごとに個別のアプローチを実現させられるとして、CRMが求められるようになっています。
商品ライフサイクルの短期化
インターネットの普及やIT技術の進化により、新商品を発売してもすぐに、より高品質な競合商品に先を越されることも珍しくありません。商品のライフサイクルが大幅に短期化したため、継続的に利益を上げるには、既存顧客の維持をより強化し、ニーズの把握を徹底していく必要があります。顧客データの収集・分析を行い、新商品開発・商品改善へ反映させるには、CRMが重要な役割を果たします。CRMツールとの違い
ここまでCRMを解説してきましたが、上述したようにCRMは顧客情報管理の仕組みや考え方を指します。しかし、実際にビジネスで活用するのは、CRMの仕組みや考え方を実現するツール、いわゆるCRMツールです。
CRMツールには顧客情報を管理するために、以下のような機能が搭載されています。
- ・顧客情報の一元管理
- ・広告キャンペーン管理機能
- ・メール(およびSMS・LINE)配信機能
- ・スコアリング機能
- ・Webアクセス解析機能
- ・フォーム作成機能
- ・リード情報管理/リスト管理機能
- ・分析レポート機能
- ・セグメント機能
- ・シナリオ配信機能
顧客情報をただ一元管理するだけでなく、顧客との関係をより良いものへと変えていくために、メール配信、シナリオ配信機能などを実装していることが特徴です。また、見込み客/顧客への広告キャンペーンも管理できるため、新規顧客獲得/リピート施策の検証もCRMツール上で管理できます。 -
DM(ダイレクトメール)とは?その特徴について
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DM(ダイレクトメール)とは、企業が個人もしくは法人に対して送付する印刷物を指すものです。自社商品やサービスの広告宣伝を目的としているので、基本的には、自社商品の購入、プレゼント応募、アンケート回答などで、個人情報を得た顧客に対して送付します。
デジタルマーケティングが隆盛の時代において、「DMはアナログで効果も期待できない」と思われるかもしれません。しかし、2021年3月、トッパン・フォームズ株式会社が発表した「DMに関する生活者調査(2020年度)」によると、DMを捨てずに目を通すと回答したのは62.6%。これに対し、メルマガは42.3%という結果が出ています。
また、一般社団法人日本ダイレクトメール協会が2022年4月に発表した「DMメディア実態調査2021」を見ると、DMの開封率は実に79.5%とほぼ8割の方が開封しているという結果です。
この結果からもDMはデジタルマーケティングに劣らず高い効果が期待できる施策だといえるでしょう。もちろん、アナログとデジタルのどちらが優れているということではなく、DMとメールを併せて活用すればさらなる効果も期待できます。 -
企業のマーケティング施策におけるDMの有効性
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企業のマーケティング施策において、DMは高い効果を発揮します。
ここではその理由として、- ・「見込み客」を「顧客」へと引き上げられる
- ・顧客のリピート購入を促進できる
- ・顧客の休眠化・離反を防止できる
の3点が挙げられます。それぞれ解説します。
「見込み客」を「顧客」へと引き上げられる
見込み客とは、自社を認知しているものの、まだ興味・関心を持っている状態で、購入にまでは至っていないお客様を指すものです。
この段階のお客様を顧客へと引き上げるには、自社の商品やサービスを理解し、好感を持ってもらう必要があります。DMは、新聞や雑誌広告、ポスティングに比べ、自分宛に届いたという特別感の演出が可能です。また、メールマガジンやWebコンテンツのようにスクロールしなくても、内容を一目で見渡せます。
そのため、自社の商品・サービスの理解だけではなく、全体のストーリーを把握しやすいのもDMの大きなメリットです。紙であるのに加え、自分宛という特別感により、DMは内容が印象に残りやすく、全体のストーリーを把握できるメリットがあります。
その結果、見込み段階のお客様との関係性を深め、見込み客から顧客へと引き上げることができるのです。顧客のリピート購入を促進できる
DMは、顧客の商品やサービスの利用期間を見計らって適切なタイミングで送信できるため、リピート購入の促進が可能です。新聞や雑誌広告、ポスティングも顧客へ直接届けられる点では同じですが、顧客のタイミングを見計らうことはできません。
メルマガも利用期間を見計らって送信できますが、前述の開封率を見れば、DMが62.6%、メルマガは42.3%と、DMの方がより高い確率で閲覧してもらえます。
ほかの媒体に比べ、情報が顧客へ届く可能性が高いDMは、リピート購入の促進においても効果を発揮するといえるでしょう。顧客の休眠化・離反を防止できる
商品やサービスの利用サイクルから外れてしまった顧客に対しても、DMは高い効果が期待できます。
上述した「DMメディア実態調査」によると、DMを受け取った顧客の約21%が、「ネットで調べた」「店に出かけた」「購入・利用した」などの行動を起こしています。
もちろん、ほかの媒体でも行動喚起を促すことは可能です。しかし、開封率の高さに加え、顧客の多くがすぐに捨てずに保存しておくといわれるDMは、より多くの顧客に動いてもらえる可能性が高いメディアといえるでしょう。なお、企業名や商品名を目立つように配置したり、セール情報や特別割引といったお得感を強調したりする工夫も休眠化・離反防止に効果的です。
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DM施策にCRMツール活用が必要な理由
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さまざまな段階の顧客に対して高い効果が期待できるDMですが、発送にかかるコストや手間を考えると、二の足を踏んでしまう担当者の方も多いのではないでしょうか。
DMに高い効果があるとしても、それ以上に担当者の負担が増えるのであれば積極的に活用したいとは思えないでしょう。
DM施策を効率化し、さらに高い成果を上げるには、CRMを活用してできるだけ手作業を減らす必要があります。その理由は次の3つです。DMの一斉郵送はコストがかかりすぎるため
リストにあるすべての顧客に毎回、DMを一斉郵送するのは、多大なコストがかかるうえに非効率でもあります。
そもそも、見込み客と休眠顧客に同じDMを送っても、それぞれの段階が異なるため、どちらにも刺さらない内容になってしまう場合があり、高い成果は見込めません。
DMによってお客様に特別感を持ってもらうには、お客様それぞれの段階によって適切なタイミング、適切な内容であることが重要です。
CRMを活用すれば、購入回数や購入日、来店回数、Webアクセス日時などさまざまな条件でのセグメントができ、段階に応じた内容のDMを郵送できます。その結果、郵送コストの削減が実現するのに加え、ターゲットを絞り込んだone to oneの内容で訴求ができるため、CVR(コンバージョンレート:成約率)の向上も可能です。
毎度条件に合う郵送リストを作成するのは手間がかかるため
初めて自社商品を購入した顧客に絞ってDMを郵送するのは、それほど手間はかかりません。
しかし、自社商品を購入した顧客の中から、「1ヶ月以内に2回目の購入をした顧客」と「2か月以上購入がない顧客」を選別し、改めて郵送リストを作成するとなれば、かなりの手間を要します。
さらに、「購入はないものの、来店(Webサイト訪問)はある。購入はしているが頻度が落ちている」など、より細かい分岐でシナリオを組めば、その分だけ手作業でリストを作成しなければなりません。
これでは郵送リストを作成するだけで、担当者の時間を大きく奪ってしまいます。CRMを活用すれば、「指定したWebサイトのコンテンツにアクセスしたユーザー、特定の商品を購入したユーザーに自動的にDMを送付する」といったシナリオ設定も可能です。
郵送リストも自動で作成できるため、担当者の負担は大幅に軽減できます。メール配信等の施策に反応がないユーザーにだけDM郵送が実施できるため
CRMは、何らかの行動をとった顧客にだけDMを郵送するのではなく、何もしなかった顧客にもDMを郵送することもできます。
例えば、新商品告知のメールマガジンを送信し、購入もしくはWebサイトへの訪問がなかった顧客にだけ、新商品のより詳細な情報を記載したDMを郵送します。
そして、半年や1年など期間を設定し、その間に購入、Webサイトへの訪問がない顧客に「自社商品の便利な使い方、お役立ち情報(Tips)などを掲載したDMを郵送する」といった対応も可能です。
何の反応もない顧客だけを抽出して施策を行うのも、手作業となれば多大な手間がかかります。CRMは手作業で行っていた業務の自動化を実現し、効率化を進めるため、担当者はより生産性の高い業務へと集中できるようになります。
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「MOTENASU」を使ったDM施策で出来ること
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DM施策は、CRMを活用することでより高い効果を上げることが可能です。
弊社のMA搭載型のCRMツール「MOTENASU」は多くの機能を有し、貴社のマーケティング戦略を支援します。
ここでは、特にDM施策の効果を高める機能について解説します。
また、より詳しい情報についてはこちらから資料請求をお願いします。設定したタイミングをトリガーとして、DMデータと宛先情報が自動抽出できる
MOTENASUでは、あらかじめ設定したタイミングをトリガーとして、DMのデータと宛先情報の自動抽出が可能です。
例えば、「自社のブログやSNSからECサイトに訪問した」「商品をカートに入れたまま離脱してしまった」などをトリガーに設定します。
その後、それぞれの行動を取った顧客に対して、刺さる内容のDMデータと宛先情報が自動で抽出される流れです。
通常のCRMでは、「条件を設定して顧客を抽出し、DM郵送リストを作成する」もしくは「MAツールでトリガーを設定し、CRMから宛先情報を抽出する」という対応が一般的です。
MOTENASUは、単体でトリガー設定からDMデータ、宛先情報の抽出までを行えるため、より迅速に顧客へ情報を届けられます。DMに顧客それぞれに最適化されたQRコードを付与できる
アナログからデジタルへ顧客を誘導するには、URLやQRコードをDMに添付するのが一般的です。
ただし、顧客の状況に応じて適切なページへ誘導できなければ、その効果も半減してしまうでしょう。MOTENASUでは、年齢、性別といった顧客属性のほか、購入した商品、購入した日など、シチュエーションごとに最適なコンテンツへ誘導するQRコードをDMに付与します。
ほかのCRMでは難しい細かい設定を施したQRコードの付与が可能なため、顧客に特別感を持ってもらい、CVR・購買率の向上が期待できます。
※「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。QRコードからアクセスしたユーザーのWEB行動を追跡できる
MOTENASUでは、個別のQRコードを付与できるだけではなく、QRコードからアクセスした顧客の「Web行動の追跡」も可能です。
DMを送った顧客の中で、「誰が・いつ・どのコンテンツを閲覧し、商品購入・資料請求・メルマガ登録などの行動を取ったのか」といった情報を取得できます。
さらに、顧客情報とWebの行動履歴であるCookie(クッキー)を紐づけ、過去や未来のWeb上での行動履歴の把握も可能です。これらの情報を基に顧客一人ひとりの分析を行えば、詳細な条件でのシナリオ設定も行え、より有効な施策も実施できます。
顧客1人ひとりに合わせてサイズ・圧着はがきのタイプが選べる
ターゲットや用途に応じてDMのタイプを選択できるのも、MOTENASUならではの特長の一つです。
MOTENASUでは、次のようなDMバリエーションが用意されています。
- ・はがき2枚分の情報が入るV型圧着はがき
- ・Z型に展開し、大きなビジュアルで訴求が可能な6面圧着はがき
- ・大判で届けたい情報が一目でわかる訴求力に優れたA4判圧着はがき
また、QRコードを付与したDMを送ってもなかなか反応のない顧客には、商品の注文を行える「返信はがき付きのDM」を郵送することも可能です。
顧客の属性に応じてデジタルとアナログを使い分けられるのは、ほかのCRMにはないMOTENASUの大きなメリットです。様々なデータを統合管理して分析・配信が可能
MOTENASUは単に顧客情報の管理をする以外にも、さまざまなデータを統合し、分析・配信を行うことが可能です。
具体的には、次のようなデータを統合し、分析・配信を行います。
- ・会員データ(住所・電話番号・年齢など)
- ・売上・受注データ(購入商品・購入金額・購入日など)
- ・行動履歴データ(Webサイトへのアクセスの有無・メールの開封有無など)
- ・広告効果測定(流入媒体・代理店など)
また、デジタルとアナログを効果的に使いわけられるのもMOTENASUの魅力といえます。
LINEやメールなどのデジタル施策に加え、DMは1枚から印刷・発送が可能です。さまざまなデータから得た情報を基に、それぞれの顧客に対し、適切なタイミング、適切な内容のメッセージの配信を行えます。
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まとめ
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インターネットの普及により、「アナログ的なマーケティング施策が時代遅れになっている」と錯覚されるケースが少なくありません。
しかし、今回解説したように、アナログ的なマーケティング施策は決して時代遅れではなく、むしろDMのようにデジタル的な施策よりも高い効果が期待できる施策もまだまだ存在しています。
ただし、従来のアナログ的なマーケティング施策では担当者の負担も大きく、DMの高い効果を十分に活かすことが難しいでしょう。
そこで、おすすめなのが「CRMを活用したDM施策の実施」です。
特に、DM施策にかかる手間やコストを大幅に軽減する機能を持ったMOTENASUであれば、最小の手間とコストで最大の効果を得る可能性が高まります。
DM施策×CRMを検討している方は、1度MOTENASUの導入も検討してみてはいかがでしょうか。
気になる方は下記のページからご確認ください。
▶条件に合った方のみへの効率的なDM発送で、費用対効果を高める
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